大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷 地蔵谷左俣 沢登り

山行日
山域、ルート
大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷 地蔵谷左俣
活動内容
遡行
メンバー
吉岡(L)、岩瀬た(記)

大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷 地蔵谷左俣 沢登りの山行記録

大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷 地蔵谷左俣 沢登りIMG_0396

こんにちは、岩瀬琢海(以下、岩瀬た)です。
当初、大台ケ原千石嵓サマーコレクションに登る予定でしたが、雨予報のために計画を変更し、大峰山の上谷に沢登りをしに行きました。

ガイドブックでは初級者向けとのことで、今期3回目の沢となる吉岡さんと、沢の経験がほとんど無い僕とで、自分たちで考えながら登るにはちょうど良いだろうということで雨そぼ降る中意気揚々と遡行していったのですが、できるだけ滝を巻かずに登った結果、思いの外シビれる遡行となりました。

以下、遡行記録です。


行程概要

・5/27(前夜)
23:00 上谷集落手前駐車地着、就寝

・5/28
5:30 起床
5:50 出発
6:10 入渓
6:45 6m滝にてハーケン練習
9:45 牛呼滝
10:50 二股・植林小屋
12:00 地蔵谷左俣の滝
14:00 滝突破
14:30 詰め上がって登山道に出る
17:00 駐車地 到着・下山完了

行程詳細

大峰山脈 吉野川水系 上多古川 上谷 地蔵谷左俣 沢登りIMG_0375
駐車地から林道を上がり、林道終わりから杣道を辿り、鉄橋から入渓。

この夏のために買ったモンベルのサワーシューズがジワ~っと水没していく。気持ち良いのか悪いのかなんとも言えない感覚だ。
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足が浸かるくらいならさして寒くもなく、ジャブジャブ進んでいく。

しばらく行くと、立派な滝が現れた。どうやら遡行図の「6m・3m・10m」の滝の一つ目のようだ。
登れるかどうかじっくり見て、近づいてみるものの、2人してビビる。シャワークライミングだなんて、寒そうだ。

今回は単純に沢登りするのと合わせて、ハーケンでプロテクションを取る練習も目的にしていたので、トップロープを張ってハーケン打つ練習してみようということになる。

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右岸を巻き上がって、太い立木に支点をとって懸垂下降。
ロープの流れどめが欲しかったので、滝の落ち口辺りに試しにハーケンを打ってみる。
想像してたよりもうまくリスに刺さり、
「おぉ~!これがハーケンか!!なかなか安心感がある!!」
と、いかにも初級沢らしい喜びを得て、落ちどめのヌンチャクをかけて下降。
振り出しに戻り、ジャンケンして、まずは吉岡さんが取り付く。
もう、1歩目からシャワークライミングで、唯一登れそうな場所でもなかなか乗り上がれない。
しばらく奮闘して「寒い、、、」と言いつつ戻ってくる。
次は僕の番。
取り付きの手の届くところにハーケンを打って、クイックドローをかけてA0で1段上がる。
上がったところでハーケン打てる場所を探すけどなかなかうまく刺さらず、寒さで全身が震え出したところでギブアップ。
交代。
吉岡さんも同じところまで行くけれど、全身ブルブルで降りてきて、とりあえずハーケンの使い方もわかったことだし、ここはもう辞めにして次に進みましょうということにする。

さて続いてどんどん登る。
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どの滝がなんの滝かよくわからないまま上がって行ってロープを出すような滝に出くわすと、ハーケンやカムを決めて登って行く。一つナッツを落として、滝壺の中に消えて行ってしまった。あぁ。
ハーケンめちゃ便利だなぁと思いながら登る。

やがて、メインの牛呼滝に到着。
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どうやってあんな大きい穴ができたんでしょうねぇと話しながらしばし鑑賞し、滝の右側を登ることにする。
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リード吉岡さん、無難にプロテクションを取りながら登って行き、僕も後に続く。
割合あっさりと登りきり、おぉこれで大きな滝は終わりかと次に進む。
しかし、この後にビリビリ痺れるような登攀が待っていた。

しばらく進んで、二俣に出る。
ここで遡行終了する人もいるようだけれど、続けて地蔵谷の左俣に入る。

「まぁあとは詰め上がるだけか。アスカベ平どんなところかな~!」と思いながら進むと、細く水が流れる10mちょっとの滝に出くわす。
滝前でしばし休憩して、これはどの滝でしょうねえと遡行図を見たりしてから、ノーロープで左岸を上がって、滝の中盤くらいのテラスでロープを出して登攀開始。(写真がありません。。。)

1P目 30m

リード吉岡、フォロー岩瀬た
水線を直登するかトラバースするか少し迷って、右岸が登りやすそうに見えたので、トラバースにかかる。
2つプロテクションをとったところでトラバースに入ったけれど、なんだかすごく悪そうだ。
良いスタンスに見えてた足は外傾しているようで、手も悪いっぽい。
これヤバイんじゃないか。無理そうなら戻ってきてよ~とドキドキしてるうちにどうにか対岸までトラバース完了。ふぅ。
ピッチを切れるかと思いきや、壁がもろくて安心できるビレイポイントが作れないそうで、続けて登っていく。
姿が見えなくなってしばらくしたら、真上から
ビレイ解除のコールが聞こえてきた。右岸を登って、どうやらまた左岸に渡ったようだ。
続けて意味深に「ハーケンでしかビレイ点作られへんかったから!」と言われる。
あぁ落ちられないなぁ。と思いながらフォローで僕も登る。
トラバース地点はややランナウトしていて、手も足も悪く、シャワーにさらされながらも慎重に動かさないとズルッと滑って一巻の終わりという感じだ。寒いとか思ってる余裕も無い。
慎重に足を運び、バランスを取りながらどうにか対岸に到着。
「いやこれ悪過ぎるでしょ!」と思わず叫びつつも、よくリードしたなぁと思う。(後に聞くと、単純に戻れなかっただけのようだ。確かに。これは戻れない。)
引き続き右岸を登る。ボロい壁だ。
何箇所か落石しながら、慎重に相方が見えるところまで上がっていって、テラス状の部分で流れを挟んで「なかなかやばかったですねぇ。。。」と話し、リード交代。

2P目、20m

リード岩瀬た、フォロー吉岡
まだしばし悪場が続きそうだ。今度は僕がリードの番。
目の前のボロい壁に安心できるまでハーケンを打ち込んで、いざ登り始めたら、足が崩れて落ちた。
幸いほとんど離陸していなかったのと、ハーケンがバチ効きしていたので大丈夫だったけど、落ちちゃいけないところで落ちてしまってショック。
気を取り直して登る。
今度はボロい部分に最大限に気を使いながら登って、横リスにハーケンを打ち込み、壁と巨岩に挟まれたチムニーを登って落ち口へ。
平坦地の安心できる太い木でビレイして、フォローを迎え、ニッコリ安心の笑顔。

非常に緊張した登攀でした。

そこから、沢沿いに進んでいくとしばらくして
「伯母谷覗← 平成30年度 川上中学校」
とかかれた真新しい標識に当たり、一般道を降りて駐車地まで戻ってきました。
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下山完了。


以上、遡行報告でした。

今回は何と言ってもルートファインディングの難しさを痛感させられた山行となりました。
難しいと思って難しいことに取り組むのと、行けそうだと思って難しいことに取り組むのは全然違うとも思いました。

それと、僕は遡行図にまだ慣れていなくて見方もいまいちよくわかってないので、地形図に照らし合わせて読む努力をしないとなぁとも思いました。
登るのに苦労した滝は、おそらく遡行図とは一本違う沢に入っていってしまったのかな?と今になって思います。

この次の日はシオカラ谷に入る予定でしたが、大台ケ原はまだ寒く、思いの外疲れが出たのか、行こう!という気力が湧いてこず中止としたので、もう少し暖かくなったら行こうと思います。

良い勉強になった沢はじめでした!!