十津川水系 小黒谷 沢登り
- 山行日
- 山域、ルート
- 十津川水系 小黒谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- T口(L)、Y田、SMB(記録)
- 行程
- 6:30駐車地
7:40入渓
11:40遡行打切り
13:50駐車地
十津川水系 小黒谷 沢登りの山行記録
お久しぶりです、そして初めまして。
昨年末に入会したSMBです。
拙文失礼します。
前置き、経緯
少し私の事についてお話しさせていただきます。
もともと趣味で登山をしておりましたが、私が神戸山岳会の門を叩いたのは、サバイバル登山家服部文祥の著書を読み、彼のYouTubeチャンネル楽園山旅を視聴し沢への憧れを抱いた為です。
しかし、彼の著書やチャンネルにはほとんど登攀要素はなく、自分にはテンカラやイワナの皮剥ぎぐらいの知識しかありませんでした。
そしてT口さんに沢をやりたい意向を伝えると、クライミングの道具を揃え、教本で用語やロープワークを覚え、そしてゲレンデが血塗れになる程の熱血クライミング指導が始まりました。
仕事中にゲレンデでの練習を思い出し手汗を握り、夜中に大フォールの夢を見て飛び起きた時に、何か思ってた感じと違うと気付きました。
しかしその後10aをオンサイトし、その時の景色や達成感に酔いしれ、今まで味わった事のない山の楽しみ方を覚えたのです。
そして今回念願の沢デビューを果たしました。
入渓
初沢のデビュー戦は十津川水系の小黒谷でした。
今回リーダーのT口さんとY田さんに同行させてもらい、リーダーから沢登りのなんたるかを教授いただきました。
適地にて前泊し、日の出とともに入渓ポイントへ出発。
駐車地に他の車は無く、最後まで人に出くわすことはありませんでした。
駐車地から少し進んだ所で養蜂が行われており、蜂の大群に遭遇、ルートを分断されながらもなんとか最初の難所、ダム湖を渡す吊橋へ。
この吊橋、ただでさえ数十メートルの高さにあり、横幅60センチ程の狭い板の上を歩かされ、更に経年劣化で数カ所大穴が空いており、板を軋ませ足をすくませながらも何とか最初の洗礼をクリア。
遡行開始
小黒谷は風屋ダムに流れ込む出合いから遡行を開始。
吉岡本の沢登りルート100曰く、
『沢登り用に出来た谷で、滝のほとんどが直登出来る』
と書かれており、沢登りの何たるかを素人の自分に教えてくれる素晴らしい沢のようです。
入渓早々、鹿の白骨死体に出迎えられ、木々の鬱蒼とした薄暗い中にも、流水に木漏れ日がさす幽玄な雰囲気に、一気に沢の虜になりました。
まず5mの小滝から始まり、5×9m斜滝、15m斜滝等といずれも楽しく直登出来ました。
そして釜を備えた5×12mの斜滝が現れたところで、T口さんから『リードする?』と声がかかり、やってみることに。
釜を泳ぎ取り付いたあとは直登し、T口さんがアッセンダーで登った後、セカンドビレイでY田さんが。
記念すべき初リードは無我夢中で、どんな風に登ったか記憶にありませんが、取り付きまでの釜の泳ぎは大変楽しいものでした。
次の17m、13m滝ともども直登は難しく大きく高巻き滝上へ、その後20mの斜滝はT口さんがリード、SMBがタイブロックを使いアッセンダーでセカンド、最後セカンドビレイでY田さん。
その後ナメ床小滝が続き、私の2度目のリードは流水をまたぎながらのものでした。
支点を取ろうと岩の出っ張りにスリングをかけましたが、流水の勢いに耐えきれず外れ、そのまま支点を取ることなく直登。
途中、『支点も取れずこのまま落ちたら』という嫌な考えが頭をよぎり身体が固くなりましたが、今考えても仕方ないと気持ちを切り替えることが出来、これがゲレンデでの練習の成果なんだろうなと感じました。
その後18m滝をT口さんがリードし、植林小屋が見えたところで遡行を打ち切りました。
下降ルート
ネット上の山行記録に下山が核心と書かれていたので覚悟していましたが、切り立った谷の中腹を延々歩いた後、急峻なモノレールの線路沿いを吊橋まで下降と中々骨が折れました。
総括
今回は初沢、初リードと盛り沢山な内容で、様々な事を学んだ濃厚な山行となりました。
沢登りをして特に感じたのは、釜での泳ぎや滝のシャワー、足場のヌメり等々数え切れませんが、自然の力を全身で感じられる自分にとっての癒しやライフスタイルとなり得るというものです。
この様な経験をさせていただいたT口さん、Y田さん、ありがとうございました。
T口さんから各地の沢情報を聞き、行ってみたい沢がいくつも出来ました。
また泊沢なども経験してみたいです。
食料調達(岩魚)は任せて下さい。
備忘録
- 遡行図は紙で持参。
- 滝の音で声が通らないので、笛でしっかり意思疎通をとる。
- クライミングやロープワークの練習頑張ろう。