富士山 富士宮ルート 残雪期登山

山行日
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山域、ルート
富士山 富士宮ルート
活動内容
残雪期登山
メンバー
W、U、T、A、M(記)

富士山 富士宮ルート 残雪期登山 山行記録

4月27日(金)

出発日だというのに、前日、仕事の後ジムへ行ってしまい肩が痛い。また荷物の準備で夜遅かったため軽く眠い。時刻は6:00、ガソリンスタンドも開店したことだろうし、ぼちぼち出発する。ガソリンを満タンにして、高速に乗る。家からだと新しく出来た新名神が近いのだが、ガソリンを入れ忘れていたため、結局中国道へ。帰りは新名神を使おう。集合場所は桂川PA07:40、朝の高速は通勤渋滞があるかもしれないと、1時間ほど余裕を持っていたのだが、蓋を開けてみると、高速はガラガラで7時に桂川に着いてしまった。

軽く車を掃除して、仮眠をしていたら、皆さん予定時間通りに合流。二台に分乗して、日の本一の富士の山を目指す。草津JCで間違えてUターンしたりしながら、刈谷のハイウェイオアシスで、食べ物を物色、朝食が早すぎ空腹の我々は肉巻きおにぎりに目が止まる。軽くおにぎり三個分くらいはありそうな肉巻きおにぎりを、カーボロードカーボロードと念仏を唱えて胃に収める。お昼を食べようと、最後のPAの静岡に停車し、揃って昼ご飯、新富士で高速を降りたらコンビニで食料を購入し、富士山を見上げると、予想以上に雪が無い。ぱっと見、七合目までは全く雪が無さそうに見える。

富士スカイラインを上って五合目(2,380m)へ、途中でカモシカを目撃するも写真は失敗。五合目14:30頃到着、駐車場はかなり空いており、いくらでも車を停めれる状態だったので、レストハウスに近い場所に二台並べて駐車。今年は雪が少なく、夜間の通行止めはしないそうで、24時間通行できるとのこと。食堂は既に閉まっており、土産物で修学旅行の高校生のようにはしゃいだ後は、呼吸も落ち着いてきたので、登山道を下見に行く。

富士宮口登山道のメインの登り口はフェンスで閉鎖されていたため、宝永山側へ10分ほど行き、地図上の六合目への破線を登ってみようと歩き出す。踏み跡は明瞭かと思いきや、ルートが分かりづらく、思い思いに歩くと薮に突き当たる。崩れやすい斜面を方角を目当てに無理矢理登ると、小屋に到着。階段状の登山道を下ると、すぐに駐車場に下り、翌日は素直にフェンスを越えようと誓った瞬間であった。
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その後軽くロープを出し、斜面が凍結していた際に備え、アッセンダーの練習をしていたら、小雨が降ってきたので、早々に片付け、早めの晩ご飯とする。今回以前から気になっていた、「じゃがりこマッシュ」にトライしてみる。サラダ味のじゃがりこに半分ほどお湯を入れ、少し待ったらフォークでかき混ぜる。たったこれだけで、立派なマッシュポテトになる。初めて考えた人は偉いなーとか言いながら楽しい時間が過ぎていった。富士山は過去に9.5合目付近で高山病により登れなかった思い出があったので、今回は酒も控えて、睡眠を取るよう心がけた。19時には2人と3人に分かれて就寝。

4月28日(土)

車中泊で3人は身動きは取れないものの、寒さは全く感じず、気がつけば3時だったので、意外に眠れた事に驚く。夜中に外から車の音が度々聞こえてたので、結構上がって来てると思っていたが、やはり朝には結構停まっていた。外は寒いので、車の中で朝食を取り、身支度を調え、4時に出発。外は満点の星空で月明かりも明るく、雲一つ無い快晴状態。昨日のフェンスをひらりひらりと華麗に乗り越え、登山道に踏み込む。山に入ると、最初ゆっくり歩かなければと思うもののいつも知らず知らずのうちにペースが上がってしまう。しかし今回はWさんがペースを作ってくれてたので、落ち着いて呼吸を整えながら上がって行くことができた。最初ゆっくり歩くのはちゃんと今後も意識しようと思う。高山病の症状も無く、昨晩より体調が良い。あっという間に六合目(2,490m)に到着。動くと既に暑くなっており、服装を整える。一休みしたらまた歩き始め、新七合目(2,790m)を目指す。
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しかし、この新とか元祖という名称はどうにかならないものか、非常に分かりにくい。吉田ルートの八合目はさらに多いが、そのうち本家七合目とか、裏七合目とか増えない事を願う。新と元祖の由来は山梨県と静岡県の対抗意識によるもののようで、スバルラインの終点が五合目となり、対抗して後ほど開通した富士山スカイラインの終点を五合目に定めたようで、定める前は同地点は三合五勺だったので、定める前の七合目が元祖七合目、定めた後の七合目が新七合目になったようだ。由来はさておき、七合目が二回出てくるから八合目と思っているとがっかりする。
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そうこうしているうちに、日も昇り、新七合目(六合五勺)に到着、ここからはところどころ雪があるが、まだアイゼンを着けるほどでは無いと思い、つぼ足で進む。岩と雪のミックスルートを要所でキックステップを駆使しながら、元祖七合目(3,030m)に到着、大分お腹も減ったので、行動食を口にしつつ、先を見上げると、残りはずっと雪の上を歩いて行けそうだ。休憩時にUさんに頂いた温かい甘い紅茶が染み渡る。一休みしたらアイゼンを装着し、ストックからピッケルに持ち替える。雪の上を行けるので、登山道にこだわらず直登ルートを進む。しかし傾斜もきつくなってきて、一呼吸毎に進める距離が減って来る。なんとか八合目(3,220m)を過ぎ、上を見上げると、頂上もしっかり見え、あとわずかに見えるがここから時間がかかる。九合目(3,400m)をスルーして、息も絶え絶え進む、まだ時間が早く、雪の上がクラストしており、アイゼンで氷を踏みつけながら進む。氷の層は薄く、アイゼンを突っ込むと爪がしっかり効いてくれる。九合五勺(3,550m)で一呼吸置くと、早々に頂上を目指す。あとわずかのところを苦労しながら歩を進め、ようやく富士宮口頂上(3,710m)到着。初めての山頂の素晴らしい景色と天気に思わず笑みがこぼれる。火口の方も見に行ってみるが、火口の縁は結構強風で、大分寒かった。火口壁のサミットフォールの話をWさんに教えて頂き、こんな場所でアイスクライミングをする連中がいることに驚愕すると共に、いつかはやってみたいと思った。今回は温かすぎたのか、サミットフォールは繋がっておらず、クライミング目的に上がってくる人には残念な年となった。
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その後ザックをデポして、5人全員で剣が峰(3,775.6m)へ向かう。剣が峰は風があまり強くなく、空身の楽さもあって無駄にTさんと走って登り、すぐに後悔する。しかし、拍子抜けするほどあっさり剣が峰へ到着。これまた初めての富士山剣が峰に喜び、晴天に感謝した。全員で3,777m地点に到着すべくジャンプして、記念撮影を終え、下山することにした。
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下山時は、もう雪が緩み始め、クラストは溶け、かなり安心して下って行った。傾斜が緩やかになると、スキーヤー、ボーダーを眺めながら、シリセード大会、あっという間に下って行く。また、アイゼンを外してグリセードにトライしてみたが、なかなか足腰に力が必要で結構しんどかった。技術が足りないのか、今後またやってみよう。雪が緩んでるので安全に下れるが、斜面が凍ってたら、滑った場合止めきれない可能性があるので、時と場合による危険な技と思われた。

雪の斜面を滑っていくと、あんなに時間のかかった斜面を、あっという間に下れるので、なんとも複雑な心境だ。軽快に下り過ぎて、ルートを外し、宝永山へ近づき過ぎたので、改めて現在位置を確認し、ルート訂正して、西へトラバースしていく。下りの方がルートミスの可能性が高いので、用心が必要だ。夏道に合流し、アイゼンを外すと、登山道を下りていく。そろそろ下るのも飽きたところで、六合目に到着。ちょっと腰を下ろし、名残惜しい山行を振り返りつつ休憩する。そうしているうちにもキャンプ道具を背負って登って行く人々がいる。五合目に到着し、最後のフェンスをこれまた華麗に飛び越え、山行の達成を喜び合った。帰りも渋滞はほとんど無く、大津SAで晩ご飯を食べ、解散。新名神は綺麗で早かった。

今回、最高の晴天に恵まれ、日焼けで顔がヒリヒリするが、非常に楽しい山行が出来た。企画頂いたWさん、そして素晴らしいパーティーに感謝。

富士宮口五合目出発4:00-六合目-新七合目-元祖七合目7:30-八合目-九合目-富士宮口山頂10:30-剣が峰11:30-富士宮口山頂12:00-富士宮五合目到着14:30