大峰山脈 イブキ嵓谷 沢登り
- 山行日
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- 山域、ルート
- 大峰山脈 イブキ嵓谷
- 活動内容
- 沢登り
- メンバー
- OKD、おせん、岩瀬た
大峰山脈 イブキ嵓谷 沢登りの山行記録
こんにちは、岩瀬た、です。
OKDさんとおせんさんとイブキ嵓谷に行ってきました。
桶側ノ滝をはじめ、美しい景色の続くとっても良い沢でした。
クライミングパートは浮石が多くて気を遣ったり支点がプアになるところもあったりして結構緊張し、体力も必要で、山に来たなー!と思える良い山行ができました。
「目指せザクロ 第5弾イブキ嵓谷」です。
以下、山行記録です。
行程概要
8月27日
6:00駐車地
6:30出発
7:00 入渓
7:50 桶側ノ滝
10:30 イブキ嵓谷 分岐
10:50 ゴルジュ入口 巻き
13:30 15m滝シャワー
14:50 三俣
17:30 ゴーロ帯 幕営
8月28日
6:30 出発
7:00 黒滝
7:20 黒滝右ルンゼ登攀開始
9:00 1ピッチ目終了
9:30 トラバース後、2ピッチ目開始
11:00 3ピッチ目開始
13:30 3ピッチ目後、4ピッチ目開始
15:00 4ピッチ目終了
15:30 25m滝巻き開始
16:30 沢復帰
17:00 尾根に詰め上がり開始
18:00 中尾に出る
21:15 駐車地 下山完了
行程詳細
8月27日
ここ最近、あらゆる事情でなかなか計画通りに遡行できてなかったけれど、今回は目指せザクロメンバー揃ってイブキ嵓に来ることができ、嬉しいなと思いながら駐車地にて準備して出発。
30分ほど林道を歩いて、七面山登山口の堰堤から入渓。
しばらくは綺麗な河原歩きで、さっそく癒される。青みがかった水がすごく綺麗。水は結構冷たい。
泳いだりしながら進み、アメ止りの滝を奥から登って、しばし進むと異様な形をした桶側ノ滝に到着。
うまく文字に起こせないけれど、大きく抉れた岩壁の対面の落口から水が滝壺にドドドと注ぎ、そしてその水は岩壁の中の洞窟に流れ込む。他では見たことのない構成をしている。
洞窟を泳ぎ進む。
水は深く透き通った青色をしていて、降り注ぐ光と相まって神秘的。
洞窟内の岩棚に上がると、岩のアーチの中に水が注ぐ滝壺を見ることができて、素晴らしい絵だ。
そんなこんなで桶側ノ滝を満喫してから、右岸側壁を登る。出だし少々悪いけれど、少し登ると残置ロープがあってホッとした。ありがく掴んで登る。
その後、しばらく進んで本流とイブキ嵓谷の分岐を過ぎるとゴルジュとなって、寒そうな釜を持った2条の滝とその奥にねじれた滝を見る。これは左岸を巻く。
リードおせんさんで、悪かったらザックは置いて行ってフォローが回収して登る約束をして、クライミングスタート。ばっちり抜けていく。
セカンドOKDさん、サード僕で登ったけど、草付きを上がった後にボロボロのルンゼを登らねばならず、どれもこれも乗ったら崩れるんじゃないかとヒヤヒヤ。
悪い上にザック回収がなかなか大変で、当初はザック2つ背負って登るつもりだったけど全然無理で、ザックを自分の手前でロープに固定して、ザックごと引っ張ってもらいながら登ろうとするも意思疎通がうまくいかず引っ張り上げてもらうことができなかった。
結局、ザックを手で持ち上げながら登るのを繰り返してめちゃめちゃしんどかった。
これは作戦ミスだったなぁ。
ようやく巻き終わり、ゴーロをしばらく進んで15m滝をOKDさんがリードし、後続する。
落口は次の滝の釜になっていて、ツルツルでなかなか釜から上がれない。
滝右側のクラックにハーケンが打ってあるのを見つけ、スカイフックをかけてA0で乗り越す。
しばらくして三俣分岐に到着。右から入る沢に進むわけだけれど、滝は登れないので真ん中のルンゼから巻きに入る。
グラをぐるりと巻き上がるも、どの辺まで来てるかいまいちわからず、迷いつつ15mほどの懸垂3回で沢に復帰。結構時間がかかってしまった。
その次に25m滝を巻いたはずだが、これはよく覚えていない。
幕営適地どこかなぁと思いながら進み、なかなかこれといった場所が見つけられず、伏流したゴーロ帯に入りそうだったので、水のあるところまで戻って小マシなところを見つけて幕営。
雨降らない予定だったのでタープも張らずにそれぞれ適当に寝たけれど、夜半に雨が降り、各々シュラフカバーで凌ぎながら寝た。あまり強く降らなくて良かった。
小雨ならタープいらないな。
おせんさんは元々はゴルジュ突破や滝登攀云々では無く、輝く生命を堪能するような沢を求めて山岳会に入ったよう。
しかし、いつのまにか目指せザクロ計画に組み込まれ、病み上がりの体で初めての沢泊をイブキ嵓谷ですることになり、桶側ノ滝の洞窟で溺れかけ、浮石の登攀や巻きを強いられたうえに、新しく買ったZERO POINTのザックは荷上げで速攻破れ、いつ終わるともしれないしんどいゴーロ歩きを経て疲れたのちに、雨をシュラフカバーで凌ぐという、若干哀れな状況になっていました。
とはいえ、なんとビール3缶も担ぎ上げたうえに30Lザックで済ませる余裕っぷりで、流石だという感じでした。強者!!
この記録を書きながら、そんな初めての沢泊は僕だったら絶対嫌だなと、つい思い出しニヤつきしてしまいます。クックック。
8月28日
未明に起床し、朝ごはんを食べて片付けをして、6:30出発。
しばし伏流したゴーロを歩くと、ドーンと黒滝が登場!
いつか、冬に登ってみたい。凍った黒滝の動画を見たことがあるが、登ることを想像するとプルプルふるえてしまう。無数の氷柱が垂れ下がる絵だった。登るラインを間違えられない、ボールドで立体的なクライミングになるはずだ。果たして僕は一生のうちにそれができるようになるのかな。
と思いつつ、右のルンゼから取り付く。
巻き開始、1ピッチ目。
ルンゼ途中から左のフェイスに乗り上げ、滝が見える位置をキープしながら登ってみるが、下から見上げた時よりも傾斜が強く、良いスタンスと思ってたところも外傾していてヌメる。
草がついてる割にどれもすぐ抜ける草ばかりで、魂のデッドムーブでやっと掴んだと思った細い木も根っこごと剥がれかける始末。
自分の中の絶望がすぐそこに待ってるのを感じてしまうが、飲まれたら終わりだ。気楽にいかなくちゃ。
「うわやべえ、これはやばい。でも全然大丈夫。落ち着け落ち着け。」とブツブツ言いながらのクライミングとなったけれど、ギリギリのところで安心できる支点がとれたりしたので、まいったなぁ。と思いながらも登ることができた。やれやれだ。
緊張の成果もあり、無事に黒滝がよく見えるしっかりした立木で終了点を作ることができ、荷上げをしつつ後続を迎える。
終了点からみると、水線右の凹角も草が生えていて、クラック沿いにもしかしたら登れるんじゃないかとチラッとよぎったけれど、やはりビビったのでやめておく。
それに、このピッチで時間かかり過ぎた。辺なところを登ってしまい、お二人には申し訳ない。
終了点からトラバースして、「あここが記録に載ってるルンゼだな」という顕著なルンゼを見上げる。
階段状に見えて、2ピッチ目はおせんさんのリード。
少し上がってからモジモジしていて、そんな悪いのかな?と不思議に思っていたけれど、フォローで上がってみると意外にもホールドが少なくて、悪かった。ナイスリード。
3ピッチ目は岩棚からのチムニーで、僕がいかせてもらう。
出だしが少し悪く、岩棚に上がりづらかったけれど、残置ハーケンがあり、スリングあぶみで乗り上がる。
岩棚は滑っていていやらしい。しかし、水平クラックが走っていてカムがよく効くのであまり恐怖感は無い。
しばし岩棚を進んでチムニーに入る。
ここも、ワンムーブ起こす時にはカムやハーケンでしっかりした支点がとれるので、結構楽しかった。
浮石が多いので落とさないように気をつけつつ登って抜け口まで来たが、40mロープでは理想的な立木に届かなさそうだったので、抜け口からトラバースして右手の太い木を終了点とした。
後続を迎える。
サードで登ったOKDさんにそのままロープをひきづってもらって最後のピッチの取り付きまでいき、4ピッチ目も僕がリードさせてもらう。
これは傾斜も緩く簡単に見えたので中間支点のスリング長をあまりよく考えずにとっていった結果、屈曲でロープが重くなり、抜け口が垂直に立っていて、ちょっと嫌な重さになってしまったので、最後の乗越手前のスペースで終了点を作って2人に上がってきてもらう。
適当なことして申し訳ないと思いながら、最後の乗越も僕がいかせてもらい、ついに安定した場所にたどり着いた。後続を迎える。
黒滝の巻き終了!いやぁ緊張した!
沢に復帰して、次は25m滝の巻きだけれど、これもルーファイうまくいかなかったりで結構時間がかかってしまい、巻き上がった頃には16時になっていた。
元々下山予定を15時にしていたので、あらら、、、と思いながら、携帯に電波入るかなと思って見てみると、運良く電波が入ったので、下山遅れる旨を会に伝える。
沢復帰して、しばし進んでシラビソの倒木が目立ってくるところから尾根に詰め上げ、ついに中尾に出る頃には夕陽がとっても綺麗で、下り出しの藪漕ぎも綺麗な光の中を進むことができました。
ヘロヘロになりながらヘッデン下山して、21時30分、ようやく駐車地に到着。
下山完了。
以上、山行記録でした。
イブキ嵓谷、沢登りのいろんな楽しみが詰まっていて、渓相美しく、遡行するにはいわゆる総合力が試される、とても良い沢でした。登れる滝は少なかったので、直登大好きOKDさんは若干口を尖らせる場面もあったような気もしますが、もし次来ることがあったら桶側ノ滝登ってください!笑
登攀も巻きも時間かかったので、良い勉強になりました。登るスピードはかねてからの僕の課題ですが、それ以外にも荷上げの段取り、ピッチの切り方など考えて、もう少し早く進めるようになりたい。
下山が遅くなった(というか計画の時間割が早過ぎた)のは、僕の計画が甘々だったので反省です。
大満足のイブキ嵓谷遡行でした!
OKDさん、おせんさん、ありがとうございました!!