八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜 冬期アルパインクライミング

山行日
-
山域、ルート
八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜
活動内容
冬期アルパインクライミング
メンバー
岩瀬た

八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜 冬期アルパインクライミングの山行記録

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こんにちは、岩瀬た、です。
阿弥陀岳の南稜に行ってきました。
南岸低気圧がかすめて行ったので、ふわふわ雪が積もってたら辞めとこうと思いながら入山しましたが、新雪の積雪量はたいしたことなく、アタック日は昇温甚だしい予報だったので行動時間を早めて、丁度良い締まり具合の雪を快適に登ることができました。

以下、山行記録です。


装備

縦走用ピッケルx1
アイスアックスx1
ハーネス等
ロープ30m(撤退等下降用。シングルなら60mある方が良いかも。)

行程概要

3/8
山中 小雪
泊地 -5 °C
7:00 茅野駅
しばし天候待ち
12:30 舟山十字路・入山
15:30 立場岳
16:00 青ナギ手前・ツェルト設営・泊

3/9
快晴
-5 °C
3:30 起床
5:00 出発
6:30 P3ルンゼ下
7:00 P4基部
7:15 阿弥陀岳山頂
10:30 美濃戸口 下山完了

行程詳細

3/8

夜行バスで茅野へ。
今日は夕方頃まで雨の予報だったので、駅周辺でのんびり過ごす。
思いのほか早く雨が上がって空も明るくなってきたので出発することにする。
タクシーで舟山十字路まで行き(雪も氷も少なくて入れた)、立場岳に向けて出発。
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序盤は雪少なくところどころアイスバーン。早めにアイゼンをつける。
立場岳で新雪の積雪は10cmあるかな?くらい。
ふわふわ雪。もっとサラサラの雪かと思っていたけど、予想よりも少しだけ湿っぽい。
ふーんと思いながら進むと、樹間から阿弥陀岳の南面がドーンと見えた。
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あまりのかっこよさに、「うわ!やったー!ひゅー!!」と1人歓声を上げてしまう。まだなにもしてないのに。周りに誰もいなくてよかった。

その阿弥陀岳が見えるポイントが誰かのテン泊跡だったので、今日はここまでとしてツェルトを張る。
今回は軽量化しようと思ってスコップも持ってこずだったので助かりました。やっぱりスコップは要るな。

お茶を飲んで一服していると、一瞬、夕焼けで阿弥陀岳が薄いオレンジ色に染められて綺麗でした。風が強くてツェルトの外に出るのが億劫で写真撮らなかったことを少し後悔。

整地を適当にしてしまったので体がズレて何回か目が覚めてしまいましたが、夜半には風も止んでゆっくりすることができました。

3/9

3時に目が覚めて、もう一眠りしたら寝坊しそうだったのでそのまま起きて行動開始。
今日は気温がガーッと上がる予報だったので、早く動くに越したことはないだろう。
準備や撤収していると割と良い時間になってしまった。
青ナギを過ぎて、いくつかピークを越す途中で月が諏訪の街の向こう側に沈んでいくのと同時に、明るくなってきた。
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モルゲンロートにはならなかったけど(山中にいるからわからなかっただけかも?)やっぱり朝は良い。

P3が少しずつ迫ってくる。
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ルンゼに向かうトラバースが悪いとのことだったけれど、少し下ったところからルンゼに入ればキワどいトラバースをせずにちょっとしたラッセルで済んだ。
ルンゼ内。雪は程よい積もり具合で新雪のすぐ下の層にアックスのピックも良く効く。
雪が少なくアイスバーンになっていれば結構怖いみたい。
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今回は不安無くルンゼを登ることができた。
事故の多い場所なので、ほっと胸を撫で下ろす。

P4もなかなか迫力がある。
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P4のトラバースも、たしかに2、3歩が狭い。
落ち着いてやり過ごして、しばし登って山頂へ。

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快晴ほぼ無風で、遠くまでぐるり360 °たくさんの山が見えて気持ちが良い。
登ってる時は気温が上がっていくのが気になるけど、登ってしまえば暖かさで幸せな気持ちだ。天気の隙をついた良い山行ができたと思います。

しばし展望を楽しんで、御小屋尾根を美濃戸口まで降りました。

下山完了。


阿弥陀南稜、会の山行記録の最初の方(1996.12.21-22)に松尾さんという方が書いた記録がすごく印象に残っていました。
いつか行くときは1人で行こうかなと思っていて、時期も条件も違いますが、今回行けて良かったです。
もちろん、その後の記録も参考にして、装備はダブルアックスにしようとか、ここがあの記録に書いてあった場所だなとか思いながらの山で、楽しかったです。

また、今回はオーソドックスなP3P4巻きルートをとりましたが、ハーケンとか打ってあって登った痕跡もあったので、またいつか登りに来てみようかな?と思います。
登ると楽しいだろうな。でも怖いだろうな。