尾白川ゴルジュ 沢登り
- 山行日
- -
- 山域、ルート
- 南アルプス 甲斐駒ヶ岳 尾白川ゴルジュ 上部 下部
- 活動内容
- 沢登り 遡行
- メンバー
- 岩瀬た、野田(会外友人)
こんにちは、岩瀬た です。
お盆休み満喫計画第二弾、尾白川ゴルジュに行ってきました。
南アルプス甲斐駒ヶ岳を源流に持ち、黄蓮谷の下流にあたる部分です。
なかなか登攀が難しい沢で、僕はちょっとリード厳しいな、、、というような沢で良い勉強になりました!
以下、山行記録です。
装備(主なもの)
- ライフジャケット
- カム0.1-2サイズを2セット、3,4を1セット
- ハーケン,アングル各種
- ボールナッツ
- アブミ各自2個
- ロープ40m x1、50mx1(1本は懸垂用)
行程概要
8/13 尾白川ゴルジュ上部
4:15 矢立石登山口駐車場 出発
6:00 不動滝上部 入渓
17:30 13m滝(最後の滝)上
19:25 矢立石登山口駐車場
8/14 尾白川ゴルジュ下部
6:40 尾白川渓谷駐車場 出発
6:55 入渓
11:55 不動滝上 懸垂下降開始
14:25 尾白川渓谷駐車場
行程詳細
今回は会外友人の野田さんに誘われての遡行。
最近は休みの日程が合わず会う機会もあまり無かったが、野田さんはいつの間にか5.13を登り、無尽蔵の体力を持ち、経験値も僕とは段違いなので、パートナーどころか果たして着いていけるのか不安に思いながら、兵庫川西で待ち合わせ。
合流して野田さんの車に乗り込むと、なんと僕の夜ごはんと翌日の朝ごはんを用意してくれていた。
鰻丼や唐揚げ、おにぎりやバナナをパクパクいただいて大変美味しいごはんでありがたかったわけだが、今思うと、これは孫子の兵法でいうところの、「温情」にあたる作戦だったのではないだろうか。
そして、移動しつつご飯食べつつ、今回の上部と下部の分け方や最近の山行への取り組みなどの話をする。これらの話の内容は孫子でいうところの「軍律」に近かったのではなかろうか。(やや曲解しているが。)
とにかく、気付かぬうちに、もう何があろうとも深い谷底まで将軍に着いていく兵士の心境に持って行かれていたのであった。
(後日聞いた話では、温情ではなく、集合場所や時間の変更などで気を遣っていただいていたよう。次回からはどうぞ気を遣わず!でも鰻丼美味しかったです。
8/13
駐車地を出発して、黙々と林道を歩く。しばらくすると不動滝への分岐の看板が出てくるのでそこから降りて行き、何回かルートファインディングと藪漕ぎをしたのちに不動滝の上に降り立つ。
目の前には大きな釜を持つチョックストン滝だ。
最初から巻きたくなるような滝だが、水線右のクラックをエイドで行く。リードは野田さん。
今回、"渓谷登攀"の遡行図を参考にしながら登ったが、そこにはこの滝は「7mCS」とかかれていた。しかしどうやら当時とは水流が変わったようで、10mCS滝になっていた。
野田さんは滝右側の壁を登って、滝壺間近に飛び込み見事クラックに取り付く。1発だ。ひゅー!
じりじりとアブミ掛け替えで上がっていきチョックストンの上に消えていった。
僕も続いて取り付き、いやぁ始まっちゃったなぁと思いながらアブミをかけかけ登って合流。
次のピッチも引き続き野田さんリードで登ってもらう。
激しい水流に押されながら僕もフォロー。ミスったら水流に飲まれて溺れるんじゃないかとビビったが、フォローのことも考慮したプロテクションを取ってくれてるのでビビりつつ安心だ。
フォローを意識したライン取り・プロテクション配置は、リードする人の当然必要なスキルで、僕も意識していることだが、切羽詰まっているとそうもいかないのが事実だ。フォローの力量を信じて登ってしまうことはある意味では美学だが、基本的には避けた方が良いことだろう。できぬならリードすべきではない。
僕も強くありたいものである。
さて、その先もステミングとジャンプで乗り越えたり高巻きしたりしつつ進んで、現れたのはちょっとしたスラブを交えた滝。
これがかなり悪く、例の如く野田さんリードで登ったが、フォローで行くと、スラブ部分が全くツルツルで、おまけに体重をかけたアブミのハーケンがグラつく浅打ち。(リスが浅くて難儀したとのこと。)
グラついた時には結構焦った。しかし、すぐ近くに手がかり用のカムがセットされていたので、ありがたいを通り越して感動した。
野田さんよくこんなところ登ったなと思いながら、必死でユマーリングで後に続く。
そしてついに辿り着いた最後の滝。
僕はここまでほとんど活躍していなかったので、いっちょやったろかいと最後の滝の取り付きまでの泳ぎにトライ。
ザーッと泳いで、シュッと発射して、グッとクラックに手を入れて、グイーっと身体を棚まで上げる。
日頃の運動不足が祟って、グイーっと上がるところで上がり切れずに落ちかけたが、心の炎を全開に燃やしてどうにか上がりきり、成すべきことの体裁を保てた。
良かった。
ビレイ点構築にたっぷり時間を使って、得意顔で、少し疲れが見えてきた(と思う。実際はたぶん余裕のよっちゃん顔。)野田さんを引っ張り上げる。ふっふっふ。持ちつ持たれつの関係が成立したぜ。
やるべきことはやったので、あとはお任せして清々しい気分でビレイに徹する。
ここ突破しないと僕ら沢から出られませんよー!
なんてお気楽なエールを送りながら、無事に突破していく野田さんを見送り、ビレイ解除のコール。フォローで僕も登り始める。
が、これがまた悪いのである。
出だし直上は容易なのだが、岩の下をトラバースするところは、なんか何もないところをアブミを頼りにギリギリのトラバースで、最後は水流に突っ込んで立ち上がらねばならぬ。
やれやれだ。
最後の滝を終えると沢は平凡になり、少し休憩してから日暮れの林道を駐車地までとぼとぼ。
なかなか難しかったなぁ。これは僕はリードではよぉ登らんかったかもしれん。
と思ったりしながら、次の日へ。
8/14
さあ今日は尾白川ゴルジュ下部だ!
記録によると、まぁまぁすぐ終わるみたい!嬉しい!ちゃっちゃと終わらせて、早よ帰って酒でも飲みたいぜ!
と、すっかり僕も落ちぶれたものだが、まぁ良いでしょう。
尾白川駐車場にて準備して、黒戸尾根にいたる橋から入渓。
基本的に滝は登れるものが少なく、巻道は遊歩道沿いというなんとも言えない行程で多少ダレてしまったが、ダレついでに、昨日からの疲労があまりに辛くなった瞬間があって、「僕、今日ダメかもしれません、、、」と弱音を吐いてしまう始末。
弱音を吐きつつ進んで、結局まともに登れた滝は最後の不動滝だけである。
なんでぃ!あんまりゴルジュ感も無いし、そないやないかい!と思う。
とはいえ、一応言っておくと、各滝や淵は一見の価値があるので、やはり行くべき場所ではある。
さて不動滝。
なかなかの迫力で、ここは野田さんどうぞ。という感じだ。
なんたって僕は昨日の最後の滝の取り付きまでをリードしたからな。持ちつ持たれつの関係が成立している。
野田さんは時おりモゾモゾしつつもスイスイーと抜けて行く。最後の抜けは、昨日同様水流に突撃だ。
なーんだ簡単なんだと思いながら登ると、案外ボロくて意外に緊張。リングボルトが複数打たれていて何度か助けられる。
落口は結構悪かった。
こういうのを僕もスッスと登れるようになりたい。
強くありたいものである。
不動滝からは同沢下降の懸垂で釜に降り立ち、不動滝を見に来た人と少し喋ったりしながら休憩し、あとは遊歩道を通って駐車地まで。
下山完了。
以上、山行報告でした。
今回は、特に初日が想像してたよりも難しい登攀が多く、久しぶりの長時間行動で、良い勉強になったなぁと思う沢でした。
あと、運動不足なんだけど、、、とか思いながら来る場所じゃねえな。とも思ったのでちょっぴり反省です。
しかし!
これで僕は竹宇駒ヶ岳神社から甲斐駒ヶ岳山頂までの沢筋を、累計で全遡行できたので結構嬉しいです!!
ふっふっふ!!
野田さん、ありがとうございました!!日を合わせてまたどこか行きましょう!!