奥穂高岳 直登ルンゼ~扇沢 山スキー
- 山行日
- 山域、ルート
- 奥穂高岳 直登ルンゼ~扇沢
- 活動内容
- 山スキー、バックカントリー
- メンバー
- 三浦P
奥穂高岳 直登ルンゼ~扇沢 山スキーの山行記録
涸沢から直登ルンゼを登行し奥穂高岳に登頂、扇沢をスキー滑降して岳沢経由で上高地に下山した。
奥穂高岳は日本第三位の高峰3,190m、北アルプスの最高峰であり、穂高連峰の盟主でもある。私が初めて登頂したのは中学生の夏休みで、登山が好きな父親に連れられ急峻な岩場を運動靴で登って行ったのを覚えている。人生初の本格的な登山で思い入れの強い山でもある。山スキーでは2011年と2012年の2回、GWに穂高岳山荘経由で登頂し直登ルンゼを滑降している。思い入れの強い山の山頂から滑降でき、今でも印象に残る山行である。今回奥穂に山スキーで登るのは3回目となる。
奥穂高岳のスキー滑降ルートとしては、涸沢に向かって直線的に下る直登ルンゼが有名である。今回は奥穂高岳の南面、扇沢を滑降することにした。山頂から南側にその名の通り扇状に広がる沢であり、岳沢や上高地からも望むことができる。涸沢からは見えないことや途中の滝の状況が見えにくいため直登ルンゼほど頻繁ではないが、滑降記録はすぐに見つけられる。登りのルートは穂高岳山荘経由の夏道よりも速いと聞いたので直登ルンゼを使うことにした。
涸沢ヒュッテで朝食を済ませ、まずは小豆沢のトレースに沿ってシール登行する。途中から左側に見えてくる直登ルンゼに向けてトレースを外れて登行する。このあたりから斜度が上がってくるのでアイゼンに履き替える。
直登ルンゼは斜度があるが、アイゼンとピッケルがあれば問題なく登れる。途中上から滑降してくるスノーボーダーとすれ違った。登るにつれて展望がよくなってくる。
直登ルンゼはその名の通り奥穂高岳の山頂直下までつながっている。ルンゼを抜けると奥穂山頂の50mほど北側の夏道に合流し、夏道をそのまま歩けば奥穂に登頂できる。山頂のケルンで写真撮影してから扇沢側に移動して滑走準備をした。比較的広くて滑走準備しやすい。
滑走準備終えて滑走開始。まず山頂から右手側のジャンダルム側に降りてみたものの、雪が割れていたため、キックターンして左側の前穂側にルートをとった。雪が多ければどこでもルートをとれたのかもしれない。滑り出し以外は特に間違えそうな場所もなく、ノドまではそのまま滑降可能だった。
扇沢のノド部は沢が露出しておりスキーを外して通過する必要があった。ロープやアイゼンは不要で、スキーを手に持ってツボ足で通過できた。積雪が多ければスキーを外さず滑降できるそうだ。逆に積雪が今回よりも少なければもっと降りるのは難しかっただろう。
ノドを通過すると急に広くなり、スキーを再び装着することができた。奥穂南稜の取付き付近に合流するため、振り返るとトリコニーが見える。両脇は迫力ある柱状節理の岩壁だった。
扇沢を抜けると岳沢に合流する。岳沢小屋の脇を通過し、雪のつながっている2000m付近までスキーで下ることができた。そのあとはスキーを背負って岳沢の夏道をスキーブーツで歩き、上高地に下山した。