台高 黒石谷 沢登り
山行日 | 2016年8月21日 |
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山域、ルート | 台高 黒石谷 |
山行形態 | 沢登り |
メンバー | A木、橘(記) |
台高 黒石谷 沢登り 山行記録
黒倉又谷と黒石谷を混同してしまい、とりあえず初めて登るような記憶の黒石谷を遡行することにする。
前夜土曜日22時伊丹発、翌日0時過ぎ、黒石谷ゲート着。少し奥の駐車場に行くと料金600円との看板があるので、少し戻って道沿いのスペースにテントを張って、酒盛りのあと仮眠する。辺りは霧雨で明日の予定について悩む。
翌朝5時、目を覚ますと辺りは弱雨でまず出鼻を挫かれ、もう一度寝る。
7時過ぎ起きてみると少し雨脚は弱まったようなので、仕方なく遡行準備に取り掛かる。結局8時過ぎ発の遅いスタートになったが沢に入るには少しでも天気が晴れて気温が高い方が楽しい。
林道を30分ほど詰め、適当なところから沢に入る。魚影も濃く、釣りに適したところのようだ。でも見つかったらややこしいことになりそうだ。
暫く沢を歩くと夫婦滝のような左右に大小の二条の滝が出現。早速男女滝に着いたのかと、我の足の速さに驚いたがどう見ても時間的におかしいのでこれは男女滝ではないと思われる。暫く行くと廊下に出たので突破を諦めて巻く。
何やら大きな滝が一杯現れるのだがどれがどれだか分からず、また直登の足がかりも見いだせないので色々まとめて高巻く。巻きが勝負だ。100mも巻きあがると却って危ない。谷に降りられないところは懸垂2Pで降りる。
途中腹が減ったので適当なところで休憩し、またスタートする。ロープはマメに出す。息が合うのか、結構早いペースが出る。沢でのセカンドビレイは言わなくても半マストで十分だ。ハンマーとピトンも持ってきてくれているので助かる(自分は持ってこなかったが)。やがて男女の滝、明神の滝、扇の滝、と豪壮な滝が出てくるがどれも立派すぎて直登できず、大高巻きの連続で枝尾根に乗らないように注意しながら巻く。巻き道は薄くなったり濃くなったり色々だ。
明神滝まで来たところで14時、登山道も近いはずなので休憩の後、右岸の杣道を求めて沢から上がる。暫くで立派な杣道に出た。あーやれやれ、下山は楽勝かと思いきや、途中の木橋が皆朽ちかけで、高度10mほどの空中を肝を冷やしながら橋に正座しながらやっとのことで渡る。まったく心臓が縮みそうだ。
なんとか空中散歩を乗り切ると、今度は大きな山抜けの出現だ。熱心なトラロープが張られているが、張った時点から地面の崩壊が進んだらしく、ロープと地面が真ん中では2mほども離れている。それでも最短コースを下りようとトライするが、先行者の足跡が消えた地点あたりからどうにも心理的に参りだし、A木君のやめた方がいいですよの声を神の声と錯覚し、方法の体で戻る。さあどうしよう。雪山ならアイゼンピッケルでステップ切りながらトラバースだがどうも山抜けは気色が悪い。角度も微妙に急で何より足元がずるずる崩れていく。協議の結果、上部稜線まで巻いてこの灘場を超すことにする。滝に続いて山抜けの高巻きだ。斜面に強い鹿君達の足跡に助けられながら何とか30分ほどかかってわずか直距40mほどの山抜けを超える。ただ危険なだけのタフな道だ。夕方遅めに下山コースにした場合、難易度はさらに上がると思われるのであまり取り入れたくない下山路だった。やがて次第に木こり道となり、途中道をロストしたりしながら約2時間30分で無事車の停めてある林道ゲート前まで戻る。A木君、お疲れさまでした!。
note
入渓暫くは初心者でも歩けるような沢かなという感じだったが、途中からは巻きの連続となった。遠くに滝を見ながら不安定な斜面をトラバースするのはどうも好きになれない。その名の通り、黒い岩の多い、あまり日差しも入らない、薄暗い谷だった。