北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング

山行日
-
山域、ルート
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線
活動内容
アルパインクライミング
メンバー
A田(L)、T口、ずうやん(マスコット)、OKD(記)

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミングの山行記録

憧れの剱岳チンネ左稜線のクライミングに行ってきました。ちょっと長い記録になりますがご勘弁。

今年の目標としていた剱岳チンネ左稜線。八ツ峰VI峰Cフェースも登る予定でしたが、天候によりチンネ左稜線に絞って登攀してきました。

行程

21日(日)

19時00分 A田さん宅に集合し、立山駅に向けて出発。途中、雨は降ったり止んだり。助手席ではT口さんがおもむろにレジ袋から「うどん出汁の素」を取り出し、何やらゴソゴソやっている。明日は何を食べさせてくれるのか。ところでT口さんのザックにはレジ袋が満載である。袋in袋どころではない。レジ袋にもこだわりがあるらしく、どの店の袋は丈夫だとか、極小のやつもあるとか、なかなかのデータ量のようだ。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1093
前日の仕事で睡眠不足だったので養老SAでT口さんと運転を交代。あとは爆睡して目が覚めたら立山駅に着いていた。T口さんありがとうございます。
駐車場脇の空いたスペースにテントを立て、そそくさと就寝。時折雨のパラつく音で目が覚めた。

22日(月)

7時00分 始発ケーブルからバスに乗り継いで室堂へ向かう。出発時には止んでいた雨がまた降ってきた。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1047
8時30分 室堂着。この時点で土砂降り。。。ずうやんの記念撮影したりターミナルでカッパを着たりしていると雨が止んだ。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1050
9時00分 ターミナル出発。その後も降ったり止んだりの中を歩く。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1040
9時30分 雷鳥沢に着。天気予報を確認すると翌23日も昼頃までは雨模様。翌日のクライミングも無理っぽい。この日は熊の岩まで行く予定だったが早々に行動を打ち切り、温泉に入ってのんびりすることにした。山の温泉は最高ですな♨

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1107
夕食はT口さん作、鶏肉と野菜たっぷりの汁の少ないうどん。汁は少ないが美味しかった。

23日(火)

8時00分 雷鳥沢出発。当初の予定を変更してチンネ左稜線だけクライミングすることにしたので、この日の行動は剱沢まで。歩き出すとまた雨が降りだし次第に強まる。
9時30分 剱御前小舎着。雨が強く体も冷えたのでしばらく休憩することにした。明日は晴れ予報やけど岩が乾くんか心配になってきた。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1113
10時30分 剱沢キャンプ場着。雨の隙を突いてテント設営。昼過ぎになると段々と雲が切れて晴れ間がのぞいてきた。明日の天気は期待できそう!剱の頭が見えてきて、ずうやんもご満悦。

夕食はA田シェフのパイタン鍋でお腹いっぱい。
明日は未明からの行動になるので準備を整える。18時00分 就寝。

24日(水)

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1118
いよいよチンネ左稜線クライミング当日。
2時00分 剱沢キャンプ場発。ヘッデンの明かりを頼りに雪渓を下る。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1121
3時13分 長次郎出合着。アイゼンを締め直し、キツイ長次郎谷の登りへ。熊の岩はまだ見えていない。
ところどころ大き目の落石の痕があり、注意しながら登り始める。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1125
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1130
4時22分 ゼェゼェと息を切らせて熊の岩に到着。ようやく明るくなってきた。
クライミング装備だけでこんなにしんどいのだから、当初の予定通りだと幕営装備一式でこれを登れたのかどうか…。右俣を見上げると心配された雪渓は繋がっているようで一安心。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1064
5時38分 所々にできたシュルンドを避けながら、池ノ谷乗越に到着。アイゼンを外してガリーを下る準備をする。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1131
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1066
5時51分 池ノ谷乗越発。池ノ谷ガリーを下る。触れた岩全てが崩れて落ちる。落石のフォールラインに入ると危険なので、ここは間隔を詰め詰めで下る。小窓の王がカッコいい。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1068
6時26分 三ノ窓に到着。少し休憩して再びアイゼン装着。チンネの全景が見えた。快晴!俄然ヤル気が湧いてくる。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1137
6時53分 三ノ窓出発。雪渓を慎重にトラバース。振り返ると小窓の王。やはりカッコいい。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1135
7時30分 左稜線取り付き1P目(OKDリード)壁は前日までの雨でビチョビチョ。ノーロープで一段上のバンドまで上がる。そこから左へトラバースしたが濡れと高度感で気持ち悪い。付近を探すとハーケンが1枚あったのでとりあえずそこでセルフを取り、ロープを下ろして下でビレイしてもらう。
いっぱいまでトラバースし、安定した場所にハーケン2枚とボロいスリングがあったので、ここでピッチを切る。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1139
8時23分 2P目(T口リード)
トポではやや右上がりのIII級50m。順調に伸びていたロープが半分手前で止まる。そこから全然ロープが伸びなくなった。上で何やらわめいているがコールなのか独り言なのかよくわからない。その都度こちらからも大声で確認することとなった。はじめにシンプルなコールをもっと擦り合わせておくべきだったと反省。そこから伸びては大休止を繰り返し、ようやくビレイ解除のコール。2ndのA田さんも何やら叫んでいる。これは相当悪いみたい。フォローで登ると最初は快適なフェースを右上し畳一畳弱のテラスに出た(ハーケン2枚有り)。ロープはそこからさらに右にトラバースするように伸びている。ん?ここから直上じゃないの??どう見てもルートは直上っぽいよ???仕方がないのでロープの伸びてる右方へ進むが、ここからがクソ悪かった。スタンスは外傾しているうえに雫が滴ってビチャビチャ、ホールドも少ない。残置のハーケンも無くカムでプロテクションを取っている。これほんまにIII級?じわじわ進むと今度は直上方向にゲートが閉じないカラビナとボロボロのテープスリングが数本かかっている。ここ人工ルートなの?もうわけわからん状態だがスリング掴むのも癪なのでなんとかフリーで抜けようと試みるも、知恵の輪みたくどうにもこうにも回収できないヌンチャクと格闘してるうちに敢え無くA0…。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1142
そこからもビチャビチャの壁に左半身ドロドロになりながらなんとか終了点へ。
終了点で待っていたリードのT口さんの様子を見ると呼吸が乱れて酸素不足の魚のように口パクパクの放心状態になっていた。こんな所よくリードしたなホンマに。回復するのにだいぶん時間かかりそうな様子。ふと上を見ると自分たちの右側から取り付いていたソロクライマーさんがいたので聞いてみると「ここ左下カンテルートですよ」とのこと。ルート間違えて合流した右隣のルートが「左下カンテルート」という事はそもそも取付きが間違ってたのか!
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1232
後で調べると、詳細は判然としないがどうもベルニナルートから取り付き、途中右にルートを逸れて左下カンテ中間ルンゼに合流したっぽい(図の(2)~(3)を繋いだ感じ。写真で見た限り取付きが左稜線とは明らかに違っていた)
結局全ピッチ中このピッチが精神的にも一番キツかった。登攀に2時間半もかかってしまった。
10時55分 3P目(OKDリード)
さて、予定していたルートとは全然違うルートに入ってしまった。どうしたものか思案したが見上げると登りやすそうなルンゼ状が続いている。このまま登っていけば中央バンド手前で左稜線に復帰できるっぽい。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1143
順調にロープを伸ばし、ロープ半分過ぎたあたりでピッチを切り後続を迎える。
11時32分 4P目(OKDリード)よくわからんルンゼ状の4ピッチ目をさらに登る。時間もかなりオーバーしていたので行けるところまで行こうとロープを伸ばすと、左上に左稜線ルートのピナクル群が見えた。ロープいっぱい伸ばしたが届かず、ピナクル群までもう少しという所でピッチを切った。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1144
12時25分 5P目(T口リード)
先ほどまで放心状態だったT口さんもこの時点で少し回復してきた様子。ここでリードを交代してもらう。ピナクル群まであと少しだったのでそのままピナクル群も繋げてもらおうと思ったが、裏側に回り込むためにロープの流れが悪くなりそうだったので一旦ピッチを切ることに。
ここで登攀するT口さんをビレーしながら思案。時間はかなりオーバーしている。メンバーの現状や登攀スピードを考えると、登攀を継続してルートを抜けるのは早くても16時、ヘタすると17時を過ぎる可能性も。ここで打ち切り下降することも考えるべきか。その旨リーダーのA田さんに伝えて相談。メンバーの中で最も剱に精通しているリーダー、熟考したうえで「今日は晴天だしヘッデン行動になるのはおそらく19時過ぎ。17時に登攀終了し長次郎雪渓を慎重にクライムダウンしても明るいうちに熊の岩までは確実に下れる。このまま登攀を続けましょう」と力強い一言。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1069
そうと決まれば行きましょう!

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1148
12時50分 6P目 ピナクル群(T口リード)
ここは気持ちの良いスカイラインのピッチ。続けてT口さんにリードしてもらう。少し落ち着いたのか今回はかなり慎重にルーファイしている様子。危なげなく登って行く。ナイスリード。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1073
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1079
若干ガスがかかってきたが、ピナクルを上に下に左に右に、縫うように進んでいく。ようやく正規ルートに復帰して安心し、気持ちの良いクライミングだった。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1082
ロープの流れが悪くなったので、ピナクルで支点を取りピッチを切ってリード交代。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1157
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1158
13時40分 8P目 核心ピッチ(OKDリード)
7P目でピナクルからT5に向かうと、先行するソロクライマーさんに追いついた。ソロだと1往復半の行ったり来たりなのでかなり大変そう。T5手前で一旦ピッチを切り後続の2人を迎える。そしていよいよ核心ピッチ。継続してリードで行く。ソロクライマーさんが見えなくなるのを待ってスタート。見た感じ2つの小ハングが核心っぽい。荷物を背負った状態で越せるかな…と若干弱気になるが自分が行くしかない!と奮い立たせる。まず右のカンテ部分をレイバック気味に登ってから、やや左に移動しながらハングを超えていく。取り付いてみるとホールドもスタンスも明確でハング部分もそれほど難しくはなかった。どちらかというとカンテ部分の方がいやらしい感じだった。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1022
2ndのA田さんが続く。A田さんも小ハングよりもカンテ部分が難しかったとのこと。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1165
このピッチはやたらと残置ハーケンが多く、律儀にランナーを取るとたちまち弾切れしてしまう。
各自の判断で適度な間隔で飛ばしながら登る必要があるだろう。ロープいっぱい伸ばしてピッチを切る。
15時00分 9P目(OKDリード)
この先あまり登りはないようだが、延々と続くエッジは終わりが全く見えない。時間も押しているので続けてリードを引き受ける。このピッチはガスっていたし、さっさと終わらせてしまったのであんまり記憶がない。特に困難なところもなかった。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1087
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1088
15時30分 10P目(A田リード)いよいよ最後の登り。満を持してリーダーA田さんのリード。登りは力強く、見ていて安心感がある。長い時間をかけてここまできたが、リーダーの登りを見ていると少し名残惜しい気持ちになった。しかしこれで終わりかと思っていたが、登ったリーダー曰く、まだ先もエッジ状の岩場が続いているらしい。岩に挟まりロープの流れが悪くなったので、途中でピッチを切った。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1196
16時10分 チンネ頂上
そのあと11P目をリードで行ったがスタンスも安定しておりプロテクションを取る必要はほぼ無かった。エッジの間を縫うように水平にロープを伸ばすと、一際飛び出た岩が目に止まった。憧れのチンネの頭だ。ようやく到着した喜びをぐっと抑えて、ビレイ点を構築し後続を迎える。登ってきたメンバーと共にチンネの頭で喜びを分かち合い記念撮影。達成感に浸る間もそこそこに下山に取り掛かる。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1168
チンネ頭からすぐ下のコルまで歩いて下ると懸垂支点があり、懸垂2回で池ノ谷ガリーの途中に降り立つ。
ガレガレのガリーを落石を起こさぬよう慎重に登り返す。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1170
17時37分着 池ノ谷乗越日没時間はまだ1時間以上先だ。リーダーの読み通り明るいうちに熊の岩まで下れそうだ。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1171
17時48分 長次郎右俣下降
アイゼンを装着しピッケルを持って雪渓を下りはじめる。ここから先はひたすら雪渓の下りで全く写真を撮ってなかった…。池ノ谷乗越から熊の岩までは傾斜も強く、一歩ずつ慎重にクライムダウン。過去に落ちた経験がいまだにトラウマになっているのかアイゼンでのクライムダウンは怖い。行きでA田さんとT口さんが「まぁまぁ傾斜キツイですね。落ちたら止まらんですね」と会話していたことが頭をよぎる。やめていらんこと言わんといてホンマに(泣笑)。この下りは僕的には今日一番の恐怖だった。A田さんはこの傾斜をサクサクと下って、はるか下の熊の岩の横で休憩していた。さすがとしか言いようがない。
19時58分 長次郎出合
ようやく長次郎出合に到着。あとはひたすら剱沢雪渓の登り。あたりはようやく暗くなったという感じで、登っているうちに星がたくさん見えた。A田さん曰く一兆くらいらしい。知らんけど。天の川まで見えた。これはほんま。時折の流れ星に励まされながらも歩を進めるが、平蔵谷を過ぎた辺りで完全に電池切れになった。ここからはただの試練でしかなく、ヘッデンの明かりを頼りに数歩進んでは立ち止まるを繰り返すことになった。なぜか無性に牛乳が飲みたくなり、そればかり考えていた。
22時22分 剱沢テント場着思いのほか剱沢の登りに時間を費やしてしまい、お二人には迷惑をかけた。冬から夏前までクライミングばかりしてたので、やはり歩く力が落ちているのか。歩荷トレーニングもマメに続けなければいけないなと痛感した。この日の行動時間は朝2時に出発し、合計20時間22分の行動となった。もちろん自己新記録。今晩は僕の食事当番だったが、ここから夕食を作る気力もなく皆早々に寝た。

25日

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1178
4時30分 起床周りのテントの音で目が覚める。皆出発準備をしている様子。外を覗くと空が赤く染まって、とても綺麗だった。今日も天気が良さそう。今日は下山だけなので、しばらくシュラフに包まってゴロゴロしたあと昨夜食べそびれたおでんを作った…までは良かったのだが、シメに投入した冷麦が水分を吸いまくって汁の少なすぎる超絶に粉っぽい冷麦となった。完全な失敗。昨日あれほど飲みたかった牛乳のことはすっかり忘れていた。
7時55分 剱沢テント場発しばらくのんびりしていると日が昇り、夜露で湿ったテントやギア類も乾いてきたのでパッキングを済ませ出発。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1183
登山道脇にはチングルマの可憐な花が咲き乱れ、ずうやんも嬉しそうだった。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1091
8時55分 剱御前小舎着
暫しの休憩。天気も良く、この日が一番剱岳が綺麗に見えた。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1186
9時08分 剱御前小舎発
雷鳥沢に向けて下る。地獄谷や室堂ターミナルまでスッキリ見えている。素晴らしい景色。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1011
途中で砂浴びしている雷鳥に出会った。

北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1007
雷鳥沢で水分補給して最後の登り返し。ザックの重みと旅の終わりを実感しながら一歩一歩踏みしめる。
北アルプス 剱岳 チンネ左稜線 アルパインクライミング IMG_1194
11時25分 みくりが池温泉 休憩 12時15分発
A田さんオススメのソーダフロートとチーズケーキを食べようとみくりが池温泉に寄るも、キッチンが工事中とのことでソーダフロートにはありつけず。仕方なく各々好みのオーダーをして山上セレブの気分。A田さんはTシャツ、T口さんはピンバッチ、僕は手ぬぐいをお土産に買い、硫黄臭の立ち込める石畳を歩いて12時30分室堂ターミナルに到着となりました。
下山してからは一刻も早く汗を流したかったので、これまたA田さんオススメの氷見市神代温泉に浸かる。ひなびた温泉という言葉がピッタリのとても雰囲気のある温泉だった。温泉の後は食欲とばかりに次はローカル回転寿司の氷見きときと寿しで皿の塔を築き上げ、お腹いっぱいになって帰路につきました。

考察

  • アプローチ含めて体力的な要素が大きい。
  • 取付きやルートの特長はあらかじめよく頭に入れておくこと。覚えきれなければ写真で持つ等。
  • コールはシンプルに。
  • コールが届かない場合の擦り合わせも重要。
  • 単純な登攀スピードだけでなくロープワークはもちろん、終了点での次の準備など細かい部分が大きな差となってくる。とにかくスピードは正義。
  • プロテクションは錆びたハーケンばかりだが比較的しっかりしていた。
  • カムはマイクロ~#2までで充分だった。ルートを逸れてからルンゼにかけての間と、核心ピッチ後のクラックで役に立った。
  • チンネからの懸垂はガレているのでロープを出しながらの方が安全だがスムーズにいかなかった。練習が必要。

今回は行動時間20時間超となったが、リーダーの判断も良く皆の力で完登できました。予想以上に時間オーバーして下りるかどうか迷った時点で、リーダーの「明るいうちに確実に安全圏に下りられる」という一言がなければ、下りることを強く推して完登できなかったのではと思います。今回、このメンバーで憧れのチンネに登れたことはとても嬉しく、メンバーに深く感謝します。
しかしあれだけしんどかったのに、帰ってきて思い返すとまた行きたくなるのはなんでなのか?今回、左稜線ルートの下半分も見れてないし、八ツ峰もできなかったのでまた行きましょう。ありがとうございました!