大山振子沢 山スキー
山行日 | 2013年3月11日 |
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山域、ルート | 大山 振子沢 |
山行形態 | 山スキー |
メンバー | Y山 |
大山振子沢 山スキー 山行記録
土日は休日出勤で真面目に働いたので本日有給取得。
気象庁発表の地上及び500hPa高層天気図をチェックすると本日は風も弱まり快晴になりそう。
ここ最近は4月中旬並みの陽気が続き、且つ今季は西日本の積雪が少なく、微妙ではあったが大山振子沢へ山スキーに行くことにした。
今回のルート↓
奥大山スキー場→鳥越峠→駒鳥避難小屋→天狗ヶ峰→振子沢(往路)滑降→鳥越峠→ドロップ→奥大山スキー場
早朝に自宅発。
奥大山スキー場駐車場に車を停め、06:30出発。
昨年に比べて明らかに積雪が少ないが、昨年とほぼ同じ場所からシール登高を開始できた。
緩やかな疎林帯を快調にハイクアップ。気温はマイナス10℃で、昨日寒冷前線が通過してから寒気が南下し、気温は平年値に戻った。
しかし空はどんより曇っており、風も疎林帯にも関わらず5~6m/sほどと少し強めだ。高気圧の張り出しが思ったよりも遅いのか・・・
鳥越峠手前で積雪がレインクラストだったので、先日の氷ノ山の二の舞にはなるまいと持参したクトーを装着。
クトーを効かせつつ、鳥越峠への急傾斜に取り付くもクトーだと滑落しそうになり、敢え無くツボ足で登高。クトーを持ってきた時に限って役に立たない・・・
積雪はいい感じに締まっており、アイゼン無しのツボ足登高でも全く問題なし。
鳥越峠のコルに上がると、昨年とは様相が全く違って、少ない積雪で藪藪状態。とてもコルからの滑降は無理なので、ツボ足のまま少し高度を下げる。
藪と傾斜がマシになったところでシールを剥がしてスキー滑降開始。
駒鳥避難小屋付近まで高度を下げていくが、積雪不足と最近の高温で沢割れしており、避難小屋手前でスキーを脱ぐ。
想像以上の積雪不足と沢割れでテンションが下がり、振子沢へ行くかどうか迷う・・・
せっかくココまで来たから、せめて振子沢出合まで行って状態を確認してみるかと思い、アイゼンに換装して移動。この辺りも積雪は締まっており、シール登高は不要だった。
振子沢出合手前から昨年は見られなかった沢が完全に出ており、ますますテンションが下がる。
振子沢出合直前で前方に突然スノーボーダーが現れる。小休止していたので追い付き話を聞くと鍵掛峠まで除雪されていたのでソコから06:00発でキリン峠の方から沢に滑降してきたとのこと。よく見ればスプリットボードだった。
お互い今日なら天候も良さそうだし、ギリギリ振子沢滑降できるかと思って来たものの、状態が悪く意気消沈で意気投合。キリン沢の方も岩が出ており、板を脱ぎながら下ってきたらしい。
出合から見たところ、振子沢は何とか沢割れは免れているように見えた。
スプリットボーダーは登高準備にまだ時間が掛かりそうなので、先行する。
最近の高温続きの為、側壁からの雪崩で沢芯にデブリが所々あり、且つ側壁にの雪壁にクラックが入っている箇所があって気味が悪い。
積雪は相変わらず締まっており、ツボ足アイゼン登高で快適に標高を稼げる。
Co1,200mあたりからはガスに包まれて視界が効かなくなってくる。
振子沢は稜線を見上げる景観が北アルプスのようで、それも楽しみに来たのに全く見られず、登高意欲がイマイチ湧かない。
引き返そうかなとも思いながら登高していると、ふと風が止んで静寂に包まれ、間もなくガスが切れ始める。
どうやら、ようやく高気圧勢力圏内に入ったようだ。視界が効き始め、北アルプスのような雄大な景色を見て一気にテンションアップ。
静寂の中、快調に登高していく。山の中、たった一人で無風の中静寂に包まれていると時間が止まったかのような錯覚に陥る。
後ろを振り返っても先程のスプリットボーダーの姿はない。
諦めて下山したのかな?と思いつつも雄大な景色を眺めながら稜線を目指す。
稜線が近くなると流石に風が吹き付け始める。日射により積雪が緩み、ツボ足だと若干潜るようになる。
喘ぎながら天狗ヶ峰のコルに到着。5~6m/sほどの風が日本海側から吹き付けているが、気温は0℃以上になっているようで余り寒くはない。
日本海側は集落も見られたが、東から南の方はCo1,500mあたりに雲海が広がっていた。
振子沢へ視線を移すとスプリットボーダーが登ってきているのが見えた。
天狗ヶ峰に登って剣ヶ峰を眺め、コルで小休止。トレイルミックスでカロリー補給し、滑降準備に取り掛かる。
天狗ヶ峰直下の北面は日射の角度が悪い為かガリガリのアイスバーンで滑落しそうでメチャ緊張した。登ってきていたスプリットボーダーの近くへ行き話をすると、彼はこの後剣ヶ峰へ登頂してから振子沢へドロップするとのこと。
スプリットボーダーと別れ、日射がいい角度で当たっている斜面へ移動すると適度に積雪が緩んでおり、快適に滑降を開始。
北側へ向いた斜面は積雪がクラストしているので南に面した斜面を中心に滑降していくが、斜面が凸凹に荒れており、積雪の緩み具合も中途半端で滑り辛い。
デブリ地帯は落石が混じっており、地雷を踏むと板が傷むのでスキーを脱いで通過。
振子沢の中程で小休止。無風状態で日差しが気持ち良く、昼寝をしたい気分だった。
スキー格好だとあっという間に駒鳥避難小屋付近へ戻ってきた。
アイゼンに換装し、鳥越峠への登高開始。気温が上がってきたのと、ガスが晴れた為、日射により積雪が緩み始めており、ツボ足だと時折足が潜り始める。
ツボ足ラッセルでコルを目指していくと、ツボ足トレースがあったので遠慮なく利用させて貰って鳥越峠到着。この辺りは霧氷が綺麗だった。
鳥越峠付近は藪がうるさい為、ツボ足のまま少し高度を下げてスキーへ換装。
いい具合に緩んだ積雪でツリーラン開始。
滑降を始めて直ぐに適度なザラメに感動!ザラメパウダーとでも言うべき快適な積雪で自由自在に滑降ラインを決められる。
樹林の密度と斜面の傾斜が絶妙で最高に楽しいツリーランとなった。