大山 八合尾根 厳冬期アルパインクライミング

2010年02月08日     山吉  橘(記)

最近、大山の魅力に取り付かれてしまった。「大山」文字通り大きな山だ。どっしりとして、しかも単純でない。青ちゃん夫妻が八合尾根に行くという事で、お邪魔させてもらう。

前日ばらばらに神戸を出発。私は午後9時に家を出て快調に中国道と米子道を飛ばし大山寺へは午後11時過ぎに到着。しかし橋のそばの駐車場まであと200mという地点でアイスバーンにハンドルをとられ車がスピンし270度回転し辛うじてガードレールにケツを当て、脱輪して止まる。さーこれは困ったと車を降りると自分も氷に足をとられひっくり返る。左の肩とあごをしこたま打ち、痛いと思う間もなく体が氷の滑り台を滑って落ちる。あとで聞くとそこはよく事故の起こる難所であるそうな。

しばらく待っても車も通らないし、塩カリもなく、車線を塞いで危ないので覚悟を決め右一杯で脱出を試みるが空転、今度は左に切ってアクセルを踏み増すとジワリと車が動き出した。(4WDで良かった)しかし喜ぶのも束の間、今度は車が横を向いたまま横滑り状態でどんどん下へ下りてゆく。下見で道路は傾斜がだんだん緩くなっているのが分かっていたのでどこかで止まるだろうと予測はしていたがかなりの恐怖感を味あわせて頂いた。駐車場まではそこから1分だった。 思えばこのスリップが今回のハイライトであった。(4年目のスタッドレス。チェーンなし。気温ー1度位)

さて翌朝、青ちゃんと合流し朝6時、目指す尾根へ出発する。元谷小屋7時着。そこから大山北壁の各尾根のレクチャーを受け、八合尾根目指してえん堤を5個ほど越えていく。やや急な斜面になった所でロープを出す。スタカットコンテで登る予定だったがいつの間にかスタカットになってしまったので打合せをやり直し3pほどスタカットコンテで登る。足並みが揃っているので早い。最後に傾斜を増した岩壁のようになってきたのでスタカットに変え、私がトップで登るが簡単なところを選んで登るとただの雪稜登りになってしまい、あっけなく夏道に出てしまう。

ここは左を巻いて高度感を楽しむべきだった。夏道合流9時30分頃。そこから夏道を登り、頂上小屋着11時頃。さすが大山は人気が高く、平日の月曜日でも沢山の登山者が登っている。天気も悪いので早々に六合避難小屋へと下りる。この小屋も賑やかい。昼飯後、また元谷小屋へと駆け下り、駐車場着13時30分頃。その後、岸本町で温泉(400円で安くて快適)により、家路に着く。

notes:

  • スタッドレスが万能でないことが良くわかった。特に0度前後の生暖かい気温状態で路面が最高にミラーバーンへと変身する。
  • 八合尾根はトレーニングに最適の尾根だ
  • コンテは息が合っていないと難しい
  • 次回は弥山尾根へ