前穂高岳 前穂高沢 バックカントリー 山スキー
- 山行日
- 山域、ルート
- 前穂高岳 前穂高沢
- 活動内容
- バックカントリー 山スキー
- メンバー
- 三浦x2、友人2名
前穂高岳 前穂高沢 バックカントリー 山スキーの山行記録
前穂高岳は穂高連峰の3090mの山である。穂高連峰の盟主とされる奥穂高岳とは吊尾根でつながり、槍ヶ岳方面より南北に連なる槍穂高連峰の主稜線から奥穂高岳で分岐した位置にある。稜線は前穂高岳山頂でさらに南北に分岐し、北は北尾根を介して屏風岩に、南は明神岳へとつながる。前穂高岳は岩に覆われた峻厳な山容をしており、北尾根や吊尾根を介して奥穂高岳とつながる様は涸沢や上高地の景色の象徴的な存在である。
前穂高岳は山頂の展望も素晴らしい。槍穂高連峰の主稜線から外れた位置にあるため、主稜線の全景が望めるのである。槍ヶ岳から北穂につながる主稜線と、北穂から涸沢岳を経由し奥穂前穂と大きく弧を描いて涸沢カールを取り囲む稜線の展望は圧巻である。
前穂高沢は前穂高岳山頂から岳沢に向けて直線的に落ちる沢である。前穂高岳山頂から滑降することができる山スキーの好ルートである。
この日は岳沢小屋を出発し、奥明神沢経由のダイレクトルンゼを登行、前穂高沢をスキー滑降した。
奥明神沢は重太郎新道の南側の沢である。無雪期の岳沢から前穂高岳への登山道は重太郎新道があるが、積雪期には奥明神沢が使われる。
岳沢小屋の朝食をいただいてから、シールは小屋にデポしてアイゼンで行動開始。岳沢小屋右手側に登ると奥明神沢が見えてくる。落石に注意する必要があるが、雪で覆われるため登ることができる。傾斜はあるが特に難しくはなくアイゼンとピッケルがあれば登れる。上高地から日帰りで登ってきた友人2人パーティと合流し、ひたすら登っていった。
ダイレクトルンゼは2700m付近で奥明神沢から左側に分岐する。分岐点あたりが最も傾斜があるように感じるが、とにかく雪壁を登っていき、前穂高岳に登頂した。前穂山頂では素晴らしい景色を堪能しつつのんびり過ごした。
滑走準備していよいよドロップ。雪はほぼ山頂からつながっていた。気温は低めだったため、上部の雪はカリカリ。下部はデブリと落石で前穂高沢は我慢の滑降だった。岳沢に合流すると広くなり、雪もザラメに変わり快適な滑降を楽しめた。
岳沢小屋まで滑り込んでひとまず乾杯。デポしたシールやその他の荷物を回収し、雪のつながっているとこまで岳沢をゆったりと快適に滑った。岳沢下部は雪がないので、最後はスキーを背負って上高地に下山した。
日帰りでも行けるルートにも関わらず、槍穂高連峰主稜線の素晴らしい景色、スティープなアルパインエリアとメローな岳沢の滑降を楽しめる好ルートだと思う。