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白山山行記録(百花繚乱の名峰に行こうよ!)

     1994.7月5日−6日  芝 正人

7月5日(火) 神戸須磨(17:00)別当出合(23:00)

7月6日(水) 別当出合(6:00)南竜道出合(7:20)南竜山荘(7:45/8:05)白山室堂(9:00)白山御前峰(9:40/10:10)御宝庫(10:40)千蛇ヶ池(10:50)白山室堂(11:45/12:00)黒ボコ岩(12:10)殿ヶ池避難小屋(12:40/12:50)別当出合(13:50)別当出合(14:20)神戸須磨(21:30)

地図 25000分ノ1 加賀市之瀬、白山
必要経費 約18、000円(交通費のみ)

* 神戸から別当出合までは自家乗用車利用、道さえ混まなければ5時間位でいけると思います。また、別当出合に車が入れる日は制限されているので注意してください(別当出合まで入れない時は市之瀬まで、約1時間半行動が増える)。

報告
不幸な事故の後で、なかなか言い出せなかったが山が解禁されれば白山へ登ろうと決めていた。スムーズに承認をくれた仲間に感謝したい。5日の朝に仕事を終え用意した後、一路、石川県白峰村別当出合へと車を走らせた。

 6日の朝は、小雨模様でガスがかかっていて、白山は全く姿を現さなかった。そそくさと朝食を済ませ、出発する。さすがに白山は人気があるのか僕の他に、埼玉、長野から来た2、3パーティーがいた。天候はやや悪いものの涼しく快調なピッチで南竜山荘まで到着した。南竜山荘での気温は13C、視界30m位である。南竜山荘からは、計画ではパノラマコースを行く予定であったが、展望がきかないのでトンビ岩コースを歩くことにした。まだ、夏山開きしたばかりで、雪渓はかなり残っていた。大丈夫と重いピッケルは持っていかなかったが、途中道がよくない雪渓の上をトラバースする地点があったが、難なく越えて行く。しかし、ピッケル又は、ストックを持っていればより安全に行動ができたと思う、反省したい。

 予定通り、白山室堂を越え御前峰への登りにかかる花が綺麗だ。砂地の九十九折れの道を越え御前峰に辿り着いた。山頂の気温は9C、視界10m位、登山者は誰もおらずひっそりとしている。この時点で剣ヵ峰、大汝峰へのアタックはほぼあきらめ、お茶を沸かして飲む。少しでも天候が回復してくれればと思い待つが、視界は益々悪くなるばかりだ。仕方なくアタックはあきらめコンパスを合わせ千蛇ヵ池の方へと行動を開始する。視界は5m位、付近には危険な岩場もなく安心して歩くが、九十九折れの道でコースをそれてしまい、お花畑に入り込み可憐に咲くニッコウキスゲをふんでしまった。すぐ足を退けて修復するが、自分の浅はかさに身の縮まる思いがした。気落ちしたのかペースが鈍り時間がかかってしまう。なんとか千蛇ヵ池に辿り着くが、視界は変わらず、室堂までの一番近い道は先の見えない雪渓の中に続いており、遠回りのコースで白山室堂へと帰って来た。

 下山は、黒ボコ岩を通り観光新道を下った。特にこのコースは花が綺麗でコバイケイソウ、アオノツガザクラ、ハクサンイチゲ、ニッコウキスゲetcの花々が咲き乱れ白眉の美しさを以て、僕を慰めてくれた。自然の厳しさも各人同様ならば、自然のやさしさも各人同様なのだ、だからもっと自然から学び、親しくなって、自然を愛する気持ちにならねばとつくづく思った。もし時が戻れるならば、ピーチャンや、イナチャンとももっと山や自然について語り合いたかったと思い残念でならない。文字どおり花刺繍の中を駆け降り無事、別当出合へと辿り着いた。

 下山後、市之瀬の白山温泉に立ち寄り、貸し切りの檜の湯船に浸かり、白山を眺めた。雲がかかり最後まで白山は姿を現さなかったが、こんな近いところにこんな素晴らしい山があるとは、自分の目が痩せていることに改めて気付いた。次回は、仲間と一緒に行ってみたいものです。

 さあ皆さん山へ行きましょう。夏の美しい山々は皆さんの訪れを待っています。特に白山は、六甲でトレーニングを積めば、前夜一泊で日帰りで十分登れます。もっと注目をされてもよい山だと思います。



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