宝剣岳 中央稜 残雪期アルパインクライミング

山行日
山域、ルート
中央アルプス 宝剣岳 中央稜
活動内容
残雪期アルパインクライミング
メンバー
K谷(L)、M田(記)

宝剣岳 中央稜 残雪期アルパインクライミング 山行記録

前泊して千畳敷カールへ向かう。
我々二人でここに来るときはいつも晴れ。もちろん、普段の行いがいいので(笑)

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快晴!

さて、今回気になっていたのは雪の残り具合だ。
中央稜は、取り付きまでの雪が溶けきっていると、
植生保護のため一般登山道以外は立ち入り禁止になり
宝剣岳に歩いて登ってから懸垂下降で取り付きまで降りる必要がある。

幸い、今回は取り付きまで雪がつながっている。
岩が雪を被ってもいないのでクライミングシューズで登れる。
今回はまさにベストな状況だと言える。

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ベストコンディション

8:30に千畳敷の駅を出発し、カールの急登を半分近く登り、
登山道の脇にある浅いシュルンドに荷物をデポし取り付きへ向かう。
取り付きの草付きを念のためロープを出して登るとリングボルトで支点があったので、
登山靴をミウラに履きかえ9:30登攀開始。今回は全ピッチをセカンドで登る。

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取り付き前の急登

1ピッチ目からいきなり足が少なくA0での登攀。
リードのK谷さんは棒フレンズまで持ってきてるのでやたら重そうだ。
2ピッチ目もA0を使って登り、オケラクラックの下の凹角から3ピッチ目を始める。
このルートでは凹角が一番難しく、もちろんA0を使って登る。
やっぱりこのルートはアイゼンだとキツそうなので、ミウラで登れてよかった。
オケラクラックは40度くらいで今回では一番やさしく、視界もよく通って気持ちがいい。
オケラクラックを抜け山頂へ。12:30着。
クライミングが終わると即山頂ってやっぱり爽快だし、アルパインのそういうところが好き。

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オケラクラック
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山頂にてK谷さん
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そして下山、
当初は懸垂下降で下まで降りて1ピッチ目に置いてきた登山靴を回収し、
荷物をデポした地点に戻る予定でしたが、
懸垂下降中にロープが引っかかることを危惧して、
ミウラを履いたまま歩いて降りて荷物を回収することに。

裸足で降りようかと思ったけれども、さすがに雪の上を何十分も歩くのは寒そうなので、
多少きついのを我慢してミウラで降りる。
カールの雪の斜面は滑り出すと止まらなさそうなので、
急なところはピッケルの代わりに道すがら拾った石を雪面に突き刺して降りる。
原始時代のアルピニストも同じようにしたのだろうか...。
と、冗談はさておきフラットソールなのでめっちゃ滑りそうで怖い。そして冷たい!!

K谷さんは荷物をデポした地点に寄らずに、先に登山靴を取りに行ったので、
僕は時間をかけて荷物をデポした地点に向かう。以外にピッケル代わりの石が効いてる。
冷たいやら足がきついやらで写真を撮る余裕もない。
今回の核心はたぶんここだっただろう。

デポした地点に着き、足を暖めながら日差しでポカポカに温められたサンドイッチをたいらげ、
K谷さんを待つもなかなか来ない。そこからは姿は見えないが苦戦しているようなので、
デポしてあったバイルをもって再び取り付きへ。取り付き前でK谷さんと合流できた。
荷物がロープバックに入りきらず、持って降りるのに苦労したらしい。

ようやくまともな靴に履き替えられて心底ほっとした。
そのまま無事に下山。

K谷さん曰く僕の雪上技術はずいぶん上達したらしい。
そういえばカールを降りるときも以前ほど恐怖感を感じなかった。靴がミウラなのに。

今回の山行は、せっかく気持ちよかった登りも下りのアレコレで記憶を上書きされてしまった。
ルート自体は次来るときには自分がリードで行けそうな気がするので、来年の今時分ににぜひ行ってみたい。7月に予定している八つ峰のいい練習になったと思う。あとは、アルパインでのカムフレンズの重要性を改めて感じた。夏のボーナスで1セットそろえようと思う。

あとがき
K谷さんが登山靴をデポしてある場所に戻った時に熊の足跡があったらしい。
我々が登るのが遅かったらビレイヤーの私は熊のエサになっていたかも...。