北海道パウダースキートレーニング(旭岳スキー場&ニセコ)

山行日
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山域、ルート
北海道パウダースキートレーニング(旭岳スキー場&ニセコ)
活動内容
山スキー
メンバー
金田 晏(記)

北海道パウダースキートレーニング(旭岳スキー場&ニセコ)

1/21(金)

福島空港より午前の便でフライトし札幌のホテルに12時にチェックイン(ホテルのサービス)早速明日からの旭岳行きのパッキングを済ませ地下鉄で20分の藻岩山市民スキー場へ足慣らしに 夜8時まで滑る。時折雪が舞うなか,藻岩山山頂らの北の都の夜景は宝石のようであった。

1/22(土)

8時30分友人の車に5名で札幌を出発。凍てつく高速道路を平気な顔でぶっ飛ばして旭岳ロープウエイの山麓駅(標高1100m)に11時30分到着。現地で3名加わって総勢8名と賑やかになる。先ほどまで強風でロープウエイはストップしていて動き出したばかりなのでボーダーの長蛇の列だ。20分間隔の運行なので待ち時間の間に山麓駅の食堂で昼食にする。

山頂駅のすがたみ(標高1600m)では-19℃の表示,風があれば体感気温は-25℃以上になるだろう。女性はみんなフェイスマスクを付けてロープウエイに乗る。言うまでもないがゲレンデ外のオフピステや山を滑る者はビーコン.シャベル.プローブ(ゾンデ棒)を装備するのが常識だが,悲しいかな我がKACのOBで山スキーを志す者のなかには全くそれを装備する意識が無い者がいるのである。万が一そのパーティの一人が雪崩に埋没したらどうして救出するのか,ガスの中でビーコンもシャベルもなくどうして救出するのか,15分以内に掘り出し人工呼吸等救急救命処置をすれば一命を落とさずに済むかも知れないのに装備がなければ南無阿弥陀仏である。自分の命も人の命もそのパーティに参加する者全員で守らなければならないのである。

山頂駅に着くと強い風が吹き付けていて旭岳は雲隠れ,バリバリ,カリカリのゲレンデコースから盤の沢の上部斜面にトラバースして滑る。期待したパウダーはなく風で圧雪されて少し重い雪で滑りづらい。中間部の樹林帯はパウダーで快適だったが斜度がないのが玉に瑕。4往復したが2週間ほど降雪が無いとかでイマイチの印象だった。宿泊は白樺荘、木の香もあたらしいユースホステルで掛け流しの温泉が冷え切った身体に一番のご馳走だ。夕食後は全員一部屋に集まって酒宴となり朝は顔を合わせたこともない他人の間柄だったのに酒量が増すと共に,いつのまにか旧知のごとく山の話しが弾み時の経つのも忘れるほどであった。

1/23(日)

9時ロープウエイで山頂駅へ。昨日同様の天気で旭岳は見えない。オフピステのノントラックの斜面を見つけて午前3本,午後2本滑り修了する。午後一時的に霧が晴れて旭岳が純白の全容を表す。勇駒荘で温泉に入って帰途につき19時札幌に帰着する。

1/25(火)

8時30分友人の車に9名で札幌を出発。大雪で札樽高速道が通行止めのため一般道を渋滞に巻き込まれながら成り行きに任せてラ.ポンテ(旧ニセコ国際モイワスキー場)に12時30分に到着。全員ビーコンを着装しリフトでモイワ山(839.1m)の直下まで上がり広い尾根を東(ニセコアンヌプリの方向)にラッセルし五色温泉方面との分岐付近から南面の谷芯めがけてノントラックの斜面を滑り降る。少し重いパウダーだが道産子は流石に上手い。男性はファットの板,女性はやや細いセミファットの板で蝶のように舞い降る。中でも今回のリーダーの女性の滑りはピカ一だ。パウダーを高速ターンで滑るのでパット!!立ち上る雪煙で一瞬姿が消える。ノントラックの斜面を3本ほど滑って15時30分に修了。宿泊先の昆布温泉郷の鯉川温泉旅館に投宿する。創業は100年前という古い旅館で,親切な番頭さんの出迎えをうけて早速掛け流しの温泉に冷えた身体を沈める。今日の日中の最低気温-8℃ 終日風雪

1/26(水)

雪降る中目覚ましの露天風呂に入り,7時30分より朝食,8時15分宿を出てアンヌプリスキー場へ。キャビンで上って更に上に行くリフトに乗ろうとしたが未だ除雪が出来ていないので動かせないとのことで足慣らしにゲレンデの端の未圧雪のバーンを一気に降る(標高差570m)。2本目は動き出したリフトで標高1150mまで上がりゲレンデトップを横切ってニセコアンヌプリ南峰(1290m)から南面に広がる大沢にトラバースしオフピステの斜面を滑る。午後も風雪止まずアンヌプリの山頂からの滑降はあきらめてリフト最高点からオフピステのノントラックのパウダー斜面を滑る。今日は7往復標高差にして5000mを超える滑りにみんな満足顔で15時20分修了,宿へ帰る。日中の最低気温-12℃ 終日風雪

1/27(木)

今朝も雪の露天風呂に入って8時20分宿を出てアンヌプリスキー場へ。リーダーから「山頂へ行けるチャンスがあれば登りますので,皆さん全山共通8時間券を買って下さい」とやる気十分だ。つまり山頂に一番近いところまで上がるリフトを使うには共通券が必要だと言うこと。ところがお天気は彼女の意志に反して高所リフトを停止させるほどの荒れ模様。リフト山頂駅には午前8時の「なだれ情報41号」が張り出され,それによると山頂西側の吹きだまり斜面からの雪崩の危険が高まっていると指摘している。私は山頂からの滑降は駄目だと判断して彼女がどんな判断をするか注目していたが,全員のビーコンチェックを済ませてやはり同じ判断を下した。

積雪も更に増し腰から臍ぐらいのパウダーに慎重を期して一人ずつ滑る。ファットスキーはその真価を発揮して雪上に浮き上がって滑る滑る!! 身体も気持ちも攻めの姿勢で前向きでないと遅れて転倒してしまう。臍まで潜るパウダーの中で転倒すると立ち上がるのが大変である。午前4本,午後2本オフピステのノートラックの斜面を滑って14時30分修了。宿に戻って温泉に入り3日間の滑りでパンパンになった太股のストレッチをして疲れを癒し帰路に着く。道中北海道の山スキーの情報を皆さんから教えてもらいながら19時札幌に帰着する。

昨年のニセコは雪不足でがっかりしたが,今冬は3日間パウダーの深雪を堪能できた。山頂からの滑降が出来なかったのは非常に残念だったが,新たに山スキー仲間の輪が広がり,私の深雪滑りも彼女のアドバイスで上達した?と思う。道産子はやはりスキーが上手い。しかし私はスキーヤーのようにゲレンデを格好良く滑ろうとは思わないしゲレンデだけのスキーなら滑らないし山歩きをしてたほうがまだ良い。決してゲレンデスキーを毛嫌いしているのではなく,スキーの醍醐味は自然なままの広大な斜面を登り山頂からの圧倒的な標高差を滑り降りる事にあるのではないだろうか。

またの再会を約して皆さんと別れ,北海道の深雪パウダートレーニングの8日間の充実した旅を終える。