阿弥陀岳 広河原沢 アルパインアイスクライミング
山行日 | 2014年12月6-8日 |
---|---|
山域、ルート | 阿弥陀岳 広河原沢 |
山行形態 | アルパインアイスクライミング |
メンバー | T・I(記) |
阿弥陀岳 広河原沢 アルパインアイスクライミング 山行記録
12.6(土)広河原沢右俣(クリスマスルンゼまで)
予定していたこの冬2度目のアイスクライミング。
待望の?寒波がやってきたので、懲りもせずに広河原沢のリベンジに向かう。
舟山十字路駐車場は10台ほどの車で、ほぼ満車、周囲は雪が厚く積もり期待できそう!?
そして、今回は忘れ物もないはず!?
再び二俣を目指すが、前回とは大違いの雪道で、1週間でこれほど景色が変わるものかと、ただただ驚く。
二俣には既にテントが4張ほど、我々も右手にテントを張って右俣に向かう。
右俣はすっかり雪化粧で、出合のナメ滝もしっかりと凍っていたが、たまに降り積もった雪に騙されて気を抜くと氷を踏み抜きドボンとなる。
前回同様最初の滝前でアイゼンを着け、今回はダブルアックスで快適に登る。
先週唯一登った滝を登って武藤返しの滝を見に行くと黒山の人だかり、残念だが待っても登れそうにない。
今日は、もう少し先のクリスマスルンゼまで行ってみることにし、前回、氷結の甘かった10m滝を各々で登る。
しかし、雪が深い・・・しかも新雪サラサラの雪質なので、雪下に隠れている木の枝の石にやたらと足を取られて消耗する。
やや右手方向に右に左にと20分超トレースを先行2パーティーと共に辿ると狭い谷間の右手にだいぶ雪に埋まったクリスマスルンゼ(地形図標高2,261m地点南東直ぐの谷間付近)が姿を現した。
まず男女パーティーが、ロープを着けて滝の左手を登り出す。
T君は傾斜の緩い滝の右手を新調したモノポイントアイゼンでスタスタと登っていく。
小心者の僕も後に続く。
降り積もった雪で滝1段目の傾斜は緩いものの、段差の部分は若干立っていて氷結状態が悪く乗っ越すのに少々ビビる。
殆ど雪で埋まった2段目滝をほぼラッセルで登り、3段目滝下で確保支点を作ったT君のもとに辿り着く。
先に取り着いた男女パーティーが3段目を登り始めたが、ここで時間切れ。
かなり苦労して即席アバラコフ?を作って懸垂下降。
3段目上からは、右岸にある立木から50mロープ一杯で懸垂下降できるようである。
水は、右俣近くの中央稜取着き付近の流水で補給できた。
◆舟山十字路0950~1120二俣1220~1320右俣分岐~1440クリスマスルンゼ1540~1740二俣
12.7(日)広河原沢3ルンゼ
2日目は、3ルンゼに向かう。
右俣との分岐でアイゼンを着けて本谷に入り、最初の滝は左岸を越える。
これを越えると暫くナメ滝を進むが、うっかりすると薄い氷を踏み抜き下を流れる水にドボンする。
10mCS滝手前で、僕のミスで左岸から入る小さい谷を3ルンゼと勘違いして入ってしまい、50分ほどロスする。
10mCS滝はT君がロープなしで越え、僕は上からロープを頂戴して越える。
10mCS滝を越えると正面に大きな岸壁に行く手を阻まれルートは左へ。
雪の深く積もった傾斜の緩い滝を越えていくと、漸く1・2ルンゼ出合の大滝が見え、自分たちが漸く3ルンゼの出合に着いたことを知る。
右手の狭い谷間(3ルンゼ)に入っていくが、とにかく雪が深く、絶えず上部から流れてくるサラサラの雪にトレースも消え、小滝も殆ど埋まった状態であった。
特に三段30m大滝手前では胸まで潜る雪に阻まれ難儀する。
大滝もかなり雪で埋もれており、とりあえず僕が先行するも3段目で力尽き、T君と交代。
大滝上で10m位の垂直の滝と右手に同様の高さのやや傾斜の緩い滝が現れ、トレースは垂直滝へ。
既に時間は1430近く、疲れていたのでT君と相談して右手の尾根に逃げることにする。
太陽は無情にもどんどん傾いていき、これは久しぶりのビバークか!?と思い始めたころに見覚えのあるP3基部に着く。
急いで南陵の縦走路を下るも、青ナギで辺りは真っ暗に。
青ナギを下るのは初めてであったが、トレースがなく迷ったとしても樹林帯の中なので何とかなるだろうとのことで、ヘッドラを着けて下ることにする。
上部から青ナギを3分の1ほど進んだあたり右手の木に赤テープがあり、ここから谷間に降りる。
最初はやや左手に進み赤テープが消えたあたりで真っ直ぐ下ると樹林帯を抜け、広い谷間に出る。
この谷間を下るのだが、とにかく新雪下のゴロゴロした石に足をとられて疲れた身体に追い打ちをかける。
やがて谷間が狭くなりだしたころ、右手の木に赤テープを発見。
この先少し進むと谷が急になっていたので、先ほどの赤テープが尾根に乗る印だと思い右手の急な尾根に入り木を掴みながら赤テープを辿り降りる。
やがて水の流れが聞こえだし、見覚えのある右俣の河原が見えたので、ほっとする。
最後の傾斜がきついが、雪が深かったのでロープなしで本谷と右俣分岐直ぐ下流の河原に降り立つ。(下降所要時間約40分、地形図上最後の約70mは右の尾根に乗り河原に降り立つ。)
トレースがあって、行動時間約13時間・・・しかも日没・・・。
この雪の深さでトレースがなければ、技量と体力不足の自分達は、とても抜けれなかったな・・・とT君と反省しつつ二俣へ戻る。
3ルンゼは、3ルンゼに入ってからも長い・・・。
◆二俣0635~0730右俣分岐~0920本谷ゴルジュ奥の滝~1100CS10m滝~11403ルンゼ分岐~1300三段大滝~1420大滝上二俣~1610P3基部~1700青ナギ1730~1815右俣分岐付近~1910二俣
12.8(月)広河原沢左俣
最終日は、左俣に入る。
最初の釜を持つF1、3m滝は凍っておらず右岸を高巻くが、河原に降りる所が急でロープがあるが心許ない。
少し進むとナメ滝が現れ、これを越えて暫くゴーロ帯を右に左に進む。
大岩の右手を抜け、更に進むと見晴らしルンゼが右岸に現れれるが、まだ凍っていなかった。
この先、直ぐに8m滝が現れる。
氷結が甘いので空荷で試しに登る。
ここから、10m程の滝が連続する。
ロープを着けて練習させてもらう。
帰りの時間もあるので、3つ程滝を登ったところ、標高2,150m付近で切り上げ、懸垂下降に移る。
◆二俣0650~0710F1~0750見晴らしルンゼ分岐~0920標高2,150m付近~1110二俣1220~1315舟山十字路
帰りは、いつもお世話になっているもみの湯で汗を流して帰路に着く。
かなりの積雪に苦労したものの、前回と違い、そこそこアイスクライミングの練習ができた山行であった。