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南八ケ岳東面 旭岳東稜    

  1997年(平成9年)1月24日〜26日  青谷 晋行

 以前から念願のひとつでもあった、権現・旭の尾根にとりつける?と思えば胸が躍り、ハンドルを握る手にも気合いが入る。しかしその気持ちも名神までで、中央道に入り事故で渋滞になるわ、トンネルの中でチェーンがちぎれるわで結局、美しの森に着いたのは翌朝4時半だった。林道に入り、何とか途中のゲートまで入れた。天気の都合もあり、本日は旭岳東稜へ取りつくつもりもあり、仮眠もなしにして、朝飯を食べ次第の出発となる。
ワカンを着け、林道の終点から地獄谷本谷に入り、堰堤を8つほど越え、まずは出合い小屋へ。誰もいなく、とり合えず、中にテントを張り、すぐに旭岳東稜の取付へと向かう。

  0900取付。トレースはなく、深いところで腰までのラッセルだが、ブッシュがうるさい 。ようやく森林限界を越えたころには2時を回っており、雪も激しくなってきたことを理由に上部岩稜を目前にして引き返すことにする。今まで着けてきたばかりのトレースも瞬く間に降り積もる雪に消されてゆくようだ。下りの下部岩稜はすこし緊張した。下りは一時間ほどで取付へ着く。残念だったが、ついでに権現の取付を見に行くことにする。トレースは着いていた。左またに入り、ゴルジュ手前の雪の下に水が流れているところが悪い。雪を踏み抜かないように気を遣いながら進む。途中、権現から下りてきたパーティとすれ違う。

 権現東稜に取りついたが、時間切れで下りてきたといっていた。東稜の取付を確認後、出合い小屋へ戻る。途中後ろから、また他のパーティが帰ってくる。権現左俣へアイスクライミングに行ったが、滝はほとんどが埋まっていたそうだ。快適な小屋で快適な夜を過ごすが、南岸低気圧の通過後、強い冬型が待っているそうで、翌日は下山とすることにした。アプローチも短いし、いい小屋もあるので、ぜひまた来たいと思った。小屋に感謝しながら、一人、雪に埋もれた河原をとぼとぼ下りてゆくのだった。



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