比良山系 明王谷 奥の深谷 沢登り
- 山行日
- 山域、ルート
- 比良山系 明王谷 奥の深谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- 金谷(L)、前田(搬送)
- 天候
- 晴 32 °C (入渓時)
比良山系 明王谷 奥の深谷 沢登り 山行記録
圧倒的な水量を落とす「明王谷三の滝」と「八池谷貴船の滝」はその恐ろしそうな景観から私のある種トラウマになっていました。とある猛暑日ヒロシ君を誘いトラウマ解消に出かけました。
9時35分入渓。絶好の沢登り日和。水量少ない。入渓直後、私は泡立つ水中の景色に視点が合わず、傾斜した水中の石に滑り右膝を強打、膝は熱を持ち腫れてくる。かなり痛いけど何とかなると、遡行を始める。
10分ほどで堰堤に到着。例の壊れかかったアルミ梯子は壊れて跡形も無くなっていた。フリーで右の黒い壁が登れそうなので、ロープも出さずなんなく直登。
20分ほどで二の滝到着。ここまでの平流は水量が少なかったが、二の滝はいつも通りの大水量。滝壺は土がたまって浅くなっていたが、大雨で底をえぐられたのか?以前の水深に戻っていた。10mほどの平泳ぎで滝下に、滝の右側のリッジ状をフリーソロで登る。
その上の15m位の長淵は、2人とも背泳ぎで激流を突破する。笑!初めて使うライジャケは効果抜群で、この後ヒロシは淵があれば必ずいろんな泳法で突破していく。あー沢登りが水遊びに変わっていく。まだまだ幼稚な一面がかわいい。
30分ほどで三の滝に到着。相変わらずの迫力だ。「ザックを置いて試登していいですか?」に「いいよ」と言うと、ヒロシ君躊躇なく膨大な水の落ちる滝裏をロープレスでどんどん渡り、滝心のすぐ右横のつるつるフェースを登り、渦巻く滝壺にダイビング。逆巻く流れにモミクチャにされながら、必死の平泳ぎで戻ってきた。冬の宝剣岳北稜の時といいヒロシには恐怖心が無くなる瞬間があるのか、生存係数をはじき出す計算能力が低いのか、ビビリの私には分らない。
ザックを担いで私も滝裏をへつると、空間は結構広くホールドもあって全く問題なく渡れてしまった。少し泳いで滝の右のリッジ下に立つ。
約30mのリッジはフリーソロ状態になるので、私が登るつもりだったが、ヒロシ君「ゼヒ登らせて下さい」と食い下がるので、右膝の痛みで弱気になったのか、「OK」と任せてしまう。30mノープロテクションで堕ちてきたら止めようがないが、深い滝壺にドボンだから怪我しないだろうな、とか自分が登るより緊張する。
OKコールが出て、セカンドで続くとII~III級程度で容易であった。ヒロシ君喜びの余り「オンサイト!!オンサイト」と騒がしい。で、「試登したらオンサイトではない」とからかう。必死さがオモシロイ。
「三の滝」その見かけから困難を予想していたが肩すかしだった。「貴船の滝はヌルヌル薄被りでフィンガージャムなど体感10aの素晴らしいフリークライミングだったが‥」トラウマ完全解消。
11時35分、丁度2時間で明王谷終了。昼食後続いて奥の深谷を遡行。奥深下部は淵も深くヒロシまたまた水遊びと水泳に興じる。
段々調子が上がって次々と出てくる滝と淵を直登&直泳で突破していくと、二股で休憩中の5人パーティに追いつく。挨拶してからは更にギアアップし、平流も滝もどんどん飛ばしていく。
10m直瀑の右岸を小さく高巻き、暫くして午後2時35分遡行の終了点となる登山道との出合に着いた。丁度5時間の遡行だった。
総括
- 今回水量が少なく平流部は流心をほぼ通しで歩けた(泳げた)。
- 晴天が続いても、滝部は伏流がなく水量は通常と余り変わらなかった。
- 前半は緊張と遊び(余裕?)で動画撮影しながらゆったり登ったが、後半は脇目もふれず超高速沢登りとなり写真も撮らず黙々と集中して登った。
- パートナーの安定感が出てきたので、ロープ使用が2回(三の滝左岸リッジ、奥深上部8m美瀑右岸高巻き)で済んだ。 …経験値と登攀力の高いパーティならばノーザイルが可能。(もしもの事故対応や懸垂下降を考慮すると、ザイル携帯は保険で必要)
- 長い泳ぎのある沢ではライフジャケットが有効。 …空気で膨らみ背部がメッシュのタイプが登攀&携帯等にマッチしている。
- メンバー間の信頼感の深さが大切、最近は数字ばかりを追いかけたり、卑怯な山屋も一部見受けられますが、社会や山のモラル、ルール、メンバーを大事にして、アウトドアを探究し続けたいですね。