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夏山合宿 北岳バットレス    平成7年 (1995年)8月15日〜20日 青谷 晋行

メンバー CL 青谷 山本 
 合宿とはいうものの二人だけでのひっそりした?山行でした。冬のバットレスをねらうため、わざわざ池山吊尾根から取りつく。樹林帯の中を大汗をかきながらただ黙々と登って行く。暑い!の言葉しか出てこない。

 8月16日夕方、やっと御池小屋に到着。二人ともただ茫然とするばかり。とりあえずテントをたて、明日からのルートについて話し合う。 

 8月17日。まだ暗いうちにテントをあとにして、今日はまず足慣らしに第4尾根を登ることにする。Cガリーを2ピッチのぼり、浮き石の多い大滝上を4尾根へトラバースする。4尾根はさすがに代表ルートらしく、他のパーティで大賑いだ。マッチ箱から、明日登る予定の中央稜を見ようとするが、ガスっていてまったく見えない。北岳頂上で感激の握手をかわし、BCへと草スベリを下る。

 8月18日。本日は中央稜だ。昨日と同じくCガリーを登り、第4尾根の第3コルから1ピッチ登り、枯れ木テラス右側のバンドから、懸垂で取りつきまで降りる。さて、大ハングルートに取りつくも、1ピッチ目を登りだすが、岩、ピンとも非常に悪く、四苦八苦しながら登るも、ついに断念する。隣のノーマルルートに行こうかとも思ったが、時間も少なくなってきたので中央稜の右隣の3尾根を途中から登ることにする。あまり誰も登っていないらしく、ピンも少ないし、適当に登ると北岳の右肩に出た。今日は八本歯のコル経由でBCへ下ることにする。

 8月19日。最終日はピラミッドフェースを行く。全体的に逆層が多く、何でも無いのに悩んでしまう?といったような変化の多いルートだ。終了点より4尾根に戻り、途中からDガリー奥壁へと継続する。出だしの3段ハングは快適?だった。高度感は抜群のクラックからスラブ、そして最後の狭いチムニーをザックを足下につるしながら登り切ると、もう何回も見慣れた頂上に立つ。二人とも寝ころんで雲の流れていくのをいつまでも見ながら感慨に浸っていた。本当に充実した3日間だった。

 8月20日。一気に広河原へとかけ下る。帰りは桃の木温泉でゆっくりくつろいでから、帰神。




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