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北ア 槍ヶ岳・穂高縦走 2009年8月8〜12日 メンバー 崎間(単独) |
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槍ヶ岳山頂より西鎌尾根方面 |
飛騨乗越より槍ヶ岳 |
長谷川ピークから滝谷方面 |
穂高岳山荘のテン場 |
奥穂高岳山頂から槍ヶ岳方面 |
前穂高岳山頂より奥穂高岳(写真左)と涸沢岳(写真中央右) |
8月9日(曇りときどき雨) 上高地 6:55―(1時間24分)→8:19 徳沢 8:45―(1時間00分)→9:45 横尾 10:20―(1時間20分)→ 11:40 槍沢ロッヂ 12:00―(26分)→12:26 槍沢キャンプ場; 計4時間10分 前夜の22:00、新大阪発の高速バス「さわやか信州号」で出発し、9日の6:00に上高地着。バスの中で3時間くらい眠っただろうか。上高地は曇り空。朝食や身支度を終え、6:55に出発。変化の乏しい道を黙々と進み、横尾に9:45着。歩いている途中で雨が降り出した。横尾ではカラフルなカッパを着込んだ多くの登山者達が休憩を楽しんでいる。靴を脱ぎ、行動食を摂ったりタバコを吸ったりして30分ほどくつろいだ。 横尾から涸沢へ向かう人が多いようで、槍沢へ向かう登山者の数は比較的少ない。沢沿いの涼しい道を、小雨に降られながら進むと槍沢ロッヂに到着した。テントの受付を済ませ、ビールを1本買って、テン場へ向かう。ロッヂからテン場への上り坂が、この日一番急だった。 テン場にはテントが所狭しと軒を並べており、設営場所を探すのに難儀した。どうやら、島根県の高校山岳部たちが合同合宿を行っているらしい。ようやくテントを張ってから、ベーコンを焼きつつビールを飲んだ。そしてパスタを茹でて食べた。近くを散策したり文庫本を読んでいるうちに日が暮れ、雨が本降りになってきた。シュラフにもぐり、至近距離の高校生テントの会話を聞きつつ、眠りに付いた。 8月10日(雨のち晴れ) 槍沢キャンプ場 6:05―(1時間02分)→7:06 天狗原分岐手前 7:19―(1時間40分)→ 8:59 殺生ヒュッテ 9:24―(40分)→10:04 槍ヶ岳山荘 15:42―(30分)→16:12 槍ヶ岳 16:20―(20分)→16:40 槍ヶ岳山荘;計4時間12分 3:00に起床しフランスパンとベーコンの食事を摂った。雨がバタバタとフライシートを叩いており、テントから出る気がしない。うたた寝しながら天候の回復を待つ。5:30頃になると雨が弱くなったため、撤収して出発。歩き出すとまた雨が振ってきた。カッパを着て槍沢を登る。途中、2回ほど雪渓を横断した。雨に打たれて体が冷る。休憩もそこそこに歩き続け、3時間弱で殺生ヒュッテに到着。トイレを借り、行動食を摂る。そこからすぐに槍ヶ岳山荘に着いた。時刻は10:00。 雨足が強くなったので、槍ヶ岳山荘に入ってカップヌードルを買って食べる。ああ、温まる。小屋のテレビを見ていると、太平洋沖に台風が発生していた。兵庫県は大雨らしい。外は雨だし、全身びしょ濡れで寒い。槍ヶ岳はガスに覆われ、影も形も見えない。予定ではこの日のうちに南岳小屋まで行くつもりだったが、槍ヶ岳をスルーするのも気が引けたし、大雨の中歩くのも嫌だったので、ここに泊まって天候の様子をみることにした。受付を済ませ、テント設営。湯を沸かしてコーヒーを飲み、シュラフに包まり凍えた身体が回復するのを待った。 いつの間にか眠っていた。15:30、テントから顔を出すと、眼前に槍ヶ岳がそびえていた。こんなに近くにあったのか。雨は上がったようだ。登ろう。すでに多くの登山者達が、天候の回復に喜びながら槍の穂先に取り付いていた。頂きに続く行列を辛抱強く待ち、16:12、これまで何度も遠くから見ていた穂先に、初めて立った。ガスが流れていたが、展望は良好。あたりの山々が一望でき、爽快。時おり見える青空が美しい。混雑する山頂を後にし、山荘付近を散策しながら写真を撮った。小屋で水を買い、テントに戻り、夕食のレトルトカレーを食べた。ラジオで台風の様子を聞きつつ、眠った。 8月11日(晴れ) 槍ヶ岳山荘 4:30―(10分)→5:40 飛騨乗越 5:00―(58分)→5:58 中岳南側コル 6:10―(50分)→7:00 南岳小屋 7:34―(56分)→8:30 長谷川ピーク手前コル 8:40―(2時間03分)→ 10:43 北穂高岳 11:53―(1時間35分)→13:28 最低コル 13:48―(1時間07分)→14:55 涸沢岳 15:15―(15分)→15:30 穂高岳山荘; 計7時間54分 深夜1:00頃に目が覚めた。テントの外がやけに明るく、顔を出してみると月が煌々と光り、槍ヶ岳に影をつくっていた。雲ひとつない星空が足元から上空まで広がる。まるで宇宙にいるみたいだ。写真に写そうと試みるが、三脚を持っていないし、夜景の撮り方を勉強していないので失敗に終わった。タバコを吸いながらしばらく月夜を楽み、再び眠った。 3:00起床。昨日炊いた米で雑炊をつくり朝食とした。4:30出発。晴れ。食料を消費し、少し軽くなったザックを背負い、大キレットに向かう。中岳を過ぎたコルで休憩しているとき、ねずみのような、かわいい小動物を見た。オコジョだ。ぴょんぴょんと軽快に飛び跳ねてどこかへ行ってしまった。日差しが強く、昨日の寒さが嘘のように暑い。常念岳を左に見ながら歩き、南岳小屋に着く。大キレットに入る前に少しでもザックを軽くするため、持っている水を1リットルだけ残して全部捨てた。 一服二服した後、前進。いきなり急な下りだ。このあたり一体に大量発生している、蜂のような虻のような虫の中、緊張して長いハシゴを下る。激しい起伏に太陽が影をつくり、南に続く尾根の起伏がいっそう激しく見える。途中、スラリとした60代と思われる単独の女性とすれ違い、挨拶を交わした。今日のルートは、昨日までと違い人が少ないので、数秒の出会いがうれしい。 ペンキのマークをたどり、夢中で進む。クサリが所々設置してあるが、ほとんどは使わなくても大丈夫だった。怖いなあ、と感じたところは長谷川ピーク周辺。三角柱が倒れたような岩の上を歩かざるを得ず、見晴らしも良く、落ちたくないなとヒシヒシと感じた。そんな場所を越えると、北穂高への登りとなった。岩に描かれているペンキの矢印どおりに、ひたすら登る。ザックの重みが身体にこたえる。1時間ほど我慢して登り続けると、ようやく北穂高岳に辿り着いた。やれやれ。山荘でジュースを買って一気にごくごくと飲み、山頂で大休止。昼食を摂った。大キレットを眺めたかったが、ガスのためほとんど展望なし。 12:00頃、穂高岳山荘に向けて出発。岩場がもう少し続く。途中、道を間違えて、涸沢に下る尾根をしばらく進んでしまい、引き返す。ガスが湧いたり消えたりしている。涸沢岳の岩場は、大キレットとさほど変わらない。いくつかのアップダウンの後、涸沢岳に到着。ここには、高校2年のとき、登山部の夏合宿で来たことがある。あれから13年と思うと感慨深い。物思いにふけりながら山頂を後にし、穂高岳山荘に15:30到着。長い行程だった。 穂高岳山荘はさすがに人が多い。テントはどこに立てても良いとのことなので、ヘリポートの隅っこに張らせてもらった。ガスは晴れた。眺めが素晴らしい。昨日の雨で濡れたテントがどんどん乾いていく。シュラフとマットも乾かした。夕食はラーメンとサラミ、ビールなど。日が暮れると、くらげのような雲が雲海となって、夕日に照らされピンク色になっていた。文庫本を読みながら就寝。今日も星が綺麗だ。 8月12日(晴れ) 穂高岳山荘 5:43―(37分)→6:20 奥穂高岳 6:35―(1時間09分)→7:44 紀美子平 7:51―(20分)→8:15 前穂高岳 9:09―(25分)→9:34 紀美子平 9:48―(1時間46分)→11:34 岳沢ヒュッテ跡 12:08―(1時間47分)→13:55 上高地; 計6時間16分 最終日の夜が明け、名残り惜しい気持ちになる。朝食はパスタとスープ。食料がだいぶ減り、ザックのスペースにゆとりが出てきた。しかしまだ丸3日は食べていけそうな量が残っている。思ったより食欲がなかったようだ。テントを撤収し、穂高岳へ向かう。青い空がすがしい。朝一番の登りはしんどいなあ、と思いつつ奥穂高岳に到着。ここも13年ぶりだ。前来たときはガスで展望はなかった。今回は、東西南北すべて見渡せる。北には昨日の朝出発した槍ヶ岳が見える。一日かけてあそこから歩いてきたんだと思うと、遠かったような近かったような、不思議な気持ちになる。西穂高岳へ続く尾根にはジャンダルムがどかんとカッコ良くそびえ立っている。そのうち登ってみたい。 休憩を終え、前穂高岳に向かう。所々急な場所があるが、サクサクと歩ける快適な道を進み、紀美子平に到着。ザックを下ろし、カメラと水だけ持って前穂の山頂へ。両手を使う岩場の道だが、ザックがないので身も心も軽い。山頂は広く、穂高と上高地の展望がすばらしい。山頂の南側は風が強かったので、北の斜面でしばらくのんびり過ごした。今回最後のピーク、気持ち良く過ごせる天候で良かった。感謝。 さて、下山開始。下りは、登ってくる人とのすれ違いが多く、登りよりも時間がかかった。紀美子平でザックを背負い、岳沢に向かう。急な斜面だ。浮石も多い。雨だったらたぶん何回か転んでいただろう。クサリ場、ロープ場、ハシゴを越え、延々と2時間弱下り、やっと岳沢ヒュッテ跡に着いた。小屋があったらしいが、建設物は綺麗になくなり基礎のみが残され、山城跡みたいになってる。 上高地を目指して黙々と下る。下りはどうも疲労がたまる。気温も徐々に高くなってくる。途中、天然クーラーという場所があり、岩の切れ目からとても冷たい風が吹き出ていて、その風を浴びると気持ち良かった。岳沢から1.5時間程で登山口に到着し、一安心。そこから観光客に混じって、みすぼらしい格好の自分に引け目を感じながらバスターミナルへ向う。バスターミナルで一息ついて3分シャワーを浴び、松本行きのバスに乗った。 |
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