明神岳東稜 残雪期アルパインクライミング

山行日
-
山域、ルート
明神岳東稜
活動内容
残雪期アルパインクライミング
メンバー
岩瀬た(記録)、長野

明神岳東稜 残雪期アルパインクライミングの山行記録

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こんにちは、岩瀬た、です。
5年ほど前、初めて上高地へ行き、景色に圧倒されつつ岳沢から前穂高へ上がったのですが、その道中ずっと見えている明神岳。
地図を見ても登山道が無く断崖絶壁に囲まれているし登れないみたい。残念だ。
その後何度か上高地に行き、明神岳を見るたびに“いつか登ってみたいな”と思っていました。

そう思ってから早数年。明神岳に登ることができました。選んだのはクラシックルート東稜です。

以下、山行記録です。


装備

50mロープx1
2人用テント
ダブルアックス
カムC4#0.3,#0.5,#1
その他登攀具等一式

行程概要

4/10
快晴微風
6:00 坂巻温泉駐車地出発
8:30 明神館
12:00 ひょうたん池
13:00 第一階段
17:30 小ピーク手前2680m地点(泊)

4/11
快晴無風
6:30 出発
7:20 ラクダのコル
7:30 バットレス
8:45 明神岳主峰
10:00 奥明神沢降り口
11:30 岳沢小屋
13:30 河童橋
16:00 坂巻温泉駐車地

行程詳細

4/10

釜トンネルの開通が16日なので坂巻温泉に駐車して6:00出発。延々とトンネルを歩いて快晴の大正池や上高地を通り過ぎ、久々にジャンダルムや奥穂と前穂の姿を見ながら明神館に8:30到着。完璧に除雪されていたのでチョッパヤだ。目の前には明神岳5峰。
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少し休憩して、信州大学の研究施設の裏からひょうたん池目指して歩く。山と高原地図の破線通りに目印が随所にあって樹林帯の踏み跡もしっかりしている。雪も良く締まっていてラッセル無く歩きやすい。
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12:00ひょうたん池到着。最近まともに体力トレーニングしてないのでヘロヘロだ。反省。
少し休憩の後、装備を整えて第一階段目指して歩く。
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13:00第一階段登攀開始。見た目にも寝ているし、実際階段状で立木もあるので安心して登れる。
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しかし、思ってたよりも長いし浮き石や雪が柔らかい部分もあって登るのに時間がかかってしまう。今思うとどこからどこが第一階段だったかよくわからない。スタカット4ピッチ、最後の方はコンテニュアスしながらダラダラ登りになってしまい、登り切る頃には日没が迫ってきてしまった。
ラクダのコルまで行きたいところだったけれど、僕も長野さんも結構疲れていて目に見えて歩みが遅くなっている。快晴無風とはいえ、どうやら無理しない方がよさそう。
なかなかテントを張れるいい場所を見つけられず、しくったなぁと思いながら少しずつ進んでいき、西日が沈みかけてきた頃に小ピークの手前でテントを張れそうな場所に着いた。小ピークを過ぎればラクダのコルだけれど、次善策としてここで泊まることにする。
堅雪を相手に疲れた体に鞭打ち整地して味噌鍋食べて就寝。長野さんが歩荷してくれてた缶ビールをわけわけして飲んだ。最高!

4/11

整地を頑張った甲斐あってぐっすり眠れた。
雑炊を食べて片付けして出発。
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小ピークに登ると、明神岳主峰が鎮座ましましている。記念撮影。
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長野さんのポージングは少しチャラチャラしている。
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僕はこういう時はチャラチャラしない。

1時間ほどでラクダのコルに到着し、バットレスの登攀開始。
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たくさん打ってある残置ハーケンとカムでプロテクションをとりつつ、会の昔の記録に書いてあった“荷物を背負ってたら乗越がしんどい”という部分に遭遇。確かにスタンス乏しく少し戸惑う。これで行ってみるかと小さな割れ目にアイゼンの前爪を当てて、思い切りよくよっこらしょ!と無事に乗っこすことができた。
そこを抜けるとあとは雪斜面の登高。程なくして明神岳の頂上。
快晴無風でぐるり360°だ。嬉しい。やったぜ!
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奥穂と前穂をバックに記念撮影などして、奥明神沢のコルに向かう。
途中、残置のフィックスロープが張られていて、状態も悪く無かったのでプルージックで一応確保しつつクライムダウン。
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計画してる時は時間があれば前穂高にも行こうかと思っていたけど、しんどいが先に立ってしまったのと明神岳からの眺めで充分満足してたので素直に奥明神沢を下降。
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出だしはバックステップ交えての下降だったけれど、傾斜がゆるまってきたところからシリセードでびゅんびゅん降りる。
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長野さんは初シリセードだったよう。
雪の状態がちょうど良い感じだったので楽しく降りることができました。

岳沢小屋からヘトヘトになりながら歩き、ようやく着いた河童橋で開業準備に追われて働く人たちを横目にぐったり大休止。
長野さんは「歩くの好きなんすよ」とか言いながら黙々と歩いてカッコよかったですが、それに比べて僕は「車通ったら全力で止めて乗せてもらいましょう。誰か通らないかなぁ。」とチャラチャラ言いながら必死の思いで坂巻温泉まで歩きました。

下山完了。


以上、山行報告でした。

長年行ってみたいなと思ってたところに行くことができて嬉しいです。
明神岳はウィンタークライマーズミーティングの開催地にもなっているようで、今回見た景色とガイドブックを見比べると、あんな壁やこんな壁を登れるなんて信じられないなぁと思う反面、いつかやってみたいなとも思います。
とはいえ、今回は体力不足が結構顕著に出たので、トレーニングしなくては何も始まらないなという感じです。遠征登山行く前にせめて六甲全縦くらいはしてから行かないとな。反省!

そして、長野さんとは実は初めて一緒に山に行きました。ビールも美味しかったですが、ちょこちょこもらったコーラを飲む瞬間が何より最高のひとときでした。ありがとうございました!!

追記
そして、長野さんは今回インスタントカメラで写真を撮っていたのですが、現像してデジタル化してくれたものを送ってくれたので何枚か追加しました。
まともな写真とれるんかなって思ってましたけど、とっても良い写真がたくさんありました!!
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長野さんありがとう。