八ヶ岳 中山尾根 河原奥の氷柱 厳冬期アルパインアイスクライミング
- 山行日
- -
- 山域、ルート
- 八ヶ岳 中山尾根 河原奥の氷柱
- 活動内容
- アルパインアイスクライミング
- メンバー
- 岩瀬た、がんちゃん、アヤちゃん
こんばんは、岩瀬た です。
今シーズン4回目となる八ヶ岳にまた行ってきました。
今回はいつものメンバーとは少し違い、会外の友人、がんちゃんとアヤちゃんと行ってきました。
2人とは友人の繋がりなどで知り合い、秋に名張でクライミングしてその時に「冬にアイスをしに行こう」となり、今回実行となりました。
がんちゃんは大滝登攀やゴルジュ遡行などの狂ったことをやる沢ヤでありつつアイスやスキーもやっていて、先日に大峰の双門ノ滝をアイスクライミングとして初登したよう。
アヤちゃんは結構最近クライミングを始めて、あれよあれよと5.12台をポンポン落とす狂ったクライミングマシーンと化したクライミングギャル。もといクライミングバム。ここ最近は八ヶ岳に常駐してアイスやアルパインに取り組んでいるよう。
狂った2人と行く山行はどうなるのかと、自然を愛でるのが趣味の善良なサラリーマンの僕は少々不安でしたが、結果、とっても楽しい2日間を過ごすことができました。
以下、山行記録です。
八ヶ岳 中山尾根 河原奥の氷柱 厳冬期アルパインアイスクライミングの山行記録
行程概要
1/28
5:30 八ヶ岳山荘駐車地 出発
6:15 やまのこ村
8:30 行者小屋 休憩 準備
9:30 中山乗越
10:20 中山尾根 下部岩壁 取付
13:00 上部岩壁
15:30 上部岩壁終了 トラバースして主稜線へ
16:00 地蔵尾根 下降開始
16:30 行者小屋
19:00 八ヶ岳山荘駐車地 仮眠室泊
1/29
7:30 起床
8:30 出発
9:00-12:30 河原奥の氷柱
13:00-14:00 角木場(見学)
14:30 八ヶ岳山荘
行程詳細
1/28
5:00、八ヶ岳山荘の駐車場にて全員合流。準備を整えて出発。
今週の寒波で雪がすごい積もってるかと思っていたが案外そうでもなく、さすが八ヶ岳、いつも通り登山道はしっかりとトレースがついている。
行者小屋にてギアを身につけて中山乗越へ。
上部がガスっていたことと、気温は低く風が強いことも想像できたことに加えて、がんちゃんの調子も芳しくなく、計画変更して赤岳鉱泉でコーヒーを飲む予備計画に切り替えるか迷ったけれど、気合と根性の男がんちゃんが「進む」というので、とりあえず取り付きまで行くことにする。
ちなみにがんちゃんは以前に中山尾根に来たことがあり、最終ピッチを残して撤退しているので今回はその最終ピッチを登りにきたよう。
中山乗越から下部岩壁までトレースが少し残っていて、場所によっては腰高のラッセルがあるくらい。
どうやらアヤちゃんはあまりラッセルをしたことがないようで、はしゃいでいる。
アヤちゃんは沢登りやキャニオニングの経験は結構あり、フリークライミングに関してはこの3人の中でもダントツで力があるのだが、冬のアルパインについては経験もまだ少なく自信があまり無いようで、今回は「フォローで頑張ります!」との意気込みだ。
今シーズンで石尊稜や阿弥陀北西稜なども経験しているようだが、条件の良いトライが多かったよう。
今日はおそらく上部は悪いだろう。悪い場合を想像すると、僕も少しためらわないでもない感じだ。
足の付け根が痛いと言っていたがんちゃんを先頭にラッセルを進め、中山乗越から1時間かからないくらいで取り付きに到着。
もう一度進退どうするか考え、時間的にはまだまだ大丈夫だったのと、晴れてきたので1ピッチ登ってみることにする。
残置ヨシ。クライミング開始!
1ピッチ目、岩瀬た
正面から登ったら普通に悪かった。
ハンガーの無いボルトにスリングをタイオフして、その少し右に0.3のカムも決めたところで早速行き詰まったのでA0。残念!
少し右から登った方が良かったのかも。
出だしを過ぎたらあとは段々で無難に登ってピッチを切る。
アヤちゃんとがんちゃんも上がって来て合流。
やはり出だしが難しかったよう。
2ピッチ目、がんちゃん
凹角になってるとこを行くか、平らなところを行くか迷うところで、
「ここは平らなところの方やったら簡単やで」とがんちゃんがリード。
それほんま?と少し思う感じの、若干苦しそうな体勢で登っていき無事終了点へ。
終了点で合流して、いったんロープを畳んで下部岩壁終了!
案外稜線が近くにあったので、このまま登ることにする。
上部岩壁の基部まで行って少し休憩。
がんちゃんは冷え冷えのコーラを飲んでいて信じられない。コーラは凍らないらしい。
僕自身寒さに多少は強い自負があったが、彼は比べ物にならないくらい寒さに強い。本人曰く、気持ちの問題とのことだが、もしそれが本当なら尋常じゃない気持ちの強さだ。
昔自転車をやっていたそうだが、その頃に末端の毛細血管が発達したのだろうか。羨ましい。
風が強く、雪煙が舞うと顔が痛いし寒い。晴れているのが救いだ。これでガスってたら2年前にOKDさんとダイさんと行った石尊稜の二の舞いとなるところだ。
足が痛いと言っていたがんちゃんは調子上がって来てほっといても大丈夫そうなのでアヤちゃんのフォローだけしつつ、3ピッチ目スタート。
3ピッチ目。岩瀬た。
ここも若干バランシーで少し緊張。細かい足置きもいくつかあったけれど、残置のハーケンが結構たくさんあって精神的には楽だ。
最後は少し立った凹角をチムニー登りで登って終了点へ。
フォローをビレイしていると、後ろからソロの人が登って来た。
バランシーだった部分もノーロープで登ってくる。クレイジーな人を生で見るのは初めてだったので驚いた。
がんちゃんとアヤちゃんも登って来て無事合流。
最後のピーク基部までの登りはロープ出すか迷うくらいな感じだったが、イケイケゴーゴーながんちゃんにロープをつけてもらい一応アヤちゃんは確保して登ってもらうことにする。
僕は先の様子を見ようと先行していたが、登ってる途中、ソロの人がシューっと追いついて来たので少し話すと、どうやら台湾から来たそうで日本語があまり通じず、「ユークレイジーフリーソロ!」とカタコトの英語で話しかけると、「イェーアイムフォース!スィーユーレイター!」と言いながらにっこり笑って、シューッと行ってしまった。4回目ということのよう。
緩傾斜とはいえたぶんこの登りが1番辛かったと思う。強風の中アヤちゃんも気合と根性で登って来た。よく頑張りましたという感じだ。
がんちゃんはこの目前の最後のピッチを登りに来たのだけれど、風が強くて寒さでどうにかなりそうだったので、ここはグッと堪えてもらってまだ余力があるうちに下山することにする。
意外とこだわらずに下山にかかってくれたので良かった。僕が知っている沢ヤさんはみんなさっぱりしていて安心できる。漢と書いて男である!
ということで、残置ヨシ!下山開始!
気をつけつつ地蔵尾根を降りて行者小屋でゆっくり休憩してから駐車場まで。
最後の稜線歩きの時に半分放心してるように見えたアヤちゃんも元気を取り戻して、結構スピーディーに歩いていく。なんや元気やん!
19:00、八ヶ岳山荘に到着。久しぶりのヘッデン下山で、無事に怪我なく降りてこれました。
その後、アヤちゃんの知り合い多過ぎパワーと八ヶ岳山荘の方達のご厚意に甘えて暖かい場所で美味しいご飯を食べて、仮眠室にて心地よい眠りにつくことができました。最高でした。
ありがとうございました!
1/29
のんびり起きて、朝ごはんを食べて、今日は美濃戸の周辺でアイス。
前から気になっていたが、いつでも行けると思うと逆に行く機会が無かった河原奥の滝と角木場に行くことにする。
河原奥の滝には先行パーティがいたので、氷柱の方に回ってクライミング開始!
短いけれど案外立っていて、落口は氷が張っておらず砂にアックスを打ち込むことになってまぁまぁ緊張した。
がんちゃんがドローンで動画を撮ってくれていて、後で見返すと「こんなフォームで登ってたのかー、レストし過ぎやなー」と思うこと多い!
後日きっとがんちゃんねるで映像が見れるはず!
今回はがんちゃんがたくさん写真や動画を撮ってくれました。ありがとう!
僕はカメラ持ってくるの忘れてがんちゃんの写真はあまりなく、申し訳ない、、!!
しばらく登って角木場へ移動。
角木場も満員御礼で、時間もあんまり無かったので見学とする。
僕の中ではめちゃめちゃ有名なI夫妻がいた。
5.13を登る国際山岳医のご夫婦で、僕が山登りを始めただいぶ昔の頃からちっぺさんの記録を読んでいて、すごいなぁと常々思っている人たちだ。同人青鬼に入ってみたいと思ってた時期もあるくらい。
人見知りしてしまってひと言も喋りかけられなかった。笑
変態のがんちゃんは手頃な氷でアックスを振る練習をして、ナオコ塾生のアヤちゃんに「アックス握ってる!けつデカい!」などと言われながら嬉しそうに練習していた。ナオコ塾に通ってみたらいいんじゃないか。
ずっと素手だった。信じられん。
ぼちぼち良いところで引き上げて、撤収としました。
下山完了!
以上、山行記録でした。
今回は初めて一緒に山に入る2人で、山行前は不安に思わないでも無かったけれど、蓋を開けてみれば気の合う2人で楽しく登れて嬉しかったです。それになんだか良い刺激をもらった気もする。
普段一緒に登る神戸山岳会の人たちも相当好きだし信用しているけれど、時にはいつもと違うメンバーに接してみるのも良いなと思える山行でした!
がんちゃん、あやちゃん、ありがとうございました!またどこかでなんかしましょう!
追記
がんちゃんが作った動画が公開されているので、ご興味ある人は是非。