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十勝岳周辺山スキー行

 2008.02.12〜18     金田  晏

 札幌をベースに山スキーツアーに参加する予定だったが催行中止になったので急遽、上富良野町の白銀荘をベースにして十勝、富良野岳、三段山周辺で山スキーを楽しむことにした。

2月12日(火) 福島空港19:15発の便で新千歳、札幌経由で旭川駅に23:20着。雪降る中駅から3分の宿泊先のホテルへ、夜中の旭川の寒さはハンパじゃなかった。

2月13日(水) 風雪 最低気温-16℃(白銀荘)
 1輌でワンマンカーの富良野線で上富良野駅11:22着。駅から雪道を歩いてスーパーへ、1週間分の食料を買っていると富良野在住の友人が来てくれ段ボール箱に詰め込んだ食料と共に友人のマイカーで白銀荘へ11:50着。「足慣らしにちょっと上まで登りませんか?」という友人の誘いに大急ぎで装備を整えて12:40白銀荘(1017m)を発って三段山へ。降りしきる雪の中を樹林を切り開いた平坦地から三段山から北西に延びる尾根上に出る(一段目1150m)。蝦夷黒松や赤松の平坦な樹林帯をラッセル、やがて木立もまばらになって二段目への斜面の登りになる。風当たりも強くなり雪面もしまってラッセルが楽になり二段目(1300m)の広い無木立の台地へ出る。ハイ松地帯だが今は一面の雪原で天気がよければ三段山への大斜面が見えるのだが一面のガスで視界ゼロだ。今日はここまでにして少し下って風を避けてシールを外し深雪の斜面に飛び込むが緩斜面では積雪が多すぎて板が浮いてこず下りラッセルになる。西の谷を下って14:30白銀荘に帰着。
友人とティータイムを楽しんで明日も共に滑ることにして別れ、たっぷり時間があるので夕食の下ごしらえをしてからゆっくり露天風呂に入る。
  
2月14日(木) 風雪 最低気温-15℃
 10時ごろ友人が来たので相談の結果、天気が良くないが富良野岳のジャイアント尾根の森林限界まで行くことにして10:30白銀荘を出る。車でバーデンかみふら(上富良野町から白銀荘への道程の途中にある宿泊施設)迄戻ってパーキングし、板を履いて町道を少し下って三峰山沢の砂防ダムで板を脱いで渡渉し富良野岳北尾根の標高1000mラインをほぼ水平に尾根を回りこんで北尾根とジャイアント尾根の間に深く切れ込んだベベルイ川の谷芯に下りジャイアント尾根に取り付く。ラッセルが深いので森林限界の手前1300mで11:50、シールを外して下ることにする。下りは緩斜面では雪が深すぎて滑らず急斜面でパウダースノーの滑りに酔う。12:50白銀荘に帰着。食堂にて友人と昼食、休憩後風呂に行く友人と別れてもうひと滑りすべく、ひとり黙々とラッセルをして三段山の一段目まで登り一汗かいて16:00白銀荘に帰着、露天風呂にて汗を流す。

2月15日(金) 雪 最低気温-11℃
 今日は風も少しおさまって来たので三段山を滑ろうと一昨日知り合った首都圏から来た若者を誘って三段山をめざす。
なぜか?ぐずぐずしている若者を尻目に先陣を切ってラッセルをして登る。昨日のラッセル跡もすっかり消えて交代しながら登るも若者は直ぐ交代してほしい雰囲気で二段目でギブアップする。風は無いがホワイトアウト状態だったので一緒に下ることにする。深雪スキーに慣れていないのか転倒多く下りも時間を要す。昼食後再度一人で二段目まで登り西の谷を滑って15:07
白銀荘に帰着。白銀荘も週末になると宿泊客も増え外国からの観光客もいて賑やかで楽しい夕食となる。

2月16日(土) 風も無く時折薄日も洩れる 最低気温-8℃
 白銀荘の管理人さんが「昨夜は雪が降ってないから今日は雪が締っていい滑りが出来ますよ」とアドバイスをくれたので一昨日行って消化不良気味だったジャイアント尾根(G尾根)に再度行くことにする。車が無いのでバーデンかみふらまで50分ぐらい歩いてゆかねばならないので早めに朝食をしていると、札幌から来た二人ずれの女性からG尾根を滑ったことが無いので同行させてくれませんかと云われ、車に同乗させてもらことになり助かる。9:00白銀荘を出発、砂防ダムで先行5人パーティが渡渉点を探すのにもたつき我々が先行ラッセルする羽目になる。一昨日のラッセル跡は跡形も無くすっかり埋まりがっかりするが彼女達も積極的にラッセルしてくれたので助かった。G尾根の核心部の斜面辺りから下層の雪も締りラッセルも楽になり森林限界を超える標高1450m(11:50)で雪面がクラフトしてきたのでスキーアイゼンを持たない彼女達の安全のため下ることにする。彼女達もこんな上まで登れるなんて思ってもいなかったと感激し喜んでくれる。下りも一昨日とは段違いで緩斜面でも自在にシュプールが描け、急斜面は落ちてゆくような感じがたまらない。彼女達も歓喜の声を上げながら滑り下りてくる。雪質がよくパーティの足並みがそろうと山スキーはほんとうに楽しいものだ。13:30白銀荘帰着。

2月17日(日) 風雪 最低気温−15℃
 天気がよくないが前十勝の行けるところまで行こうとシールを張っていると友人が友達を連れてやってきたので3人で前十勝のシュナイダースロープを滑ることにする。白銀荘9:30出発、千春沢を滑るパーティのラッセル跡を途中まで辿り前十勝への尾根に取り付く。標高1200m付近より完全にホワイトアウトの世界になる。地図にある右手の深い沢に気をつけて左寄りをに登るよう意識しながら登る。ラッセルは股下ぐらいまでもぐるところもあるのに板が岩に当たるのにはがっかり。かなり大きな岩が在る斜面のようだ。標高1600m付近で硫黄の匂いがし大正火口よりにより過ぎたようなので右にトラバース気味に下るもルートが判らず登路のラッセル跡を忠実に下ることにする。ホワイトアウトで斜度が読めないので思い切った滑りができないのが悔しい。それと案の定隠れ岩の上を滑ってしまい滑走面が傷だらけになってしまう。15:00白銀荘帰着。

2月18日(月) 雪のち一時晴れ 最低気温−10℃
 ゆっくり朝の露天風呂に入って10:42発の町営バスで白銀荘を後にする。
入山以来始めて燦々と輝く太陽を見たが十勝岳連峰の頂稜は厚い雲の中でついに眺める事が出来なかった。
しかし素晴らしいパウダースノーといろいろな人々との新しい出会いがあったことに生きていることの喜びを感謝した山行であった。  



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