Home > 山行報告 > 会報26号 > 白馬岳 主稜



白馬岳 主稜     平成8年(1996年)3月28日〜30日 青谷 晋行

                          メンバー 青谷単独
    コースタイム 3月28日 夜発(くろよん号) 
3月29日 晴れ〜曇り 二股 0600〜白馬尻 0900発〜主稜取付 0920発〜
 8峰 1200着〜7峰 1300着〜6峰 1400着〜7、8のコル 1500着 (雪洞泊)
3月30日 雨 0600発〜白馬尻 0800着〜二股 1200着 下山
 
 以前から一度訪れてみたかった白馬岳主稜だ。しかも単独なのでいつもになく少し緊張して家を後にする。
 3月29日。早朝の白馬駅に一人降り立つ。タクシーで二股まで入る。いつものように朝飯のいなり寿司を腹に入れ、まずは猿倉へとまだ除雪されていない林道を歩き始める。雪は結構締まっていて、快適に歩ける。今回はワカンは持ってきていない。だがしかし、まさか、帰りもまたこの長い林道をしかもバケツになった雪道を歩いて帰るとは、この時は知る由もなかったのだ。猿倉が近づくにつれて木々の間から遠く白馬連山の稜線が美しい。半分雪に埋もれた猿倉荘を過ぎると、林道は本谷から少し離れ、右岩を大きく高巻きしている。途中、長走沢を横切るがデブリはすざまじいものだった。 大雪渓と白馬沢の分岐はもう目の前だ。所々残っていたトレースのあとは、途中から小蓮華尾根へと消えている。本当に以前ここで雪崩がおこったんだなぁと思いながら速足で、大雪渓出合を横断する。

 主稜末端へ取り付き、頭上にみえる8峰を目指すが、雪の大斜面の登りはきついわ。ほんま。天気はピーカンだし、暑い暑い!!しかし、あちこちで小規模な雪崩が頻繁に起きている。自分が登っている上部からも落ちてくる。できるだけブッシュラインを登るも、所々クラックが走っているので気持ちが悪い。一息着きたいが、そういった状況の中では休む気分にはなれず、苦しいが必死に上を目指す。ようやく8峰下の台地に着き、大休止する。視界もよく、杓子尾根や白馬鑓の方も手に取るようによくみえる。お次は、7、8のコルを目指す。やっと稜線上に出れてつい嬉しくなってしまう。でも何とか今日中には、4峰までくらいは進んでおきたいと思い歩き出すが、雪が腐っている上に岩も出ていて、何でもないところだが変に苦労させられる。7峰、6峰と進むがだんだんとピッチが落ちてくる。どうしようかと思うが、今晩から下り坂ということもあり、6峰にて引き返すことにする。でも下りの方が行きよりも悪く、所々懸垂で下降する。

 このまま帰るのもいいが、たまには雪洞で泊まるのもいいだろうと思い、7、8のコルで工事を始める。斜面を切り出し、ツエルトをかぶせ、何とか快適な穴ぐらとなる。全然寒くもなく、ただ一人退屈なだけだ。でもやることは山ほどあった。ゆっくり飯を作り、ぬれたものを乾かしたりと、ラジオを聞きながら、シュラフカバーに身を包む。夜半前から雨が降り出す。夜が明けると共に穴ぐらを撤収し、最後にくそをして、ホワイトアウトの中、白馬尻を目指して下山する。

 雨足はきつくなる。全身びしょぬれでああ寒い。白馬尻からはまた、長い林道にさしかかるも、何と足が潜ること。行きとはまったく違っているではないか。途中からもう歩くのがいやになるくらいだ。何度、座り込んでしまったか。結局行きの倍かかって二股へ。帰りはワカンかスキーでもあれば、と思った程だ。途中のペンションで電話を借りてタクシーを呼ぶ。待っている間も、オーナーの人が、親切で、ストーブに当たらせてくれた。本当にありがたかった。今回は何と言っても荷が重すぎたことだ。次回はもっと荷物を削って軽快にアタックしてみたい。



Home > 山行報告 > 会報26号 > 白馬岳 主稜