越後駒ヶ岳 山スキー
- 山行日
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- 山域、ルート
- 越後駒ヶ岳
- 活動内容
- 山スキー
- メンバー
- CL金田 晏、宇塚有友(友人)
越後駒ヶ岳 山スキー 山行記録
4月20日(土) 天候 晴 気温高し
早朝3時,友人と車で宇都宮を出発。奥日光金精道路が冬期閉鎖のため赤城山の北面を通って沼田ICより関越自動車道にのり小出IC6時到着。周辺のスキー場はすっかり雪も消え木々の新緑はすでに初夏の風情。
R352に出て湯之谷村下折立より奥只見シルバーライン(全線の80%がトンネル,通行料無料)を通って登山口の銀山平に6時40分に到着する。銀山平(759m)は1m余りの積雪で一面の銀世界,目指す駒ガ岳のルートがよく見え,山頂との標高差は1200m余り。
石抱橋(770m)に駐車し身支度を整えて7時30分出発。北ノ又川の左岸の平坦な林道をスキーで行く,荒沢岳(1968,7m)をバックに北ノ又川の清流と柳の新緑が美しい。骨投(コツナギ)沢を渡って(小橋あり)開けた柳沢出会(820m)に8時30分到着。道行山(1298m)への取り付き点で先行者のシュプールが右岸の段丘に付いている。
スキーアイゼンを着けてシュプールを追って出会から2本目の主稜線から派生している支尾根に取り付き傾斜の緩い広い主尾根に出る。雪解けが進んでブッシュが目立つ。道行山直下の急斜面は雪が消え樹林の中をシートラーゲンで登り広々とした道行山に10時20分に到着。
ここからの展望はよく小倉山(1378m)から駒ノ小屋までのルートが良く見え,山頂にかけて山スキーヤーにとっては涎の出そうなオイシイ斜面が広がっている。天気は良いしザックの重みも忘れて登高意欲が高まってくる。小倉山へは小さな登下降を経て山頂部は南東斜面を巻き雪庇を切って百草ノ池へ続く尾根上に出る。
百草ノ池(雪の下)付近で先行していた4人組のテレマーカーパーテイを追い越し1763mピークに12時35分に到着,大休止して腹を満たす。眼前には駒ノ小屋直下の狭い急斜面が立ちはだかる。標高差140m,斜度35~38度,左右は急峻な谷に切れ落ちていて本ルートで一番緊張する所(滑降時)だ。急斜面の基部からシートラーゲンで登り,上がりきった台地に駒ノ小屋(1880m)は半分以上雪に埋もれて建っていた。13時30分到着。
昨夏立て替えられた2階建ての木造の立派な小屋だ。ステンレス製の梯子で2階の入り口から備え付けのスリッパに履き替えて中へ入る。床は檜張りで押入には銀マットと毛布も完備されている。
友人は疲れたのかシュラフにもぐって寝てしまった。14時15分ひとりで山頂へ向かう。山頂から小屋まで広い1枚バーンが広がる。シールで一気に登り14時30分越後駒ガ岳(2002,7m)の山頂に立つ。
360度の展望が広がる。雪解けの熊笹の葉擦れの音と鶯の鳴き声を聞きながら暖かい午後の陽光を浴びて噛みしめるようにゆっくり山々の展望を楽しむ。守門岳,浅草岳は標高1500m余りと低いが山容がなだらかなのか未だたっぷりと雪を懐いている。西には眼下に見える水無川源流の深い峪を隔てて八海山の黒々とした岩稜が間近に見え,中ノ岳,兎岳,平ケ岳へと続く主稜線が南へ遙かに続いている。1時間は山々を眺めていたろうか,シールもだいぶ乾いたので小屋まであっというまに滑り下る。
小屋には地元長岡から来たという40歳代の男性登山者が一人登ってきていた。友人の宇塚氏は一眠りして恢復したのか夕景をカメラに収めると言うので頂上まで行こうと促す。彼は時々「岳人」から依頼されて山の写真を提供しているセミプロの腕前の持ち主である。
頂上では飛ばなかった携帯電話だが小屋の入り口にある高さ10mぐらいの鉄塔のためか自宅と古賀会長へ通じる。2回目の頂上からの滑りを楽しむため宇塚氏と共に再度登る。頂上から北西に落ち込む尾根上にある。
1923mピークとのコルまで宇塚氏の写真モデルになって滑ったりして駒ガ岳に遊ばせて貰い17時小屋に帰着する。夕食18時30分修了,19時30分就寝。
4月21日(日)天候 曇り午後より雨
4時50分起床,外に出ると暖かく雪面も凍っていない。厚い雲が空一面を覆っているが遠くの山も見渡せ視界は良好だ。6時長岡の登山者の下山を見送り,小屋の掃除と戸締めをして7時40分小屋を出る。重荷を背負って滑る前にウオーミングアップのためザックをデポし山頂まで登る。
8時山頂より滑降開始,滑りも体調もGood!!だ。ザックを背負って小屋直下の急斜面はスピードコントロールして慎重に滑る。1763mピークを越すと快適斜面の連続で山スキーバンザイ!!と叫びたくなる。小倉山は巻かずにシートラーゲンで頂に登る。道行山の稜線に何パーテイも登ってくるのが見える。滑り出しは70度の雪庇下の雪壁に飛び込む,身体も自然に反応してうまくターン出来て広い斜面に出て快適に滑る。狭くなった稜線の小ピークのアップダウンを経て道行山に9時10分着,宇塚氏を待って小休止。
雪の消える急斜面の上まで横滑りで下って板を脱いで少し夏道を下り再び板を履いて支尾根に滑り込み疎林の斜面を一気に滑り下って柳沢出会に9時50分着。今朝先に小屋を出た登山者が河原で顔を洗いながら「早いですね,この辺で追いつかれると思っていました」と声をかけてくれる。林道をゆっくり滑って10時35分石抱橋帰着,友人と握手を交わして登山終了。
記 金田晏