上ホロカメットク山 積雪期アルパインクライミング

2011年4月12日      金田  晏


取付点よりカミホロ北西稜(写真中央岩峰のリッジ)

6時45分、十勝岳温泉凌雲閣の駐車場を出発。左右を崖尾根とD尾根に挟まれた谷筋を安政火口へと向かう。谷の段丘の高みに新設された火山監視カメラのレンズの先に盛んに噴煙を上げる安政火口が見えてきた。


安政火口一帯に噴気孔があり噴煙を上げている

8時、下降ルンゼの末端にスノーシューをデポして北西稜に取り付く。急斜面にアイゼンのツアッケが気持よく効き40年の時空を超えてアノ感覚が甦ってくる。リッジに出たところでアンザイレンして登る。リッジ上の岩峰はビレイを取って左を巻きガリーを直上してリッジに出る。


太陽光のあたっているリッジをたどって親指状の岩峰の右側のコルが登攀終了点

広いリッジをたどり急な雪壁を登って親指状の岩峰のある壁の基部に立つ。ビレイ用の残置ハーケンが2本あり、それを使わせてもらう。トップのガイドは岩壁基部の急な雪田をダブルアックスで巧みに下降トラバースして岩角を回り込み視界から消える。暫しの合間でOK!のコール、次いでミドルの女性が緊張の表情でトラバースし岩角に消える。


登攀終了点直下のガリーを登る私

次いでOK!コールでセルフビレーを解き岩角を回り込むとチムニー状の垂直のガリーでスクリューを回収しアイゼン、ピッケルを利して登り主稜線に出て登攀終了、10時30分。カミホロ山頂を経て最低コルから下降ルンゼを下り12時35分凌雲閣駐車場に下山。

40数年振りの氷雪壁の登攀は優れたガイドと良きパートナーのお陰で登れたことに感謝!である。

記  金田 晏