白岳 白岳沢 バックカントリー 山スキー
- 山行日
- 山域、ルート
- 白岳 白岳沢
- 活動内容
- バックカントリー 山スキー
- メンバー
- 三浦x2、友人
白岳 白岳沢 バックカントリー 山スキーの山行記録
白岳は後立山連峰の2541mの山である。長野県と富山県の県境の主稜線上にあり、唐松岳や大黒岳の南、五竜岳の北に位置する。主稜線と遠見尾根との分岐点であり、遠見尾根から五竜岳や唐松岳への登山道の経由地点として重要な位置にある。冬になると雪に覆われ白岳の名の通り白く非常に美しい姿を見せる。冬の白岳を遠見尾根から望むと五竜岳の北側に見え、八方尾根から望むと五竜岳の前衛峰のように見え、露出した武田菱の岩で黒く見える五竜岳とのコントラストが美しい。スキーヤーなら誰もがその白く急峻なピークに滑降意欲がそそられるだろう。
白岳沢は白岳北東面を源頭とし白岳の東側、遠見尾根の北側を流れる沢である。唐松岳南面の大黒沢や八方尾根南面の八方沢と合流し平川となり、麓の白馬村で姫川に合流し糸魚川市で日本海に注がれる。白岳沢はまた、遠見尾根北面に多くの支流を持ち、多くの魅力的なバックカントリーの滑降ルートを提供してくれる。中遠見山北面、大遠見山北面、西遠見山北面はいずれも遠見尾根から白岳沢本流に滑り降りる魅力的なバックカントリールートである。
今回はその白岳沢を源頭の白岳から滑降するルートである。
白岳のアプローチは、遠見尾根下部にある白馬五竜スキー場または白馬47スキー場が利用できる。いずれにしてもスキー場のトップまでゴンドラやリフトを乗り継いで、高度を稼いでから遠見尾根を登行できるので効率的である。この日は五竜遠見スキー場からアプローチした。スキー場のトップまでテレキャビンとリフトを乗り継いでからシールで登り始める。遠見尾根を登っていくだけなので迷うことはないだろう。
一ノ背髪まで登ると前方の視界が開け、遠見尾根とその先の白岳、滑降ラインの白岳沢が見える。その背後には白岳とコントラストを成す五竜岳の武田菱も見える。さらには後立山連峰の主稜線、北側には八方尾根とその先の唐松岳も望める。
一ノ背髪を過ぎてさらには登ると小遠見山であるが、ここはピークを右に巻いて通過し、次のピークが中遠見山である。中遠見山から望む鹿島槍ヶ岳北壁は非常に美しく迫力がある。休憩しつつしばらく景色を堪能した。
中遠見山の先はアップダウンがあったり痩せた尾根だったり多少気を使う必要があるが、なんとかシールでこなして登っていくと大遠見山に到達する。大遠見山のピークは幕営に適しており広く平坦である。ここでも休憩しつつ景色を眺めて過ごした。
大遠見山の先は比較的平坦で次のピークが西遠見山となり、西遠見山を越え2350mあたりからは白岳への最後の登りである。最後の登りはアイゼンを使用した。白岳沢には白岳山頂ではなく、手前の2500m地点からドロップする。白岳山頂直下はブッシュがあるため避けた。雪が多ければ山頂からドロップ可能と思われる。
2500m地点で滑走準備をして白岳沢にドロップ。直下は結構な斜度である。滑り出しの雪は柔らかくクラストという感じでもパックという感じでもないのに、なぜか板が取られて思うようなターンができない不思議な雪だった。しかしすぐに快適なパウダーになった。白岳沢を順調に滑降して高度を落としていく。このルートはスキーヤーズ右側の岩壁の景観が素晴らしい。景色を堪能しつつ快適な滑降ができた。高度が下がるにつれて傾斜は緩くなりゆったりとした気分で滑っていった。白岳沢1200m付近右側、大遠見山の北東尾根末端岩壁の氷瀑は逆鱗と呼ばれるアイスクライミングルートで2004年に初登攀されている。この迫力ある氷瀑を間近で見上げる景観も素晴らしい。
白岳沢が大黒沢や八方沢と合流する下部では、いくつか堰堤を越える。最後は村尾根基部の堰堤下流で渡渉して平川林道に合流できる。あとは平川林道を滑走して白馬47スキー場の駐車場に下山できる。そこから白馬五竜スキー場まで送迎バスで戻って無事山行終了した。
白岳ドロップ地点から平川林道まで滑走標高差1450m、平川林道も含めると総滑走標高差1650mのロングルートである。
白岳の白岳沢の山スキーのルートとしての魅力は、遠見尾根からの素晴らしい景色、スティープな白岳直下からメローな下部まで途切れなく繋がる総標高差1650mのロングルート、迫力ある白岳沢岩壁の景観といったところだろうか。またリフトにより白馬主稜線まで効率的にアクセスできるところもこのルートの魅力の一つだと思う。