立山 山スキー
山行日 | 2013年11月23-24日 |
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山域、ルート | 立山 |
山行形態 | 山スキー |
メンバー | Y山 |
立山 山スキー 山行記録
福知山マラソンに参加予定だった11/23(土)は台風被害の為中止になり、例年通り立山での山スキー山行を計画。
1週間前から予想天気図をチェックし、天候が最も安定している日を選んだところ、ドンピシャで土日となった。
今回の山行計画↓
1日目:室堂→雷鳥平→剱御前小屋→剱沢→剱御前小屋→雷鳥平(幕営)
2日目:雷鳥平→室堂→一ノ越→雄山→雄山カール→室堂
前日の11/22(金)は悪天候の為、立山駅からのアルペンルートは終日運休となっていた。
初日は雷鳥平で幕営予定。
始発便で室堂に到着。
10:15予報通り移動性高気圧に覆われて快晴の中、早速幕営装備の重いザックを背負ってスキー歩行開始。
雪に覆われた"みくりが池"からの雄大な雄山を眺めつつ。
雷鳥平を見下ろす。
重いザックでのスキー滑降に苦労しつつ、雷鳥平に到着。
ここでメインザックをデポしてアタックザックで早々に剱沢へ向かうか、それともテント設営してからにするか、しばし逡巡。
とりあえずテント設営するかな・・・と思って準備していると、近くにいたパーティーが真砂岳方面を見て騒ぎ出した。
で、真砂岳の方を見やると、大規模な雪崩が発生!!
その直下には沢を登高中の数名の登山者が・・・
近くのパーティが「写真撮った方が・・・」と言っているのを聞き、我に返ってカメラを取り出す。
雪崩の写真で撮れたのは2枚のみ。デジカメのメモリーによると10:48のことだった。
とっさのことで、茫然としてしまい、写真を撮ることなんか思いも付かなかった。
2~3名が雪崩に巻き込まれたように見えた。
近くのパーティが「通報した方がいいかな?」「救助に行った方が・・・」と言っていたが、「既に上の山小屋から通報されているだろう」「2次災害を避ける為、部外者は現場に行かない方が・・・」と言っているのを聞いて、それもそうかと納得。
素人にはどうすることもできない。近く見えるが、現場に到着するまでには30分はかかるだろうし、2次災害に巻き込まれる危険性は非常に高い。
とりあえず、自分の安全を確保する為にも予定通りテントを設営。
設営を終え、予定通り剱沢へ向かう準備を整えていると、富山県警山岳警備隊員の方が「臨時のヘリポートを設営するので、手が空いている方は手伝ってください」との呼びかけが。
多数の登山者・スキーヤーが快く応じ、人海戦術で臨時ヘリポートを作成。
もちろん僕も参加した。
雪崩れた沢の上方を見やると、はっきりと破断面が見て取れた。
臨時ヘリポート設営もひと段落し、山岳警備隊員の方が「ありがとうございます。助かりました。」との一声で、臨時ヘリポートを後にし、自分の山行に戻ることにする。
剱御前小屋への登高を開始し、程無くヘリがやってきた。
雪崩れた斜面を見つつ、シール登高していく。
昨年同様、この沢が一番雪質が良い。
絶好のパウダースノーを滑走。調度背後から日光を浴びることもあり、ターンをする度に自分がスプレーを飛ばしながら滑走しているのがよく分かる。極上のパウダー滑走で剱沢小屋手前まで滑走。
雄大な剱岳を眺めつつの滑走終了。
稜線は10m/sほどの強風が吹き荒れている。
先程真砂岳直下で雪崩が発生したこともあり、できるだけ尾根筋を滑降していく。
雷鳥平のテン場が見えてきたところで雷鳥沢下部へ滑降。
自分のテントへ戻り、スノーアンカー、ピッケル、スキーを使用して耐風処置を強化。
幕営準備が万全に整ったところで、水作り開始。
テントの中でひたすら雪を溶かして水を作っていると、近くのテントから騒がしい声が聞こえてきた。
テント内で鍋でもひっくり返したかな?と思っていたが、様子がおかしい。テントから顔を出すと、先程滑走した雷鳥沢が雪崩れていた。できるだけ尾根筋を滑走したので、滑走したのは雪崩れた下部の一部ではあったが、雪崩に遭遇していたらヤバかった・・・
滑走した時間はほんの1時間前か?
水作りを終え、早めの夕食とする。
日没を迎え、しばらくすると雪崩れ救助のヘリも飛び去り、山岳警備隊員が雷鳥平のテン場で、明日も積雪が不安定な為、沢へは入らないように注意喚起していた。
移動性高気圧に覆われ、快晴無風の中、満点の星空で夜間は雄山の真上にオリオン座がハッキリと見て取れた。
翌未明、風が出始め、降雪の音で目が覚める。
どうも事前の予報とは違って快晴とはいかないようだ。
早朝5時過ぎに起床し、朝食の準備に取り掛かる。
準備を整え、テントを撤収し、雷鳥平初が06:57。
テン場からいきなりの急登でシール登高。雷鳥荘へ向けて登高中、下ってきた山岳警備隊員に本日の行動予定を聞かれ、沢へは入らないよう再度警告される。
室堂にメインザックをデポ。雄山山頂から沢滑降は雪崩の危険性が非常に高いと判断し、07:50予定を変更して室堂山へ向かう。
山岳警備隊員の警告もあってか、ほとんどの登山者及びスキーヤーは雄山方面へは向かわず室堂山へ向かっているようだった。
後続パーティも続々と室堂山方面へ向かっているのが見える。
先行する大人数パーティに追いつく。
どうもガイド付きパーティのようだ。10名以上の大パーティで、トレースもバッチリついて、ありがたくラッセル泥棒させていただく(笑)
標高2,500mを越えた辺りでガスに覆われ始め、視界不良となる。
先行パーティは、室堂山直前の平坦な地形で登高を中止し、滑走準備に入る。
視界不良の中、室堂山へ登頂しても仕方ないなぁと思い、先行パーティ同様登高を終了し、滑走準備をする。
滑走準備を整え、ガイドパーティは視界が回復するのを待つようなので、先行して滑走開始。
直下の道標が埋まっているのが見えるが、滑走斜面は全く見えず・・・
斜面の凹凸も全く見えず、滑走というよりも、ただの下山といった体で高度を下げていく。
こう視界が悪いと、トレースと登高してくる登山者の姿を頼りに滑降していくより他ない。
視界不良の立山を後にし、メインザックを回収し、下山の途に着いた。
視界不良も然ることながら、昨日と比較して2日目の雪質はかなり悪かった。
昨年も同様だったが、やはり積雪翌日の雪質が最高か。しかし天候が良いと、沢地形では雪崩る・・・