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六甲・有馬往復の山行報告  L須川雄司 SL石原昌典
 
 これは、須川隊長と私の、熱い男のヒューマン・アドベンチャー・ドキュメンタリーである(単なる歩荷です、悪しからず)
須川さんは剣岳、私は笠ヶ岳といった冬山トレーニングの共通した目的があるので、六甲・有馬間を往復する計画を立てた。
 9時30分、ロックガーデンを出発。歩いて10分してから岩崎さんから借りた、高級プラブーツLowaを装着。私のために作られたようにピッタリ最初、プラブーツでの歩行は、膝がエルビス・プレスリーのように揺れるので安定せず、さらにソールが曲がらないので動きがロボットのようだ11時15分ごろ、六甲山最高峰に到達、中高年の方が多く茶屋のある広場がにぎやかである やはり下界とは異なりけっこう寒い。降ろしたザックを担ぐ時の背中の冷たさが嫌いだ。トト街道を通って有馬を目指す、高速道路のように綺麗に整地されていてサクサク歩ける。
 12時30分、須川さんが持ってきたラーメンを作って食べる しかし後ろから背中に吹き付ける北風が冷たく震えながらお湯が沸くのを待つ。
 1時30分ごろ、有馬にあるホテルでテニスをしている連中を見て、「ブルジョワめ!!」と二人で罵る。その後、湯之花堂の炭酸せんべいを食べながら紅葉谷を目指す。
 2時ごろ、紅葉谷に着くも、冬にアイスクライミングができる白竜滝・白石滝を見に行くことに合意、熟練者コースと書かれた標識を左に曲がるどんどん進んでいくと、二手に分かれた分岐点に当たった、そこを右に曲がると百間滝が現れる、 そんなに規模は大きくはないが六甲山にいるとは思えない光景である。早く凍らないかなぁ、たのしみだ。
 六甲山の山頂に抜けるべく、さらに進むが気付くといつのまにか砂地の急な斜面を登っている、標識の赤テープも見えない。頂上はすぐそこに見えたと思ったのでさらに登ることを須川隊長に提案。プラブーツを履いていたので砂地にキックステップで足場を作りなが登る。六甲山でキックステップの練習ができるとは思わなかった。  登ったがそこにはさらに続く砂地の斜面、砂地も岩肌に変わってきていてけっこうイヤラシイ。須川隊長の提案で降りるに決定。砂地の斜面だけに滑る。ここで素晴らしい技術を教わった、基本であるが靴のエッジを効かせながら体を斜面から離す、 ナント滑りが止るではないか!! これでサクサク先ほどの分岐点まで戻った。
 3時30分ごろ、分岐点を左に曲がって頂上を目指す、 途中、年頃20才くらいの女性三人組に出会う、けっこうカワイイ。須川隊長うれしそうだ。私もうれしい。
 4時10分ごろ、六甲山の頂上にたどり着く、熟練者コースはけっこう最後がきつい階段であった 頂上の自販機で缶コーヒーを買って飲む。Wonda(ワンダ)っていうやつだ、疲れた身体に沁み込む。  
 4時20分、芦屋のロックガーデンを目指して山道を下る、この頃にはプラブーツもなれたもので、うまく歩けるようになっていた。
 5時、辺りはうす暗くなってきた  ヘッドランプを出して装着、須川隊長は買ったばかりのLED付きのヘッドランプを使う、 「出発時に須川隊長が夜10時になっても歩く!」と言われていたのは、このおニューのヘッドランプを使いたいがため半分だったと聞かされる。須川隊長うれしそうだ。やはりLEDはいい! 雪山は知らないが、一般の縦走道はLEDを薦めます、広範囲に明かりが照らされて足場がクッキリと見える。いいですぞ。暗いと黙々と歩ける。いいペースだ、ただ一点気になることがある。それは、縦走路の途中に『イノシシが徘徊しています、えさを与えないでください』という看板があったこと、2ヶ月くらい前にでっかいイノシシを見たことがあるんだな、こんな細い山道で出会ったらどおしよう  あの力強い走りを思い出して神経が尖っていくのが分かる、 私の後ろで葉っぱの落ちる音まで聞こえてきそうだ 何度も振り返る 風吹岩から大阪と大阪湾を見渡す、贅沢な光である、 神戸の人間ならみんな何度も見ていると言われていたが、やはり新人はここに連れてくるのがいいのではないかと思うくらい美しい、この風景を見れば、入会を決断するはず。
 6時ごろ、ロックガーデンの茶店にたどり着く、須川隊長と力強い男の握手を交わす、計9時間ぐらい歩き続けた。素晴らしいトレーニングになったと思う



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