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鹿島槍ヶ岳 天狗尾根 
    平成8年(1996年)4月28日〜40日 青谷 晋行

メンバー 青谷  山本
   コースタイム 4月28日 夜発   
 4月29日
大谷原 0530着〜天狗尾根取付 0730発〜天狗の頭 1230着〜テント泊
 4月30日 
 0630発〜鹿島槍が岳北峰 1030発〜南峰〜冷小屋 1130着〜 赤岩尾根〜大谷原 1430着 下山

 いつか鹿島槍の北壁を登ってやろうではないかということで、最大のパートナーたる山本氏と、とりあえず、今回はその偵察山行ということで、天狗尾根を登ることにする。前夜、青谷号で快調に出発。 早朝、大谷原に入る。何回か渡渉を繰り返し、荒沢出合に達する。さすがに水は冷たい。出合から、いきなり尾根に取りつく。一般的には荒沢を少し詰めて取りつくようだが、何度も渡渉したりするのが、うっとうしくなり、木登りで、大したブッシュもなく、2時間ほどで1800M地点へ達する。

 やがてやせた雪稜となり、自然と第1クーロアールに出る。雪が腐っており、大きくクラックも走っていて気味が悪く、ザイルを出して一気に抜ける。続く雪壁を登り、第2クーロアールにつく。ブッシュを頼りにザイルを出して、一気に抜ける。やがて展望が開けて、正午過ぎに天狗の頭につく。今日はここまでとし、荷物を下ろして、早速北壁を観察しに、もう少し進む。北壁基部までのトラバースルートを、目で追うが、とても強烈そうだ。天気が良く、各ルートをじっくり観察する。前パーティの幕営あとを利用させてもらい、テントを張り、ゆっくりと夕食の準備にかかる。夕方の天気図を取るが、明日は早くも下り坂だ。この後はダイレクト尾根を行く予定としているが、とりあえず明日は一度西股出合まで下りることにする。

 翌日は、予想通り、朝からどんより曇り空だ。北峰目指して、歩き出す。最低コルからの登りで2回ほどザイルを出し、岩稜帯を慎重に越す。荒沢の頭から北峰までは???の間だ。展望を楽しみたいが、ガスっていてそれどころではない。続いて南峰からかけ下るようにして冷小屋へつく。レーションを食べ、今後の予定を話し合う。 翌日は天気も悪いようなので、このまま大谷原へ下山することにする。帰りは赤岩尾根から途中高千穂平からシリセードで一気に西沢へ下り、あっという間に大谷原へ下山。空を見上げると、あれ!雲の間から晴れ間が出てきているではないか。ま、いいか、と二人笑いながら、二日間待たせた青谷号に乗り込む。そのうちきっと来るだろう、お次は北壁だ。春の柔らかい緑がとても美しかった。



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