剱岳 源次郎尾根 アルパインクライミング
- 山行日
- -
- 山域、ルート
- 剱岳 源次郎尾根
- 活動内容
- アルパインクライミング
- メンバー
- 長野(L)、森本(食糧)
剱岳 源次郎尾根 アルパインクライミングの山行記録
8/7(雨) 立山駅(7:50) - 室堂ターミナル(9:00) - 雷鳥平(10:00) - 劔御前小舎(12:00) - 劔沢キャンプ場(12:40)
8/8(曇のち雨) 劔沢キャンプ場(4:30) - 平蔵谷出合(5:45) - 源次郎尾根取付(5:55) - 源次郎尾根I峰(10:20) - 源次郎尾根II峰(11:40) - 剱岳山頂(13:00) - 前劔(15:00) - 劔沢キャンプ場(17:15)
8/9(曇時々雨) 劔沢キャンプ場(6:00) - 劔御前小舎(7:00) - 雷鳥平(8:20) - 室堂ターミナル(9:30) - 立山駅(11:55)
使用した装備:ヘルメット、ハーネス、8.9mm60Mロープ、PAS、ビレイデバイス、プルージックコード、クライミングシューズ、スリング(60、120、240cm)、クイックドロー、(軽)アイゼン、ピッケル
当初、山岳会の新人だけで前穂北尾根を登攀しようと言う計画で去年より練習をしてきました。
しかし、今年に入ってから新型コロナウイルスの流行による山行自粛でメンバー集まっての練習ができない日々が続いていく、、、穂高岳周辺の群発地震や、涸沢カール付近の雪崩などニュースを見る限り状態はよろしくない模様。コロナの渦中と言う事もあろうか、北アルプスに入っている人達の情報も少なく現地の詳しい状態は不明であった。
6月、7月になると穂高岳周辺の情報もチラチラと入ってくるようになり、安全を考えて計画を変更しようと言う事で剱岳の源次郎尾根を登攀する事にしました。
8月6日の夜に大阪で合流し、名神、北陸道と乗り継いでいく。
8月7日
立山駅駐車場にて車中泊の後、朝の臨時便のケーブルカー、バスにて室堂へ向かう。
9:00ターミナルに到着すると雨が降っており、登攀予定当日に荒天の場合、大日三山を縦走して称名滝バス停へ下山すると言う計画にしていたので、どうなることかと思いながらも劔沢キャンプ場へ向けて出発。そして僕達はこの雨と山を覆うガスに終始悩まされる事になりました。
ちなみに今年はコロナの影響で駅の構内やキャンプ場の受付にはマスクが必要などの処置が必要でした。
共同装備や、食糧などを詰め込んだ二人のザックは重く、途中の雷鳥沢から剱御前小舎までの登りが普通にきつかったです。
雨の中、劔沢キャンプ場に到着しテントを建てる。ガスで何も見えない。
少しの休憩の後に、翌日登る源次郎尾根の取付の偵察の為に渋々出かける。剱沢雪渓は安定しておりアイゼンもよく効く、雨天という事もあり常に落石に注意しながら下っていく。
平蔵谷出合の巨大な岩を目印に源次郎尾根取付きを確認。結構ガレていたが、うっすらとした踏み跡など登れそうな地点を何点か確認してから下って来た道を戻る。この日はガスが濃くてキャンプ場周辺も見通しがなく、コンパスも役に立たずで剱沢小屋から剱沢キャンプ場まで何度も道を間違えたww
それは本当にキャンプ場にたどり着くまでが核心なんじゃないかと思える程に。。。。
テントに帰って来てからは森本くんが美味しいラーメンを作ってくれた!
そして朝から降ったり止んだりの雨の中、雨に濡れた森本くんの携帯は起動しなくなりました。。。
「携帯壊れたんで長野さん記録お願いします。。。」
「あ。。。ハイ」
以下、わたくしめの、画角に全くこだわらない写真をお楽しみください爆笑
翌日は3:00出発の予定だったが、雨っぽいので5:00出発という事で就寝。
8月8日
夜中何度か起きたがやはり雨が降っている。雨が止んだので予定を早め4:30に出発、周りのテントで出発の用意をしているのは僕達のみ、天気の事もあり上下雨具を着て出発。昨日確認しておいた道を下っていく。サクサク下りていくうちにいつの間にか登山道を越えて沢まで来ていたので、草付きを少し登って登山道へ復帰。
剱沢雪渓を下って源次郎尾根取付に来てみると、上の方はガスで曇って見えない。。。「雨降ってるかもな」と思いながらも行けるとこまで行きましょう!と
5:55登攀開始、踏み跡を辿って登っていく。ルートは僕達パーティの貸切のようだ。
草付きの踏み跡を辿っていくと直ぐに最初の岩場にたどり着く、前日からの雨で濡れており、最初の岩棚に乗り上げるのが難しそう。森本くんがすかさず残置ハーケンにスリングをかけてアブミを作って登っていく。
最初の岩場を超えると、灌木帯が広がっており、この中を進む木登りクライミング。公園のジャングルジムみたいで楽しい
灌木帯を超えるともう一つ白い岩場が現れる。岩場の下は10Mくらいルンゼ状に切れ落ちている。
ロープを出すほどでもなさそうだが、クライミングシューズに履き替えて登る事にした。森本くんはフリー、僕はロープを担いでいたので念のため残置リングにヌンチャクを掛けてA0で上がりました。
そこからはしばらく3級程度の岩場が続く感じで気持ちよく高度を上げて行く、僕達以外誰もいない中、途中の踏み跡の分岐など「こっちか、あっちか?」みたいに自分達だけで考えてルートを登るのが頗る楽しい。これで天気が良ければ最高なのだが。
途中、踏み跡の分岐を間違え、ルートを間違える。時間をロスしそうなので来た道を分岐まで戻る。踏み跡の分岐は少ししか先をチェックしなかったのでもっとその先をよく確認して歩かねばと反省。。。ルート的には分岐を左、左と行くほうがルートファインディング的には簡単そうでした。
直後の凹角状の岩場を落石に注意しながら登るとあとは難しい場面はない。I峰へ向かって登りやすいところを選んで登って行く。
展望は全くなく八ツ峰も写真を撮ろうと思った次の瞬間にはガスで隠れ、隣のII峰もその先は全く見えなかった。
I峰からII峰まで一度下っての登り返しがきつく見えるのだが、実際にはそれほど時間はかからない。
コルからII峰までハイマツと岩のコンタクトラインを登って行く。見通しも悪くII峰頂上はどこだろうと思いながら歩いていると、しっかりとした懸垂支点へ到着する。
11:35 源次郎尾根II峰懸垂下降
持って来たロープを支点にセットして下に投げたが、地面が全く見えないので、バックアップを取る。ロープが濡れて膨らんでいたり、細いコードで巻いていた事もあったのか僕のプルージックコードがきつく締まりすぎたので、2度セットし直してから降りました。30Mの懸垂下降ということで60Mロープだと地面まで降りれます。下の方はクライムダウンもできそうなので50Mロープでも大丈夫かな?
懸垂下降が終わって後は剱岳山頂まで登るだけだが、やはりガスで見通しは悪い。
長次郎谷雪渓への分岐点にて雨が降り出す。時間は12:00ここから1時間で剱岳頂上までたどり着ける予定だが、見通しが無い中での二人にとって初めてのルート。このまま進むべきか、雪渓から下りるか迷ったが、頂上まで抜ける事を決め、進む。
本峰頂上までは複数踏み跡が展開しており歩きやすい所を辿って登って行く。最初はうっすら見えていた頂上らしき地点を目指して登っていたが、その更に向こうに一番高い頂上らしき峰が見えるので其方へ向かって進み直す。途中、岩雪崩を起こしそうなガレた地点もあったりするので慎重に歩く必要もあった。頂上への登りで疲労を感じ出した頃、「あれ頂上の祠じゃないです?」と祠らしきものが見えてくる。
13:05 遂に、剱岳頂上へ到着。
風も強く、雨とガスで展望は無し。それでも二人でバリエーションルートから剱岳頂上へ登れたことが嬉しかった。強風と雨でただただ寒かったので写真を撮ってそそくさと下山開始。滞在時間5分ww
下山ルートは別山尾根より。早月尾根への分岐などルート上にペンキなど目印があることがどれ程心強いかを感じながら下りていく。平蔵谷から下りたかったが、僕が持って来ていたのは軽アイゼンだったので止めておいた。軽アイゼンでも大丈夫だったか?
雨の中、カニの横バイを下りていくのが正直一番シンドく体力を削られました。剱岳はなんか終始根性試してきますね。。。
その後も長い下りが延々と続くが、下りの最中も誰一人会うことがなかった。
16:35 剣山荘へ到着する。
売店でコーラを買って少し休憩する。コーラうま!!!!!
17:15 ガスも晴れており劔沢キャンプ場まで戻ってくる。
キャンプ場手前の池に来て初めて剱岳の姿を見る爆笑
テント場に帰ってからは再びラーメンを作って食べ、持って来ていたお酒で乾杯して就寝。下山後の温泉と食事が楽しみだ。
8月9日
6:00 朝食を食べ、テントをザックに押込み劔沢キャンプ場撤収。
3日間の雨は残念だったが、撤収は名残惜しい。。。この日も外に出てる人はいなかった笑
劔御前小舎を越え雷鳥沢のキャンプ場、室堂ターミナルへと歩く。僕は雷鳥沢から室堂までの登りがめちゃめちゃ疲れた。森本くんはサクサクと登っていき歩荷力の違いを見せつけられる。。。。もっとトレーニングせねあきませんね。。。。
9:30 室堂ターミナルへ到着。
会のAさんが室堂の診療所にいるみたいなので会えればなーと思っていたが、入山日もこの日もガスで何も見えなく診療所がどこにあるのかわかんなかったのでとりあえず帰りましたwww寒いし。
11:55立山駅へ下山。
僕はお腹が空いたので立山へ行くといつも寄るコンビニでサンドウィッチを買ってから氷見へ温泉へ行きました。
温泉後、少し遅めの昼食になったがすし食いねえ!高岡南店で美味しいお寿司を食べてから、富山市内の登山ショップで寄り道をしてから帰りました。
実は富山はカレーが有名なので次回富山方面へ行くときはパキスタンカレーを食べたいなと思っています。
今回、新人二人だけでバリエーションルートにチャレンジ出来たことがよかったです。やってきた練習のおかげで楽しい山行になりました。山行中、お互いのチェックなど森本くんに助けてもらったこともあったし、今回一緒に行くはずだったメンバーのうち一人がコロナの影響で練習できず山行を断念したりしましたが、今後も一緒に練習を続けていろんな場所へ行けたらなと思いますね。
あと、念のためってことで僕はスリングやアルパインヌンチャクとか持って行きましたが、全く必要なかったのでもうちょっと軽量化しようと思いました。この辺は経験で判断できるようになればですね。