大峰山脈 大普賢岳 地獄谷 沢登り
- 山行日
- 山域、ルート
- 大峰山脈 大普賢岳 地獄谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- 岩瀬た
大峰山脈 大普賢岳 地獄谷 沢登りの山行記録
今年の2月にグランドイリュージョンにトライした時に落としてしまったアイススクリューを回収すべく、地獄谷(というかグランドイリュージョンの取付)に行ってきました。
いかなる理由があろうとも山に残置してしまった物を回収する責任は当然全ての登山者にあるし、あの山行のリーダーは僕だったので、なおさら責任を全うしなくてはならぬ。
ということを建前に、本当のところは遊んでくれる相手がおらず暇だったので、和佐又から地獄谷上部の滝へのアプローチ偵察するついでに見つかったらラッキーぐらいの気持ちでスクリュー回収に行ってきました。
雪に埋もれ雨に流されたスクリューがまさか見つかるとも思えないし。
以下、山行記録です。
行程概要
6:30 和佐又駐車場 出発
7:10 日本岳のコル 下降開始
8:50 グランドイリュージョン最終ピッチの横(ルートミス)
9:30 グランドイリュージョン取付 回収作業
11:00 引き返し
13:00 和佐又駐車場
行程詳細
4:00にレンタカーを発車させ一路奈良へ。
先週は169号線が大迫ダムの辺りで通行止めになっていたのだけれど今週のうちに解除された。ありがたい。
7:10、思ってた半分くらいの時間で日本岳のコルに出た。身支度して下降開始。
見た目の割に斜度があって、足元も崩れがちなので慎重に。
今回は基本的には行きも帰りも同じ道を進むことにしていたので、登れないところは降りない。降りれないところは登らない。深入厳禁。を肝に銘じつつ歩みを進める。
グランドイリュージョンの取付の高度まで標高を下げて、トラバース開始。
当然だがグラと切れ落ちた谷がいくつも行手を阻むので、どうするのが1番良いかグラの規模やGPSを見たりして考えながら登ったり降りたりを繰り返す。
基本的にはGPSに加えてシカの踏み跡を頼りに進むけれど、結構悪いトラバースに入るたびに「これ戻れるかな、、、」と逡巡して、時には諦めて他の道を探したりしつつ少しずつ近づいていく。
気づけば思いのほか標高が上がっていて、どっかで降りていかないとなぁと思いながらもトラバースを続けしまい、もうこれ以上進めないとなったところでGPSを確認すると、グランドイリュージョンの真上だった。木々の間に見える70度くらいの滝はおそらく最終ピッチの滝だろう。そういえばOKDさんがピッチ切ったのって、そこに生えてる木じゃないか?
来すぎちゃったなぁと来た道を少し戻り、降りてみるか迷いつつ通り過ぎたガレ沢まで戻って降る。
ガレ沢はちょうど小普賢岳と大普賢岳のコルに繋がる沢で、計画している時は、この沢は大きなグラに挟まれているからきっと悪いだろうと思っていたけれど、稜線側を見るとなんかそのまま本当に稜線まで繋がっているように見えたので帰りはこの沢沿いに上がってみようとプラン変更。
ガレ沢を降りていくと、ちょっと向こうのほうに滝が見えた。
おや、あれはもしや前衛滝40mじゃないか?と思い、辺りを改めて観察すると、かつて岩沿いに巻き上がった場所だとわかってきて、その時のことを思い出してグルッと小尾根を回り込む。
(木々の奥に40m滝)
そうするとグランドイリュージョンの取り付きに辿り着いた。
凍っている姿はとてもカッコよかったけれど、凍っていなくても迫力満点だ!
荷物を置いて、早速滝の下まで行ってみる。
水量は少なく、水飛沫に打たれて気持ち良い。
いやぁ来れた。良かった。と思い、スクリュー探し開始。
あぁここが最初のビレイ点だなぁ。めっちゃズボズボだったけどこうなってたんだなぁと思いつつ近づくと、なんとサビサビの21cmスクリューが1個落ちているではないか。
その近くには苔の生えた捨て縄付きのカラビナも落ちている。
まさかの発見に、ちゃんと探せば案外見つかるかもしれないと思い、本腰を入れて探索開始。
気分はトレジャーハンターだ。
滝の落下地点付近から開始して、木の枝や石ころが溜まっているところをチェックしつつ降りていく。
そうすると、ちょっと降りたところにまた1つスクリューが転がっていた。この蛍光グリーンのテープはまごうことなきOKDさんのスクリュー!テープって意外と剥がれないもんなんだなぁ。良いテープ使ってるのかな?刃先は少し錆びてるけど、ほぼ綺麗な状態だ!研いだら使える!
あともう1つあるはずなので、ゴールドラッシュの砂金採掘者のごとく水溜りをグジャグジャする。
すると、また見つけた!黒いスクリューや!
これは僕らが落としたものでは無いけど、とりあえず回収!ここに来る人そんなに多いわけでも無いだろうし、持ち主見つかったら良いな!
その後も執拗に水溜りをグシャグシャしたり岩の隙間を覗き込んだり、どこかにキラリと光るものは無いかと俯瞰したりしたけれど、結局この3本でゴールドラッシュは終わってしまった。
もっと下流にいけばゴールドラッシュの夢の続きが見れそうだったけれど、降りるには滝があってちょっと危ない。諦めよう。欲深すぎてはいけない。引き際が肝心だろう。
だが待てしかし。何事においても、"本当にヤルヤツ"はちょっとヒクぐらい貪欲だ。僕ももっと貪欲に取り組むべきなのかもしれない。
"求めよ さすれば与えられん"
と言うでは無いか。欲しがるやつだけが勝つ世の中だ。まだもう1つ自分たちのアイススクリューがどこかに落ちてるはずだ。ここで諦めたら"やり切ることができないヤワなヤツ"になってしまうんじゃないか?
と、考えていると、お腹が空いたきたので持ってきたおにぎりを食べる。美味しい。
滝から落ちる水飛沫に日の光が当たりキラキラしている。まるで黄金である。
僕には3本のスクリューと水飛沫の輝きで充分だと思い、撤収。
もう1本のスクリューはいつかの今度また探しに来るとするか。
来た道を引き返し、プラン変更したコルに向けて登り返すと、ズバリ登山道まで苦もなく上がってこれた。
なんだ、こっちが正解だったかー!この道なら冬も歩けそうだぞ!と嬉しい誤算を喜びながら登山道を歩いて駐車場まで。
下山完了。
以上、山行記録でした。
拾ったものについて、もしこの記事を読んで心当たりある人がいましたら、コメントかなにかで連絡いただければと思います。
黒く塗ってあるスクリューについては、刃先を研げば使えそうなので、連絡あるまでは僕がありがたく使わせてもらおうと思います。
上面に特徴的な印があるので、それがどんな印かも添えて連絡ください。一応本人確認です。