大峰山脈 大普賢岳 地獄谷 グランドイリュージョン アイスクライミング
- 山行日
- 山域、ルート
- 大峰山脈 大普賢岳 地獄谷 グランドイリュージョン
- 活動内容
- アイスクライミング
- メンバー
- 岩瀬た、OKD、谷川
大峰山脈 大普賢岳 地獄谷 グランドイリュージョン アイスクライミングの山行記録
大峰にアイスをしに行ってきました。
今年は良い年で、どこも良い結氷をしているので嬉しい。毎年こうだったら良いのにな!
僕らにはまだ難しいかな?いやいけるだろう!と思いながら、グランドイリュージョンに挑戦してきました。
以下、山行記録です。
装備(主なもの)
60mダブルロープ
スクリュー10cmx1
スクリュー13cmx4
スクリュー17cmx7
スクリュー21cmx4
行程概要
5:30 駐車地 出発
10:00 グランドイリュージョン取付・クライミング開始
15:30 グランドイリュージョン終了・下降開始
16:45 取付・トラブル処理
18:00 下山開始
20:30 駐車地
行程詳細
予定より30分ほど遅れて入山。
今週は良い感じに気温低かったので大峰はさぞ賑わうだろうと思っていたけれど、先行パーティーはいなかった。
先日、ダイさんとヨッシーさんがグランドイリュージョンの取り付きまで行ったので、その情報とガイドブックの情報を元に、迷ったりしつつ進む。
グランドイリュージョンの前衛滝に着く頃に後続パーティが追いついてきて、なんと前田さんだった。去年も会ったのでほぼ1年ぶりにまた会ったことが嬉しい。さらに驚くことに、あの閻魔大王を初登したMさんも一緒だった。前田さんたちもグランドイリュージョンを登りにきたよう。
僕らは前衛滝は巻いたけれど、前田さんたちは登るそうでここでいったんお別れ。
予定より1時間押しでグランドイリュージョンに着いた。道中谷川くんがラッセルをかなり頑張ってくれた。強い!着いて行けなくならないように僕も頑張らなくては。
グランドイリュージョン、しっかり氷が発達していて、よっしゃーと嬉しい。
1ピッチ目が難しいと聞いていた&どう見てもカッコいいので誰がトップで行くか相談。谷川くんはラッセル頑張ってくれたのでシード権を得ていたけれど、「じゃんけんで決めましょう」と謙虚だ。
OKDさんは遠慮したので谷川くんとジャンケン。
岩瀬た、勝利!
これは落ちれないなぁと意気込んでクライミング開始。迷わず弱点の凹角になってるところからインする。
滝直下から見上げるとなかなか立っているけど段になってるスタンスもあるので思ってたほどのプレッシャーは受けずに済んだ。しかしなかなか氷が硬い。パンプしないようにゆっくりゆっくり。
シャンデリアの直下まで登ってこのまま直上してみるか少し迷ったけど、まぁまぁギリギリのしんどさになってきてたことと「バツン」という何かしらの氷の変化の音が鳴ったこともあって右から巻くように登る。
緩傾斜までのラスト5mは、登り切るのが先か、腕がダメになるのが先か、という痺れるおっさん的な感じになって必死の思いでアックスを振り、どうにか緩傾斜帯に乗り上げることができた。
何回かアックステンションの誘惑に駆られたけど、根性でねじ伏せることができて良かった。
スクリュー3本でビレイ点を作って2人を迎える。
2ピッチ目は谷川くん。
正直、僕は1ピッチ目で精魂尽き果てる感があったので優しいラインをとってくれぇと心の中で思ってたけど、結果、強点をつくライン取りで登って行った。ぐわぁ。
とはいえ谷川くんも想定よりしんどいラインどりをしてしまったようで、テンション交えての登攀となる。
綺麗な滝裏が見える洞窟のような場所でピッチを切る。
フォローで登ると、凹角でごまかしながら登れた1ピッチ目よりもムズイんじゃない!?と思う感じで、スクリュー回収の時はアックステンションしながらのフォローとなった。
(2ピッチ目を登ってる途中、前田さんが登ってきました。お久しぶりです!)
3ピッチ目はOKDさん。
OKDさんも1、2ピッチを経て僕と同じく精魂尽き果てた表情をしていたけど、トップで行くとのこと。しんどくても挑戦する、まさに漢である。
このピッチはそんなに難しく無く易しいと聞いていたけれど、2ピッチ目を登りながら見てると立ってる感じがした。
ビレイ点からは見えないのでどんな感じかなと思いながらしばらく待つ。途中、ギアラックが開きっぱなしになっていたようでスクリュー3本を落としてしまう。(1本は前田さんパーティが拾ってくれました。ありがとうございます!残り2本は取り付きまで落ちて行ったけど結局見つからずだった。南無三。雪が溶けたらまた探しにいきましょう!)
しばらくしてビレイ解除のコール。
フォローで登る。
出だしトラバースからのバーチカルで普通に厳しい。どこが易しいねーん。
バーチカルをこなした後は快適なクライミング。
立木でピッチを切っていて、そこから下降に移っても良かったけれどあと15mくらいで終わりだったので、ちょっと迷って、やっぱり登り切った方が良いなということで最後は谷川くんのリードで登る。
グランドイリュージョン終了!万歳!
こっちで良いかなぁと迷いながら右岸の尾根を懸垂下降して、ようやく取り付きまで戻ってくる。
3人とも降りて、ふう、ひと心地。あとはロープ回収してお茶でも飲むかという時に、僕のアックスが無いことに気づく。
やってしまった。懸垂下降の支点に置き忘れてきてしまったのだ。まさかこんなヘマを自分がするとは。
トップロープ状態でビレイしてもらって登り返して、雪に埋もれたアックスを回収。やれやれだ。登り返しが難しくなくて良かった。
すっかり遅くなってしまった。さぁロープ回収して下山!と思ってロープを引くと、まさかのロープスタック。
マジかよ、、、と言葉を失って何回か回収を試みるもダメ。しばし沈黙した後に、谷川くんがマイクロトラクションで登り返してスタックを解いてくれた。ロープ同士がクロスして結び目で引っ掛かっていたよう。
これは僕がアックス回収して懸垂下降したあとのロープの扱いが雑だったことが原因なので大きく反省だ。懸垂下降の時は降りてからクロスさせないようにしなければならない。基本だ。
すっかり日も落ちてヘッデン下山。疲れてたし気の抜けない箇所が何箇所かあるので、ゆっくり降りる。
(前衛滝の暗闇懸垂)
前田さんパーティが残してくれたトレースがありがたかったです。
下山完了。
以上、山行記録でした。
今回、グランドイリュージョンはチームオンサイトとはなりませんでしたが、またそのうちチームレッドポイント(?)を狙って挑戦したいなと思います。
雪が降る中でのムーディで良いクライミングができましたが、ここ最近、登った後になにかとトラブってしまうことが続いてるので(石尊稜では悪天につかまり、御在所ではアバラコフに時間がかかったし、今回はアックスを忘れた。どれも予定時間をオーバーしている。)、ちょっと気を引き締めて、安全地帯に降りるまでミス無く、というのをキチンとできるようにならないとなと思います。
自分にとって挑戦的なことや、やったことないことにトライしていこうと思って山に入っているのでキャパが若干オーバーしてるのかもしれません。自分のキャパがどの程度かはハッキリとはわからないけれどここ何年かの生活習慣からみて体力は下降傾向にあるし、この延長線上に重大な事故があると思うので、今一度基本を確認していきます。
芝さんが「アルパインはマラソン走りながら将棋を指すようなものだと思う」と言っていましたが、まさにその通りだなと思います。
走れなくなっても指せなくなっても行き詰まる。それどころか走るのが遅かったり、先読み甘く指す手がニブっていても危ない。
難しいし大変だ!!