八ヶ岳連峰 横岳西壁 石尊稜 厳冬期アルパインクライミング
- 山行日
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- 山域、ルート
- 八ヶ岳連峰 横岳西壁 石尊稜
- 活動内容
- 厳冬季アルパインクライミング
- メンバー
- 岩瀬 (リーダー)、岡田、藤本 (記)
八ヶ岳連峰 横岳西壁 石尊稜 厳冬期アルパインクライミングの山行記録
八ヶ岳連峰 横岳西壁 石尊稜 にアルパインクライミングに行ってきた。
詳細は岩瀬君 (リーダー)の記録を参照下さい。
この記録は個人的に感じた事を書き記します。
赤岳山荘駐車地を予定通り4:00に出発してベースの行者小屋へと向かう。
山行直前の降雪はなくトレースはこの上なく歩きやすい。
脇の雪は強烈な寒波のおかげでサラサラのパウダー!バックカントリーなら最高だろう
アプローチの道中、岡田さんが尋常ではない程に寒さを訴える。不安がよぎる。今日は二人で行動になるのか?
程なくして適泊地に到着した。なんとミドルレイヤーが凍っていたせいで寒かったらしい。
手際よくテントを設営して不要なギアをデポ、すぐさま出発。
天候は晴れ、気温は-8℃、日和と言うやつ
だが、この時点では先に起こる事を誰も知る由はない。。
行者小屋から赤岳鉱泉までのルートはしっかりとトレースが付いていたが、分岐した先は数十メートルで行き止まりとなった。
おそらくこの強烈なラッセルで敗退したのであろう。
目指す石尊稜の尾根末端まではまだまだ遠く心が折れそうになる。膝から腰のラッセル、傾斜が強くなると前が見えない程の壁となった。雪風呂バンザイ!涙
後続から追いついた別パーティの2人組と合流してラッセルを回して何とか突破!
尾根を這い上がり下部岸壁に到着
1ピッチ目:岩瀬君
フェイスに薄いベルグラが張り付いておりアックスが効かないが、難なくクリア!
安定感があり流石です。
2ピッチ目:岡田さん
正面の小岩峰を左から巻くとこが少し悪いがこれも難なくクリア!
二人ともほんとに便りになります。
その後はルートがはっきりしないまま 「岩混じりの雪稜250m」 と呼ばれる地帯を上げて行く。
再びラッセル
両側が切れ落ちたリッジにどっさりと雪が積もっており気持ちが悪い。。
ここまでは少し時間がおしてるものの天気も良く目指す稜線や隣の中山尾根 (翌日予定) が
綺麗に見えていた。「けっこう立っててやばいかも。。」
地獄1丁目に入りました。
さっきまで見えていた絶景が消え目指すラインもままならない。
右から左からと容赦なく叩きつける爆風の洗礼を浴びる。
ハードシェルの下にはダウンも着ているが震えが止まらない。
フードを被りバラクラバを目いっぱい上げ耐えるが頬や目が痛い。
ゴーグルをつけると視界が狭くなり行動がしづらい。
(BCでは当たり前ではあるが、冬季クライミングで使用をした事がないだけ)
上部岸壁がでてきた
地獄2丁目突入
岩瀬君リード
風と寒さが更に増し時折、気が遠のいていきそうになる。
視界は数メートル先しか見えない。
残置支点もなくピナクルにスリングをかけ上手くプロテクションをとる。
あの状況下で流石!感心した
その先はルンゼをトラバースして詰め上がる。
岡田さんナイスルーファイ!
やっと稜線に出た。時間は既に16:00頃であっただろうか?
天気は更に荒れ、日の入りが迫ってきている。
休んでいる暇などない。
ついに、地獄3丁目突入
風速は更に増し、東から西からと向きを変え攻撃してくる
逃げ場がない稜線。。
一般縦走路とはいえ、厳冬期は気を抜けない。
日没の17:00頃に漸く下山路の地蔵尾根の分岐に到着した。
ヘッデンを装着して高度を下げて行く。
風の治まった安全地帯に到着。
漸く生きた心地がした。
ここは天国!
18:00 テン場に到着
14時間行動終了
疲れた~~~!
全員一致で 「満足したから明日は下山しよう!!」 (笑)
テントでの宴会は岡田さん自慢のカレー鍋で舌つつみ。
安堵感とやりきった気持ちが高揚して皆良い顔してたな。
これぞ山
だからやめられない
以上、山行記録でした。