熊野川水系 和田川 鳴谷 沢登り 遡行
- 山行日
- 山域、ルート
- 熊野川水系 和田川 鳴谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- 谷川(L)、谷口、SMB(記録)
- 行程
- 6:30 駐車地
7:45 入渓
13:00 遡行打切り
15:30 駐車地
熊野川水系 和田川 鳴谷 沢登り 遡行の山行記録
こんにちは。
先日の健康診断で体脂肪率11.7%を叩き出したものの、昨年に比べ体重が4㎏も増量しており、クライマー体型からどんどん遠ざかりつつあるSMBです。
今回は、熊野川の支流、和田川に注ぐ鳴谷を遡行してきましたので報告します。
前置き
谷川リーダーによる二度目の登攀要素高めの沢企画。
スローガンは『登れそうな滝には積極的に取り付いてみよう』
しかし、この谷には大きな釜を持つ滝が多く、11月下旬に泳いで取り付こうという気持ちが湧き辛かった為、吉岡本の案内に沿った高巻き中心の遡行となった。
また、前回遡行した立間戸谷の圧倒的なスケールには及ばず、更に予定していた今回のハイライトたる鳴谷大滝(舌噛みそう)まで辿り着くことが出来なかった。
その為、今回は遡行記録というよりも、主に私自身にとって印象に残った事柄を列記することにした。
入渓前夜
適地にて野営を行う。
外気温は一桁台で強風だったが、私と谷川リーダーは3シーズンシュラフとマットで快眠。
メンバーの谷口さんはペラペラのシュラフに新聞紙数枚(!?)をマット代わりに寒さの為ほぼ不眠。
普段から耐寒訓練を怠らず、相変わらず自らに厳しい谷口さん。
しかし、遡行中は6枚重ね着(??)と謎の拘りがあるようで、入渓回数4回程度の自分には、その深謀遠慮は計り知れない。
渓相
『鳴谷(なきたに)』とはよくいったもので、入渓ポイント付近にはまだ温かみのあるムジナの骸が横たわり、遡行中にはシカの警戒音が聞こえた。
高巻き中にはコマドリに似た小鳥のさえずり、下降中にはニホンカモシカやタヌキのフンが多数見てとれ、生物の息遣いを肌で感じられた。
水の流れは穏やかで、石についた苔や藻に足を滑らせそうになる。
全体的に暗めのコンパクトな印象の沢で、ミニゴルジュが数カ所、水流の割には不思議と大きな釜がいくつもあった。
支点構築
今回実戦で初めてハーケンやカムを使ってプロテクションを取り、滝身横やロープを要する高巻きをリードすることが出来た。
(今までは上手く支点が取れなかった)
しかし、終了点構築、セカンドビレイで手間取り随分と貴重な時間が削られた。
今後の課題だ。
水線突破
と、大仰に書いたものの、高さ数mのぱっと見で手がかり足がかりもしっかり付いており、ノープロテクションで容易に登って行けそうな滝だった。
しかし、滝身に取りつき冷水が顔にかかった瞬間、本能的な恐怖の感情に襲われる。
その時思ったのが、風呂場で冷水シャワーを顔に浴びた時の心臓を鷲掴みにされ、上手く呼吸がし辛くなる感覚、それと一緒だな、というもの。
その本能的な恐怖を抑えつけ、帽子のツバで顔に叩きつけられる水を防ぎ、手と足の感覚を研ぎ澄ませ、滝身の中にあるスタンスを冷静に探りながら攀じ登ることが出来た。
たった数mの小滝だが、落ち口に立った時の達成感は印象深かった。
憧れの大滝登攀の達成感は途轍もないものだろう。
鳴谷大滝
嵓の大高巻き途中で遡行打ち切り予定時間に達してしまった。
ここでリーダーが遡行打ち切りを即断。
常に隊の安全を第一に考えたリーダーの決断力、判断力には脱帽する。
しかし、遠目にも一目でそれと分かる鳴谷大滝の姿。
木々の合間から落差70mを誇る直瀑。
間近でその全貌を仰ぎ見たい、その想いを振り切り下降を開始した。
入水
最後に、この時季の沢泳ぎを体験しようと駐車地近くの大きな釜に5m程の高さから飛び降り入水。
すると服の中に水が入り込み、想定していたのはサウナ後の水風呂のような『つめた?い』だったが、実際は『痛っ!!!』で、まるで全身低温火傷をしたように痛覚が刺激された。
徐々に冷たさに慣れ泳いでいると手指の末端から感覚が無くなり『このままだと身体が動かなくなるかも…』と少し危機感を覚えたところで陸に上がった。
この時期、取り付きに泳ぎを入れる事はとてもリスキーだなと実感、貴重な経験が出来た。
総括
寒い時期ならではの貴重な体験が出来ました。
この鳴谷ではいくつかやり残した宿題があるので、またリベンジします。
今シーズンもう一度くらい楽しく入渓出来そうな気はしますが、冬支度と年内に終わらせたいフリー課題もあることなので、今季はここらで沢仕舞いです。
今季初めて沢登りという登山のいち形態を体験し、遡行の楽しさや幽玄で魅力的な沢を知り、そして素晴らしい仲間に出会えて、神戸山岳会に入会して良かったな?としみじみ思いました。
来シーズンはどんなメンバーで、どんな沢に出会い、どんな遡行が出来るのか、今から楽しみで仕方ありません。
神戸山岳会のYouTubeチャンネル開設しました!
下記リンクから鳴谷の遡行動画にとびます!
https://youtu.be/Y1qrtRMW_aI
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