第62回富士登山競争

2009年7月24日  メンバー竹内


前日は曇り、富士山は見えない。三島からのバスで一緒だった関西のランナーに道案内をしてもらう。浅間神社で完走祈願してから受付会場へ向かう。スタート地点の富士吉田市役所付近は気温20度くらいで、曇っているが近くの山は見えている。会場備え付けのパソコンで明日の富士山頂の天気予報を見ると80%雨だった。

7月24日

4時に起床すると、けっこう強く雨が降っている。今日は50歳の誕生日だ。朝食を済ませて、5時半に傘をさして会場へ向かう。雨も上がり、スタートで整列していると「頂上付近は土砂降りで強風のため、ゴールを山頂から五合目に変更する」とのアナウンスがある。

六合目以降を考えて着用した長袖が暑くなりそうだ。水ボトルも必要ないので、近くで見送ってくれる師匠に預ける。山頂から変更された五合目ゴールの制限時間は2:20なので、とにかく五合目完走をめざすことにする。(本来の五合目コースの制限時間は3:30)

午前7時にスタート。とても混雑しておりスタートラインの通過に37秒かかる。いきなり結構な傾斜でずっと登りだ。昨日、完走祈願した浅間神社で給水を取る。距離表示がないのでペースが分からないが速いペースで進んでいる。コースの道幅は広くなく、前後左右ともランナーが多い。間隔がせまいので気が抜けない。大きなリュックを背負って走るランナーもいる。

0:37

ようやく中の茶屋の給水に着く。ほぼ予定どおりだが、この距離ですでに疲労を感じる。ここから馬返しまでが勝負どころと聞いていたので休まずに走る。2週間前の練習で痛めていた脹脛と大腿四頭筋が張ってくるのを感じすこし不安だ。

1:01

馬返しに着く。地図から見て馬返しの直前は九十九折の急坂と思っていたが同じような傾斜のまま到着した。ここでしっかり給水を取り、脚のストレッチをするが、脹脛がますます悪化してつりそうになる。最悪の状態だ。

馬返しからはトレイルに入る。同じ傾斜が続くロードよりは変化に富んでいて、気分的にずいぶん楽だ。コースの両脇が筒状の斜面で中央には水が溜まっている。走れるコースは狭いが、徐々に前のランナーを抜けるようになってきた。二桁台のナンバー(前回完走者)つけたランナーを見つけたので、ペースメーカーに見立て走ることにした。さすがに安定した着実な走りをしている。遅れないようについて走る。

1:25

三合目の給水につく。つりそうなる脹脛をだましだまし登るので、脚は辛いがあと30分で富士山登山競争が終わると、思うともったいない気がする。ああ、もう終わりかという気分だ。五合目が近くなりスタッフの応援が多くなる。

しばらく登ると廃屋となった山小屋が見えてきた。これは30年近く前の学生時代の2月、なぜだか単独登山した際にビバークした廃屋だ。ひょとしたらあるかな思っていたが、本当にあるとは驚いた。しかも当時とほとんど変わっていない。寒くてほとんど仮眠できず、とてもカビ臭かったのを思い出した。

五合目直前の舗装路に出るところで、スペシャルナンバー(昨年の山頂コース表彰者)をつけた女子を抜く。山道が狭いので「抜く」というより「かわす」という感じか。 あとで昨年の表彰タイムを確認すれば目安になりそうだ。「ガンバレ、ガンバレ、もう少し」とますます応援が増えて、ヒートアップする。応援に励まされ周りのランナーもラストスパートしている。私も遅れないようにもうひと頑張りすると、あっけなく五合目のゴールに着いてしまった。

1:55

五合目ゴール。「ああ、もう終わったか」というのが実感だ。ここから頂上を見上げるとガスも上がり始め、天候も回復しつつあるように感じる。ラン友を見つけて完走をたたえあい記念撮影をしていると山梨テレビがインタビューしていた。混雑の中、ようやく自分の荷物を見つけて、応援のNさんに車でスタート地点まで送ってもらう。大会のバスは長蛇の列だ。スバルラインを車で降りていると、走って降りているランナーがいる。今日の走行距離が足らない分の練習をしているのだろうか。

スタート会場につき、完走Tシャツをもらい行くが、「渡せない」とのことだった。設定された制限時間内に完走したのだから、当然もらえると思っていたので、皆で理由を確認する。「せっかくのTシャツが無駄になるのでは」など、いろいろ言うがだめだった。予想より完走者が多くて足らないことも理由らしいが「山頂まで完走していないので渡せない」との事だった。

仕方ないので初参加のKさんと一緒に、市販の富士山登山競争Tシャツをお土産に買う。これでも買わないと、参加賞だけでは帰れない気分だ。大会のホームページで「完走者に渡されるオリジナルTシャツ」のロゴ部分を良く見ると「I conquered the mountain!」と書いてある。確かに山頂を踏んでいないので、このTシャツを着ることは出来ないかも、と無理やり納得させる。誰一人として着れない幻の完走Tシャツとなった。

ふりかえり

  • ○ 六甲山でのトレーニングが十分に有効と確認できたこと。
  • ○ 完走への目処が立った?こと。
  • ○ トレイルでのかわし方が分かったこと。六合目からの山登りはさらに得意?
  • × 2週間前のトレイル練習で痛めた脹脛が完治しておらず、レース中に痙攣した。山頂まで行けなかったかもしれないし、行けてもダメージが大きく後のレースに影響していたかも。レース前のコンディショニングに課題がある。