朝里岳(1280.8)山スキーツアー
2011年1月22日(土) 金田 晏
雪崩レスキュー講習の予定だったが受講者が1名(私)になったので中止になり、急遽朝里岳に行くことになった。朝里岳は小樽市と札幌市との市境にある山で今回は札幌国際スキー場からアプローチした。メンバーはツアーガイド2名と参加者7名(ボード2名、山スキー5名)で11時ゴンドラ山頂駅(1099m)を出発。天気は小雪、視界不良の中なだらかな登りが続く。地図を見ると朝里岳の山頂一帯の地形は平坦で俗に「飛行場」と呼ばれているそうで雪や視界不良のときは方向判断に難渋する地形だ。今日は通称「朝里岳GTR」と呼ばれている尾根のパウダー斜面を楽しむツアーなので山頂には行かず頂上直下の東側斜面のモンスター上になった木の陰で腹ごしらえと滑降準備をしていると灰色の雲が薄くなり太陽が満月のように見えたかと思うとあっという間に真っ青な空が広がり劇的に太陽の光が辺りの光景を一変させた。
朝里岳GTR(グレートリッジ)から白井岳を眺望
好天を与えてくれた山の神様に感謝!!滑降地点の尾根のピークまで滑り下る。最初はツリーの斜面だ。積雪断面の弱層観察をして安全を確認し各自の滑降斜面を決めトップとラストはガイドが滑る決り。トランシーバーで一人ずつ支持をして順番にディープパウダーの急斜面にドロップイン!顔面に雪飛沫(しぶき)をあびながら爽快な滑りだ!!
再び尾根まで登り返して今の滑降地点より奥の光り輝く木立のない無垢の斜面上まで登り、弱層観察の大きなピットを掘り安全確認。各自5m間隔で横一列に並び滑降位置を決める。下を覗くが斜面が見えない!朝里岳沢の沢心に近い平らなボトムが見えるだけだ。ガイドがスタート!途中の滑っている姿は私の位置からは全く見えない。ボトムに滑り込んで初めて小さく見える。トランシーバーで2番手の私にOKの合図、滑り出した途端、斜面の全容が目に飛び込んでくる!ガイドのフォールラインは右方向に行っている!瞬間私は真っ直ぐ滑るぞ!と集中する。短いターンでラインを刻むがまるでスローモーションで滑っているように雪面が良く見え、しかも板に雪面の抵抗感が全く無い。まるで雲の中を落ちてゆくといった浮遊感を味わう。思わず「最高!!」と叫んでしまう。最後にガイドがボードで滑ったがそのスプレーの大きさにはびっくり!!みんな感嘆の声を上げる。スキー板で高速回転してもボードのようなスプレーは発生しないだろう。腰まで沈む深雪を滑った余韻にひたりながら再度尾根までハイクアップし下山のため反対側の北東斜面(ツリー帯)を谷芯まで下り完全に雪で埋まっているところで谷を左岸に渡り急な雪面を階段登りやスノーシューで登り樹林帯を谷に沿って回り込むように滑りスキー場のボトムに出て15:30ツアーを終える。2週間前に会津駒のパウダーを滑ってとても軽いと感じたが、やはり北海道の雪の軽さは別格である。