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北アルプス穂高岳屏風岩     1994,9,22-9,25 三瓶 修

Party L 三瓶 修   M 田中 健太郎
 9、22 大阪−(急行ちくま)−松本
 9、23 松本−(タクシー)−上高地−横尾−1ルンゼ押し出し B.C
     B.C−雲稜ルートー同ルートを下降ーB.C
 9,24 B.C−鵬翔ルートー屏風頭−パノラマ新道−B.C
 9,25 B.C−上高地−松本−帰神

★雲稜ルート
1p T4正面の顕著な凹画から取り付く。50mいっぱいでピナクルテラスまで。核心はややかぶり気味になってくる辺りで、凹角の奥に詰まっている岩をホールドとすればガバガバであるが、どれも抜けそうであまり触る気がしない。リードのShake(田中)はアブミを出してこえた。

2ps 扇岩の下を右に大きくトラバースする。出だしの1歩と中間の1歩が悪い。A0でこえる。ルンゼに入り扇岩テラスまで。

3ps 扇岩テラス正面のボルトラダーをひたすらたどる。支点はあまり良くなく、ところどころボルトの先がとんでいる。

4ps ハングの下を大きく右にトラバースし、ルンゼに入る。seilの流れが悪くなるため、ルンゼに入った所で切る。

5ps 左上するランペを右側のクラックを使って登る。ところどころA0する。前の晩、降った雨がまだ乾いておらず、けっこうしぶい。東壁ルンゼに入った所で切る。

6ps 泥の詰まったルンゼの中を登る。特に難しい所は無い。Bushに入って終了。
下降は蒼稜ルートにとる予定だったが、蒼稜の終了点が分からず、そのまま雲稜を下降することにする。4psの終了点からトラバースせずに、まっぐに下り、扇岩テラスの右側に出る。そこから東壁ルンゼに入り、2psでT3に降り立った。早くも暗くなっていた。

★鵬翔ルート
1p T4から左へ草つきの中をトラバースする。適当な所からseilを付ける。人工まじりで凹角を登り、潅木の生えたテラスで切る。

2ps テラスから凹角を左にこえて大テラスへ出る。

3ps 蒼稜ルートより3mほど左、大テラスの端からとりつく。垂壁から、赤茶けたもろそうな岩を目差す。ルート図集ではA2となっているが、支点も近くやすい。支点自体は、RCCボルトのような形をしていて、軸が5cmも飛び出しており、岩の中にどれほど埋まっているのか解らず、不気味である。

4ps ハングのうえから日本特有の快適な人工が始まる。気持ちの良いスラブを左上気味にのぼって行くところどころ僕でもフリーで行けるかな、というところも出て来る。フリーなら非常に気持ちの良いスラブである。Bushまで後5mのところでseilいっぱいとなる。

5ps Bush帯の中を登る。seilが引っ掛かりそうなので、短めに切りながら進む。2psほど出して踏み後に出る。
屏風の頭まで、よたよたと登る。岩から離れると、アドレナリンが止まってしまい、急にだるくなって来る。頭にはもう一つPartyがあがってきていた。屏風の頭から屏風の耳をこえて、最低コルへと下る。いつもここで道を外してしまいBushこぎを強いられるのだが、今回はそれほど外さずに済んだ。
パノラマ新道は想像以上に長く、だるく、横尾に戻って来たのは 7:30 を回っていた。このころから雷が近づき初め、B.Cについたころには土砂降りの雨となっていた。

 Party
久しぶりの本ちゃんで、初日は異常に時間が掛かってしまった。人工の練習不足でもたも たしたのと、この岩をつかめるかどうかといったようなカンが鈍っている感じだった。
2日目は当初、東壁ルンゼを登る予定だったが、初日の様子を見て、時間的に無理と判断し、鵬翔ルートに変更した。判断は妥当だったと思うが、鵬翔は少しやすすぎたかな、と言う感じである。
東壁ルンゼのような長いルートに望むためには、もっと早く登る力を付ける必要があると感じた。



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