Home > 山行報告 > H13年秋 鋸岳 |
|
H13年秋 鋸岳 メンバー:橘、滝口、須川(幸)、小林(晋)記 11月22日(木)20:30最愛の家族に無事を誓い、メンバーを迎えに出発する。滝口、須川、橘の順にゲットし、一路戸台へ年老いたランクルを走らす。大町や豊科と違って駒ヶ根までは、約350キロと割に近いので気分的には楽である。 11月23日(金)3:30、国道152号線沿いの木材置き場で幕営!眠りにつく。5:30起床、戸台へ向け出発する。7:20戸台着、快晴。早々に食事を済ませ7:40、戸台出発。戸台川沿いを角兵衛沢出合まで黙々と歩く、休憩するたびに体温が奪われ「やばいっすよ!」滝口(以下おタッキー)の一言!この時、おタッキー語が我々の脳を汚染して行くと誰が想像出来ただろうか。 (角兵衛沢一合目付近) 9:30、そろそろ角兵衛沢出合付近かと思われ、別れて偵察に行く。よく分からずに探しているうちに、橘Lの集合の笛が鳴り響く。「何処まで探しに行っとんや!地図と時間と見たらそんなに上な訳ないやろ!」注意を受ける。実際には行き過ぎており、10分程戻る事となる。戻って見るとなんと!立派な道標が建っているではないか!沢沿につめて来たので見落とした様だ。(純粋に踏み後を探りながら行くのが無難)10:00、さて渡渉である。水量は安定しているものの、中途半端な位置に石があり「しぶい!」いやな感じである。オタッキーは余裕で成功!須川(以下城ちゃん)と小林は、少し下流を渡る事にしよう!っとその時「ばっしゃーんばしゃばしゃばしゃ」何事や!後ろを振り返るとそこには、100メートル9秒台も狙えそうな速さで、水中ステップを踏む橘(以下たっさん)さんがいた。先輩に対して失礼なのは分かっていたが、横隔膜が言う事を聞かずに噴出してしまった。「おう〜最悪や〜偵察では待たされるわ、川にはまるわめっさ最悪や〜!」かなり怒っている。やばい!っと思いながらも、体を張って笑いを提供してくれた先輩に感謝する3人であった。(山行中、酒のつまみになった事は言うまでもない。) 角兵衛沢は以外に明るい樹林帯で、一合目付近からどんどん傾斜を増し寝不足の体にはちょっとキツイ。樹林帯を詰めて行くと、突然ガレ場が姿を見せた。その先にはビッグウォールが我々を包み込む様に聳え立っていた。そう!此処が大岩であり、今日の我々のテン場である。 (大岩下の岩小屋) 近づいて見ると、水が岩壁の裾から染み出ており、整地もまずまずで最高の条件である。(4人以上のテントだと2張が限度だ!)皆で歓声を上げ12:30、テントを張る。取合えず乾杯しようとワインを流し込む。めっさうまい!今日の事件とポテトチップスをつまみに話は盛り上がって行く。 焚き火をセッティングし二次回に備えていると、後続パーティーが登って来た。5人パーティーでアビコ山岳会の人達だ!「最高だよね最高だね」と連発しながらビールは出てくるわ、ワインは出てくるわ、ウイスキーは出てくるわで、もうむちゃくちゃである。お裾分けをちゃっかりいただき、おっちゃんの「そして神戸」を子守唄に19:00、夢の人となる。 11月24日(土)快晴。3:30、起床!雑炊を詰め込み、テントを撤収し5:50、出発。いきなりのガレガレ急登に「あ〜しんど!」ついぼやいてしまう。 30分程で道は、明瞭になりテープに導かれて8:00、角兵衛沢のコルに到着。噂通り狭いコルだが、コル直下に幕営出来そうな場所が数箇所あり、水の心配無い積雪期だとここまで登っておけば2日目の行程に余裕が持てるだろう。早々に登攀具を装着し、第一高点を目指す。8:30、すんなり到達するが、途中角兵衛沢側へ切れ落ちている箇所があり足元に気を使う。記念撮影を済ませ、急な岩場の道を下降すると、間もなく小ギャップの上部に着く。支点がしっかりしているので迷わずザイルを出し、約10メートルの懸垂でコルに降り立つ。 (第一高点) (小ギャップ懸垂支点) (小ギャップの懸垂) 鹿窓への登り返しは草付の急登だが問題はなく、リッジ上から反対側へ回り込み、トラバース気味に進むと岩が大きな口を開けている。此処が鹿窓と呼ばれる風穴だ!此処からはルンゼを下降し(積雪期はザイルを出した方が良い)中央稜をトラバースするのだが、地形がよく分からずトラバース地点が分からない。中央稜を確認しトラバースするも行き詰まり、元へ引き返す。(めっさしぶい)休憩を兼ね皆で地図を開き、城ちゃん、おタッキーが偵察に向かう。やがて城ちゃんが南稜の取り付きを確認!栄養を補給し南稜に取り付く。(南稜へは、中央稜の末端基部を南稜西斜面の赤テープに向かって大ギャップからのルンゼをトラバースする)明瞭な道を一気に登りきると約40分で第二高点に到達する。 11:20、快晴!アルプスの眺めが最高で、気分は上々だ。(噂通り1m程の鉄剣が立っていた) (第二高点) 核心は此処迄で、後は6合石室迄ルンルンのはずだったが、以外に体力は消耗しており、アップダウンの連続で足が重い。しかも、途中二匹の熊の足跡を発見し、チビってしまいそうになる。何だかんだ言いながら13:30、6合石室に到着、水場を探しに行くが良く分からない。「水場へ行く道発見!」偵察に出ていた私の耳にもその声は届き、幕営の準備と水汲みの準備にかかった。しかし実際には僕の早とちりで水は涸れて無かったのである。ちゃんと確認しなかった僕のの責任であり反省している。仕方ないので、本谷まで下る事にする14:30。七丈滝尾根はテープもあり整備はされているが、急降で地形的に悪い箇所が幾つかある。雪が付くとかなり嫌らしい下降となるだろう。16:30、本谷に到着、すぐ近くにテン場が見つかり、迷わずテントを張る。焚き火を囲んで最後の宴会だ!めっさいい気分になって来たその時!ぽとっ・・・「お〜おわ〜お〜えらいこっちゃ〜」何と、たっさんのバンダナが丸焼き状態になっているではないか!!正月のかるた大会を思わせる早業でたっさんの手が伸びた・・・「熱っ!あたあちゃ」!結果はお手つきである。所々焼けて解けているバンダナを頭にかぶり、「まだ使える大丈夫や」と笑っている姿を見て、何故か心和む3人であった。 (七丈滝尾根にて) (赤河原のテン場にて) (毎度!橘です) (赤河原にて) 11月25日(日)快晴。5:30起床。日本そばを詰め込み早々に出発。6:30、赤河原出合9:20、戸台駐車場着。長谷村で鋸岳の見える温泉(500円)につかり、駒ヶ根駅前でソースカツ丼(900円)を食べ、18:00神戸着。 増富鉱泉経由で錦繍の渓谷沿いを里宮平へ、ここへ車を置く。50分位の急登でB.Cの富士見平へ着く。途中、樹々の間より瑞牆山の岩峰群が望め、すっきりした壁は、登行欲をそそります。B.Cより2時間余りで瑞牆山の山頂に着く。2000メートル位より積雪を見た。頂上から雪を纏った富士山を間近に見て感動しました。B.Cでは落葉松、岳樺の混ざった林の中で、富士山を見ながら寝るのは最高の快です。 から松の 落葉のしとね 寝静まりけり 翌朝7時30分、金峰山へと発つ。大日岩までは、シラビソ、落葉松の中を気持ちよく登る。大日岩は岩を登るには、大変すっきりしていて樹木一本ない。スケールも3、4ピッチ位で、振り向けば富士山が見えています。千代の吹き上げより頂上までは岩稜で積雪もあり、部分的にクラストしている。冬は結構緊張するでしょう。 途中クラブ「壁稜」の人と会い雑談する。近年ヨーロッパの3大北壁を完登したそうです。やがて頂上近くの五丈岩です。3ピッチ程ありそうです。多分登られているでしょう。岩稜は展望全開で、特に富士山は素晴らしい。快晴に恵まれて岩と雪と紅葉の2日間の山旅でした。 コースタイム 里宮平ー(50分)-富士見平-(2時間)-瑞牆山 富士見平-(3時間30分)-金峰山 Home > 山行報告 > H13年秋 鋸岳 |