宝剣岳 サギダル尾根 中央稜 冬季アルパインクライミング
- 山行日
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- 山域、ルート
- 宝剣岳 サギダル尾根 中央稜
- 活動内容
- 冬季アルパインクライミング
- メンバー
- 岩瀬た、谷川、OKD
宝剣岳 サギダル尾根 中央稜 冬季アルパインクライミングの山行記録
谷川くんとOKDさんと宝剣岳に行ってきました。
久々に冬のアルパインで、1日目はサギダル尾根経由で稜線でテント泊して、2日目は中央稜に登る計画。
結果は、サギダル尾根は渋滞してたので1本左にある尾根を登り、中央稜は1ピッチで敗退してきました。
中央稜、南無三!!!
また行こう!
以下、山行記録です。
行程概要
12/11
9:50 千畳敷ロープウェイ駅
11:20サギダル尾根取付(渋滞の為エスケープ)
11:30 サギダル尾根左稜線 クライミング開始
14:40 サギダルの頭
15:20 宝剣岳頂上
15:50 乗越浄土 テント泊
12/12
4:00 起床 朝ご飯、撤収
6:00 出発
7:30 中央稜取付 クライミング開始
10:00 1ピッチ目終了点
10:30 下降開始
11:40 千畳敷ロープウェイ駅
行程詳細
12/11 晴れ
午前2時半、大阪を出発して7時菅の台バス停到着。
休日だからか人が多い!
バス・ロープウェイのチケットの列に並んで、3本目のバスに乗ることができた。
バスとロープウェイを乗り継いで9:20に千畳敷に到着。一気に標高上げて楽々だけど、高山病少し心配。谷川くんは高山病予防の為にバファリン飲んでた。
準備してサギダル尾根に向けて出発。
案の定というか、渋滞していてロープ出すところに到着してもまだしばらく待つことになりそうだし待つのも馬鹿馬鹿しいし、OKDさんは以前に登ったことがあるそうなので、左手にある見た感じ登れそうな尾根から登ることにした。名前の無い派生尾根なのでサギダル尾根左稜線と呼ぶことにする。
1ピッチ目は偵察も兼ねて僕がいかせてもらう。
サギダル尾根のロープを出すあたりからルンゼをトラバースして、尾根上の手頃なダケカンバまで。40mくらい?
一度空身で登って、ロープをフィックスして戻ってきて再度ザックを背負って登る。
2ピッチ目は谷川くん。
ダケカンバの藪漕ぎの後、スッキリした岩に出る。プロテクションに悩みつつ無事に登ってカムで終了点を作ってピッチを切る。30mくらい。
3ピッチ目はまた僕。
ハイマツを漕ぎながら寝ている雪壁を登ってサギダルの頭へ。岩にワイヤーがぐるぐる巻かれていたのでそれを終了点にした。
合計3ピッチでサギダルの頭に出たけれど、テント泊装備でダケカンバの藪漕ぎをモゾモゾ登ることになり、難しくは無かったけどなかなかバテた。
とはいえ、「行けそう」と思う場所を良い天気の中好きに登ることができたので満足。
サギダルの頭からの景色を眺めたあと、調子良く宝剣岳頂上に進んでいく谷川くんを遠望しながらOKDさんと僕はゼエゼエ着いていく。
山頂で記念写真を取って乗越浄土へ。
宝剣岳への下りは鎖も出ていたので安全に降りることができた。
乗越浄土に着く頃には良い時間になっていたので、天狗山荘の風下にテントを張って夜ご飯。
僕は重いザックでの登攀で疲れてしまったのかすっかり高山病にやられてしまってご飯もいつもよりも全然進まず、しんどくて先に休ませてもらった。OKDさんが持ってきてくれたサントリー響を楽しみにしてたのにほとんど飲めず。悲しい。
OKDさんもバタンキュー。
翌日のためのお湯作りなどの残作業をしてくれた谷川くん、ありがとう。大変助かりました。
12/12 ガス、晴れ、ガス
テントがバタバタと鳴る音で目が覚める。
風が結構強いみたい。
朝ご飯を食べて、撤収、出発。
ガスが濃く、中央稜がどこか全然わからない。やはり前日の偵察、トレース付けは大事な作業だ。
手頃な岩陰に不要な荷物をデポして、ガスの中GPSを頼りに小尾根を行ったり来たり。
やっとわかった取り付きに着く頃には予定してた時間を1時間半もオーバーしてた。
7:30、クライミング開始。
1ピッチ目、僕がいかせてもらう。
登山大系には「左に行きすぎると難しい」というようなことが書いてあったけど、ずばり左に行きすぎていたようで、少し登ると垂壁に導かれる。残置ハーケンやリングボルトが打ちまくってあったので支点は豊富。
細いクラックにアイゼンを引っ掛けたり、アックスのフッキングで足ブラになったりしながらマントルを返したりしてどうにか核心部と思えるところをやり過ごし、行ける行ける!と調子付く。
しかし、その後のトラバースで「これでいけるかな?」と小さいレッジにアックスをフッキングしてそろりと足を出した瞬間にバチッとアックスが外れて見事にフォール。5mほど落ちたけれど、錆びたハーケンで止まってくれた。身体のどこも打たなかったので良かった。
アルパインでマジで落ちたのは初めてだったので心折れるかと思ったけど、ここで交代したらダメだと思ってそのままもう一度登らせてもらう。
次はエイド混じりで無事に終了点に着いた。
落ちるくらいなら最初からエイドすべきだったと猛省しつつ、屈曲でめちゃくちゃ重くなったロープを引いて2人を迎える。
この1ピッチで2時間くらいかかってしまった。
時間的にトップアウトはできずともあと1ピッチだけ行こうかとも思ったけど、3人で相談した結果、ロープウェイの時間と今後の天気予報を考えると早く降りるに越したことは無いということで、ここで敗退と判断。懸垂下降で降りる。
降りる途中で、「あ、こっちから登った方が良さそうだな」というルート取りがわかった。
結構悔しい気分でガスの抜けた中央稜を見ながらデポを回収して降りる。
また来よ!
ロープウェイ駅に着く頃には風も出てきて想定よりも早くガスで真っ白になってしまったので、結果オーライの敗退判断でした。
お茶飲んだりして休憩後、ロープウェイに乗車。
下山完了。
以上、山行報告でした。
今回は、シーズン初めの冬山で、中央稜どうかなと思いながら計画をたてて、それに乗ってくれた谷川くんとOKDさん、ありがとうございました!
岸本くんも行く予定だったけど、仕事の予定が合わずだったのでまた行こうねー!
次に行く時はきっちり登ってきたいです。
アルパインではエイドの技術もきちんと使うべきだと今回思ったので、フリーを念頭に置きつつエイドすべきところではサッと判断できるようにしていきたいと思います。
まずは八ヶ岳とかで修行しなくちゃな!