愛媛県 鞍瀬谷 本谷 沢登り
- 山行日
- 山域、ルート
- 愛媛県 鞍瀬谷 本谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- OKD、岩瀬た
愛媛県 鞍瀬谷 本谷 沢登りの山行記録
こんばんは、岩瀬た、です。
OKDさんと愛媛県の鞍瀬谷に行ってきました。
本当は「目指せザクロ第5弾 立合川」の予定だったのですが、台風8号が紀伊半島に直撃するということで四国に転戦。
ちなみに「目指せザクロ第4弾 三ツ嵓谷」も先々週に行く予定だったのですが、これは体調不良で不発となり、僕はごく個人的に前鬼川で茶を濁していました。
2連続計画変更で、なかなかうまくいかないもんだねぇといった具合です。
ということで、今回は改めて「目指せザクロ第4弾 恐怖のオロロ 鞍瀬谷」です。
以下、遡行記録です。
行程概要
5:45 駐車地
6:00 登山道 入口
7:00 松ヶ谷出合(?)
9:20 夫婦滝
16:00 稜線の登山道
19:00 保井野
19:40 駐車地
行程詳細
保井野に入る車道が1本道になる手前あたりで駐車し、準備して出発。
ここまでの運転はOKDさんがしてくれて、僕は横で眠りこけていた。すみません!
国土地理院の地図で示されている登山道は入り口が藪になっていて、ほんとにここからスタートなのかなと思いながら入山。
ガイドブックではこの登山道をしばらく歩いて入渓となっていたが、もはや登山道は荒れ果て何箇所も崩落していて歩きづらい。時折それっぽい踏み跡や広い道を辿るが、途中で見失ってしまったので入渓。
まぁガイドブックも20年前の記録なので、いろいろと変わっているのだろう。
荒れている割にハシゴなどかけられていて、良い時期には人も来るのかもしれない。
歩いて暑かったし登山道も不明瞭だったので入渓。気持ちいいな。
と思っていると、気づけばアブに囲まれていた。
このアブは北陸地方では「オロロ」と呼ばれている、イヨシロオビアブだ。
オロロの習性を事後に調べたが、二酸化炭素や黒系の物、動く物に反応するそうだ。
そして、美味しい食事をするべく噛むのだ。
本当に、いつのまにか気づけばオロロに囲まれていた。最初は「虫多いな」程度だったのが、「え、ちょっとやばくない」に変わり、そして「ぎゃー!」である。暑いけどカッパのフードを被って手でパチパチ叩きながら進む。
ナワバリを離れたら落ち着くはずと信じて時々水に潜ったりして逃げながら遡行を続けるが、結局地図の「鞍瀬渓谷」と書かれた分岐あたりまでずっとたかられてしまった。噛まれまくって痛い。
泳いでオロロ、歩いてオロロ、小滝を越えてもオロロオロロだ。
気づいたら囲まれていたのと同じように、気づいたらオロロはいなくなっており、そして気づいたら特徴的な貝ノ口滝に着いた。どこをどう進んだのか全然覚えてないし、ガイドブックに書かれている滝や支流もわからなかった。
貝ノ口滝はパッと見たらまぁ時々見るような綺麗な射滝だが、少し欲張って奥から見ると2段になっており、えぐり取られた岩壁が洞窟のようで、なかなかどうして不思議なカッコいい滝だった。
貝ノ口滝を巻くために右岸に入るとまた登山道が続いていて、すぐに夫婦滝に着いた。
そこでしばし休憩し、夫婦滝を左岸から巻くが、ルーファイに少し難儀する。あっちを来たりこっちを来たりして若干迷いながらも、ちょうど滝の落口に着いて木にスリングをかけてセルフをとりつつ沢に復帰。
そこからしばし歩くと奥夫婦滝だ。
ここでも少し休憩する。
どうもOKDさんの調子が上がらない。病み上がりでなおかつ睡眠不足で息が上がるようだ。
下山するかどうか話し合って、上まで抜けた方が楽なんじゃないかということで遡行を続ける。
奥夫婦滝も左岸を巻き、良いとこまで進んで懸垂下降で沢復帰。
小滝を交えて進むが、どうも谷が荒れている。
倒木が結構詰まっていて歩きにくいし、最近落ちてきたばかりじゃないのかと思える鋭利な岩がゴロゴロだ。
なんやらかんやらと進んで源頭の雰囲気になってきて、詰め上がる。
空は見えているのに詰めが意外と長い。
藪を漕いでるのに足元は苔の生えたガラ場で結構崩れるし、たぶん詰め上がる沢を選びミスしてしまって、グラの迷路みたいなところに入ってしまった。
地図には載っていないグラばかりなので、目で見てどうなってるか想像しながらガラガラルンゼを登ったりトラバースを交えたりして、どうにか迷路を切り抜けることができた。
稜線近くは立った壁が多く、抜けるのは難儀したけれど目で見るのはなかなか綺麗だ。
グラを抜けて、最後にチョロっと笹藪を漕ぐと登山道にポンと出た。やれやれだ。
あとはゆっくり登山道を降りて帰って来ました。
と締めたいところだが、そうもいかなかった。
登山道を降り切ってようやく保井野の登山口の車道に出た頃には汗ビシャビシャで、そこにちょうど登山者用(?)のホース付きの蛇口があったので嬉々として水浴びをしていると、またオロロの大群に囲まれてしまった。
なぜだ。さっきまで全然いなかったのに、水浴びした途端にどこから湧いて出てきたんだとオロオロしてしまう。
どんどん増えるので、ぎゃーと思いながら保井野の集落を進むが、オロロは増えるばかり。もう気が狂いそうだ。なんだったらOKDさんは「あー!!!」と叫んだりして若干狂ってきている。
足なんか、僕は黒い短パンとグレーのスパッツを履いていたのだけれど、適当に手で叩くと無数のオロロをまるごと叩き落とせるくらいにたかっていて、痛いやらキモいやらだ。
入山時、オロロは駐車地にはこんなにいなかったことや、保井野の人たちはこんなオロロの大群の中でどうやって生活しているのか不思議に思いながらひたすら叩き続けて駐車地に戻ってくると、オロロはいなくなっていた。
実に不思議だ。なんなんだ。
下山完了。
今回の遡行はなんといってもアブの恐怖に尽きました。アブ以外ほぼ覚えていないと言っても過言ではありません。
オロロのことをネットで調べると、「アブの生態とその防除法 早川博文」という文献に辿り着いたので、是非検索してみてください。
まぁ結論としては、沢登りではアブはどうすることもできなさそうです。防虫ネット被って明るい色のカッパで全身包んどくくらいしかできなさそう。
入渓時に水辺でアブが多いのはしょうがないとして(しょうがないとは言え、多過ぎたけれど。。。)、下山時、アブが保井野で多く駐車地では少なかったのは、もしかしたら時間帯の問題かもしれません。イヨシロオビアブは19時くらいが活動のピークで、20時くらいから明け方までは落ち着くようです。