大峰 弥山川 裏双門滝 アルパインアイスクライミング
- 山行日
- 山域、ルート
- 大峰 弥山川 裏双門滝
- 活動内容
- アルパインアイスクライミング
- メンバー
- 藤本 (L) (記)、もっさん
大峰 弥山川 裏双門滝
日本の名瀑100選「双門滝」(落差70m) のすぐ東側に
位置しているが全く知られていなかった深い谷が
存在する
恐ろしく高い嵓に囲まれており、
そこには落差70m程の大滝が2本堂々と立ちはだかる
2024年に開拓されたばかりで大きく貢献した一人、
もっさんにお誘いを頂き行く事となった
写真を見せてもらった、
「ヤバい滝や...」
登れるんか?
以下、山行記録です
大峰 弥山川 裏双門滝 アルパインアイスクライミングの山行記録
装備 (主な物)
ダブルロープ 60m (2本)
アイススクリュー
13cm × 7本
16cm × 12本
22cm × 2本
リンクカム #0.5、#0.75 使用せず
トランシーバー
入山 2:00
アプローチは、
「関西最難関の一般登山道 双門ルート」
私は無雪期にいちど弥山まで抜けた事があるが
その時でさえ何度もルートをロストする程に踏み跡
が分かりづらく、不安定で今にも落ちそうな橋や
ハシゴの連続、滑落しそうな急峻なトラバースが
つづく
もっさんはこの日の為、一週間前にトレースを
付けに来ているが前日までの数日間雪が降り続いた
辿り着くか心配されたが前日に人が入った形跡が
あり脛ラッセル程ですんだ
5:00 一ノ滝
頼りになるパートナー
暗闇でも複雑なルートを熟知しておりここまで順調
双門ルートを外れてからは腰から胸のフルラッセル
何回か「変わるよ」と言ったが無言で突き進む
「ルートは自分にしか分からないから」と言う理由
「助っ人として応援に来てもらってるから、
アプローチは全て切り開かなければ」と言う風に
山陰男の心意気を感じた
日の出 6:31
ついに見えて来た
と言うよりも「見えてしまった...」
右が「巌双門滝」
左が「裏双門滝」
遠目には難しそうだが近づくとどうなのか?
9:00
もっさんのフルラッセルのおかげで何とか辿り着く
事ができた
降雪が少なければ4時間程で着くところがなんと
アプローチに7時間もかかった
お疲れさまでした
一息いれ、黙々と登攀準備にかかる
静まりかえった中に緊張感が漂う
中間がハングしている
9:30
1P 25m (IV+) 藤本
リミットは最終ピッチを日没までに抜ける事
ワンザックに最小限の食料と飲料を詰め
流石に時間はたっぷりあるのでヘッデンはデポ
階段状から取付いた
序盤は快適に高度を上げたが中間からは溶けだした
シャワーを避ける事ができずズブ濡れになりながら
前進
その後は、つららの集合体や氷結の甘い氷で
スクリューを打てなかったり堆積したモナカ雪の
処理、クラストした棚が崩壊したりと格闘する事
1時間、漸く1人立てる程のテラスに出た
チリ雪崩も頻繁に発生してとっさにかわす
狭いのでハンギングでレスト
2P 40m (V) もっさん
是が非でも登りたいと言ってた核心ピッチ
ブッ立ってる核心ピッチを登って
くれるから内心はホッとした
長いピッチの序盤15m程はバーチカル
つららを処理しながらでかなり悪そう
後半を考えればスクリューを温存したいところ
だが怖そう
リードが見える範囲ぎりぎりで一旦止まり、
0ピン他のスクリューを回収して荷揚げした
中間からは傾斜が緩むがゴソゴソ雪
穴が開いて水が流れてる所もあった
後半は狭いチムニー状の氷を通過するライン
しかない
やはり前半にスクリューを使った分、
激しいランナウトで突破していた
ようやるわ!
足元には穴
3P 20m (V‐) 藤本
小ハング下からスタートして落口は10m程先?
簡単そうに見えるが何が潜んでるか分からない
このピッチ、誰がリードするかは現場で判断する
事にしていた
「もっさん、行きますか?」
「... 」 暗黙で託された
落口から先のスラブは氷結が甘く、割れて剥がれる
気休めに薄い氷にスクリューを斜めにきめ前進
アックスを打ち込めば割れそうな薄氷に負荷をかけ
ない様に足を広げ岩にステミングとプッシュで突破
その後は腰ラッセル
時々氷を踏み抜き肝を冷やした
立木でピッチを切り緊張が解かれた
17:00
完登
やったぜ!
登攀 7時間半
長かった
急いで、懸垂下降 1ピッチ目に入る
立木に残置してあったスリングとバックアップを
取り、穴を避け慎重にロープダウンした
ところが見事にロープが穴に入り込み難儀した
懸垂下降 2ピッチ目
V字スレッド 2本目を作ってる時に真っ暗になった
日の入 17:49
デポした荷物をまとめ下山開始
深い雪、
落ちかけの橋、
悪いトラバース、
「双門ルート」の下山は長く辛い...
やりきりました
( 開拓メンバー )
フックジョーさん
GOくん
そして今回誘って頂いたもっさん
本当に感謝です
生涯記憶に残る1本となりました
以上、山行記録でした
山は遊びの宝庫や!!
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