奥大日岳 南面~称名川 山スキー

山行日
山域、ルート
奥大日岳南面~称名川
活動内容
山スキー、バックカントリー
メンバー
三浦、友人

奥大日岳 南面~称名川 山スキーの山行記録

奥大日岳の南面をスキー滑降した。

奥大日岳は、剱岳から剣御前と室堂乗越を経由して延びる大日尾根の最高峰であり、立山室堂周辺から峻厳な山容を望むことができる。奥大日岳の山スキーのルートとしては、2016年5月に遂行した東面からカガミ谷へと滑降し、室堂乗越に登り返すルートが有名である。一方、立山高原バスの通行する天狗平に向けて奥大日岳が見せる南面は、よく滑降されている東面にも引けを取らない峻厳さを備えており、滑降意欲をそそられるにも関わらず、滑降記録はほとんどない。今回の山行は、その奥大日岳の南面をスキー滑降し、称名川の対岸である天狗平まで登り返すルートである。

5月11日朝、室堂に入山し、まずはその日の宿のみくりが池温泉に不要な荷物をデポ。雷鳥沢キャンプ場でシールを装着し室堂乗越を目指した。室堂乗越付近で大日尾根に乗り上げ、尾根伝いにシール登行。斜度が増してきたらスキーを背負いアイゼン登行に切り替えた。大日尾根からは剱岳の西面、東大谷側の急峻な姿を望める。

室堂から山行開始 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
室堂から山行開始
室堂乗越を経由し大日尾根をシール登行 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
室堂乗越を経由し大日尾根をシール登行
アイゼンに履き替え大日尾根を登行。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
アイゼンに履き替え大日尾根を登行。
大日尾根から望む剱岳西面 東大谷の急峻な山容。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
大日尾根から望む剱岳西面 東大谷の急峻な山容。

P2511を越えて奥大日岳に近づくにつれて、滑降する南面が良く見えてくる。東面からカガミ谷へ滑降する際は雪庇の切れ目を狙ってドロップするため奥大日岳山頂まで登らない場合があるが、南面には雪庇がないためドロップ場所に気を使う必要はなく、奥大日岳の最高地点P2611付近のどこからでもドロップできる。P2611まで登行してから滑走準備に取り掛かった。P2611は比較的広く準備しやすい。大日岳へつながる優美な尾根を望むこともできる。

奥大日岳の最高地点目指して登行。左側が今回スキー滑降する南面。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の最高地点目指して登行。左側が今回スキー滑降する南面。
奥大日岳の最高地点P2611にて滑走準備。広くて準備しやすい。大日岳へつながる優美な尾根を望むこともできる。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の最高地点P2611にて滑走準備。広くて準備しやすい。大日岳へつながる優美な尾根を望むこともできる。

滑走準備を終え奥大日岳の南面のドロップポイントに立つ。切り立った両岸を持ち谷底に見える称名川は、その向こうに見える平坦な天狗平に彫りこまれたように見える。

登行時に左手に見えている大きな扇状の斜面なので間違える可能性は低いが、ドロップの際、P2611から若干称名川の上流側、つまり左側に方向をとって滑り出す必要がある。右側に向けて滑ると崖である。

奥大日岳の最高地点P2611からドロップ。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の最高地点P2611からドロップ。

雪質は素晴らしいザラメだった。扇状の斜面は長く適度に斜度があり滑りごたえがある。ノドまでは広く自由に滑降ラインをとれる。

奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。
奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。
奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。
奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。
奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。
奥大日岳の南面をスキー滑降。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面をスキー滑降。

ノドは狭くなるが特に問題なく通過できた。しかし、ノドを過ぎるとデブリと落石で急に滑りにくくなる。我慢の滑降を強いられるが、とにかく下っていけば称名川本流に合流することができる。雪はすべてつながっておりそのまま称名川のボトムに滑り込むことができた。称名川のボトムは広く、雪で完全に埋まっていた。

奥大日岳の南面のノドを通過して滑降したルートを振り返る。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳の南面のノドを通過して滑降したルートを振り返る。
称名川のボトムに到着してアイゼンに履き替える。ボトムは広く、雪で完全に埋まっていた。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
称名川のボトムに到着してアイゼンに履き替える。ボトムは広く、雪で完全に埋まっていた。

称名川に合流してから距離200m程度下流側に進むと、左手に天狗平へ登り返す尾根の取付きがある。大きくせり出した尾根で、その尾根の上流側から乗り上げるようにして登る。この尾根は重要で、大日尾根から確認した限りでは登り返せる尾根は一つしかない。他は崖になっていたり木のあるやせ尾根だったりして、登り返しには使えないだろう。斜度はあるがアイゼンとピッケルがあれば登れる。

称名川から天狗平へ登り返す尾根の取付き。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
称名川から天狗平へ登り返す尾根の取付き。
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。斜度はあるがアイゼンとピッケルがあれば登れる。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。斜度はあるがアイゼンとピッケルがあれば登れる。
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。登るにつれ展望がよくなっていく。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。登るにつれ展望がよくなっていく。
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。登るにつれ展望がよくなっていく。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
称名川のボトムから尾根に乗り上げる。登るにつれ展望がよくなっていく。

200mほど登ると急に平坦になり、称名川を脱出し天狗平に到達したことがわかる。振り返ると先ほど滑降した迫力ある奥大日岳の南面が望める。

天狗平に到達。中央が奥大日岳南面のスキー滑降ルート。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
天狗平に到達。中央が奥大日岳南面のスキー滑降ルート。
天狗平に到達して記念撮影。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
天狗平に到達して記念撮影。

称名川を脱出してしまえば、あとは平坦で広い天狗平をゆったりとシール登行すればよい。この展望は素晴らしく、平坦な天狗平の奥に険しい立山連峰が望め、まるでヨーロッパアルプスの氷河を登っているようだ。そのまま立山高原バス道路の北側を登っていくと見えてくる立山高原ホテルで登行終了となる。道路の反対側の天狗平山荘で室堂行きのバスチケットを買って、立山高原バスで室堂に戻ることができる。

天狗平をシール登行。平坦な天狗平の奥に険しい立山連峰が望め、ヨーロッパアルプスの氷河を登っているよう。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
天狗平をシール登行。平坦な天狗平の奥に険しい立山連峰が望め、ヨーロッパアルプスの氷河を登っているよう。
立山高原バスの道路の北側を登行。前方右手に見える黒い建物が立山高原ホテル。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
立山高原バスの道路の北側を登行。前方右手に見える黒い建物が立山高原ホテル。

今回の奥大日岳の南面を称名川までスキー滑降し天狗平に登り返すルートは、素晴らしい展望と滑りごたえのある滑降が楽しめた。また、天狗平山荘から室堂への帰路に立山高原バスが利用できるため効率的であるが、他のパーティーに会うこともなく独り占めできるいいルートだと思う。

奥大日岳南面のスキー滑降ライン。上部は広く適度な斜度があり快適な扇状の斜面。ノドは狭いが問題なく通過できる。下部はデブリと落石で快適とは言い難い。雪はすべてつながっていた。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳南面のスキー滑降ライン。上部は広く適度な斜度があり快適な扇状の斜面。ノドは狭いが問題なく通過できる。下部はデブリと落石で快適とは言い難い。雪はすべてつながっていた。
奥大日岳南面から称名川のスキー滑降ルートと立山高原ホテルへの登り返しルートのGPSトラック。赤が奥大日岳山頂から称名川の滑降ルート、青が称名川から立山高原ホテルへの登り返しルート。 奥大日岳南面 称名川 山スキー バックカントリー
奥大日岳南面から称名川のスキー滑降ルートと立山高原ホテルへの登り返しルートのGPSトラック。赤が奥大日岳山頂から称名川の滑降ルート、青が称名川から立山高原ホテルへの登り返しルート。