氷ノ山 山スキー

山行日2014年1月13日
山域、ルート氷ノ山
山行形態山スキー
メンバーY山

氷ノ山 山スキー 山行記録

2014年の山初めは雪山氷ノ山となった。
ルートは冬季バリエーションの流れ尾から登頂し、ネジレ谷をスキー滑降。
"氷ノ山国際スキー場→ゲレンデトップ→流れ尾→氷ノ山山頂→ネジレ谷→ゲレンデトップ→氷ノ山国際スキー場"

1月4日に計画していたが、年末年始の気象庁の大げさな予報に反し、寒波は大したことはなく、思ったよりも積雪量が増えなかった。
谷芯が埋まっていないことが予想された為、1月4日の山行は中止。昨年年明け早々に同じく氷ノ山の仙谷へ山スキーに行ったところ、沢割れで酷い目に逢ったし・・・

裏山六甲山に登ろうかとも思ったが、中途半端な積雪がありそうで、早朝は凍結、気温が上がるとトレイルは泥濘になりそうで、快適なトレイルランとはいかなそうだったんで結局はロードランばかりしていた。

で、1月13日当日の5日前の1月8日に低気圧が通過し、その後待望の冬型気圧配置が強まって日本海側は積雪量が大幅に増えた。
山行前日夜間より更に降雪があり、山行当日も降雪が続いてふかふかのパウダースノー♪

早朝に自宅を出発。
5時半頃スキー場駐車場着。準備を整えて6時過ぎにシール登高でアタック開始。

圧雪したゲレンデにも30cmほどの積雪があり、ゲレンデトップまで圧雪面以外の所でプチラッセル。
ゲレンデトップまで約1時間半かかった。
氷ノ山 山スキー IMGP1787

流れ尾への取り付きでは相変わらず雪庇が発達しており、キノコ雪を切り崩しての登攀に四苦八苦。
氷ノ山 山スキー IMGP1791

雪庇を乗越し、流れ尾に乗ると、しばらくは快適にスキーラッセル。

程なく急傾斜の岩場の登攀となり、スキーからアイゼンへ換装。シートラーゲンで登高していく。
昨年と違って積雪で岩がほとんど埋まっており、雪田の登攀となった。

岩場を越えると再び傾斜が落ちるが、大したラッセルでもないので暫くツボ足で進む。

降雪が続く中、激しいラッセルとなってきた為、再度スキーに換装。
急傾斜面をキックターンでジグを切りながらシール登高を続ける。

流れ尾の核心部、地形図に記載のあるゲジゲジの岩場手前の急傾斜面はシール登高に限界を感じ、再びツボ足に。
胸まで達する猛ラッセルに体力を大幅に消耗。ここまでのラッセルは久しぶりだ。
単独の為、ラッセル交代要員もおらず、頼れるのは自分自身のみ。他に登山者もいないし、昨夜からの積雪でトレースも全くなしでラッセル泥棒もできない。

教科書通りストックを両手で持ち、頭上の積雪を掻き落として膝で雪をある程度固めた後、ゆっくりと片足ずつ体を押し上げていく。行程は遅々として進まず、忍耐のラッセルとなった。

それでも僅かずつではあるが高度を上げ、斜度が緩んだ所でスキーに換装し、シール登高再開。ツボ足の後だとスキーラッセルの絶大な効果に感嘆する。ツボ足で胸に達する積雪でもスキーを履くと膝程度のラッセル。
ワカンやスノーシュー程度のラッセル能力とは比較にならないくらいの圧倒的なラッセル力。スキー様様だ。

核心部のゲジゲジ地帯も強引にキックターンで何とかスキーを履いたまま突破。
氷ノ山 山スキー IMGP1799

最後はスキーを担いでツボ足で急傾斜面を乗り切り、斜度が落ちたところで快適にシール登高していき、視程10mほどのホワイトアウトの中、GPSと周りの地形を見極めてルートファインディングを無事こなして山頂避難小屋到着。
氷ノ山 山スキー IMGP1801

時刻は12時前で、予想以上のラッセルに大幅に時間が掛かってしまった。
気温はマイナス8℃、5~6m/sで厳冬期のこの時期としては微風。

避難小屋で簡単に行動食を取って10分ほど小休止。
シールを剥がして待望のパウダー滑降の開始だ。

視界の狭い中、ネジレ谷へのエントリーポイントをGPSで確認し、ドロップ。
氷ノ山 山スキー IMGP1804

昨夜から続く降雪で極上のパウダースノーの浮遊感を存分に堪能しながらスキー滑降していく。
氷ノ山 山スキー IMGP1806

Co1,509mからCo954mまで約550mの高度差に渡って延々と極上パウダーを味わえた。

ネジレ谷の核心部、"ノド"もふっかふかのパウダースノーのお蔭で難なく通過。
氷ノ山 山スキー IMGP1807氷ノ山 山スキー IMGP1808

パウダースノーってホンマ最高!
その分、登高のラッセルがしんどいけど・・・

滑降を終え、再度シール登高で延々トラバースしつつ、ゲレンデへ戻っていく。
氷ノ山 山スキー IMGP1809

ゲレンデまでの所要時間を見誤ってしまい、トラバース途中でシャリバテになってしまう。

こまめに小休止を入れつつ、行動食を取って何とか体力を回復し、ゲレンデトップに帰着。
氷ノ山 山スキー IMGP1810

シールを剥がして最後のスキー滑降。

ゲレンデトップは圧雪されておらず、今朝登ってきた自分のトレースのみしか無かった。トップのパウダーを抜け、圧雪されたゲレンデへ突入。
氷ノ山 山スキー IMGP1812

管理されたゲレンデの滑走は超簡単。あっという間に駐車場へ下り着いた。

今回500mlのテルモスしか水分を持って行かなかったが、予想以上のラッセルで水分が不足してしまった。水は余裕を持って持参しないとバテてしまう。

このルートは山スキーの魅力が凝縮されたような好ルートで、極上パウダーのスキー滑降も楽しめて個人的に一番お気に入り。しかも神戸から近くてアプローチも容易なので、毎年通いそう。